コラム

2022/07/14

コツさえわかれば意外と簡単!観葉植物ユッカの育て方

観葉植物の購入を考えたときに、ユッカが候補に挙がる方は多いのではないでしょうか?

北アメリカから中央アメリカ原産のユッカは、乾燥に非常に強く、初心者にも育てやすいと人気が高い観葉植物のひとつです。
家にいる時間が増えた昨今では、部屋の雰囲気を明るくしてくれると人気が高くなってきていますが、気になるのがユッカの育て方や日々のお手入れでしょう。購入後にすぐに枯れてしまってはもったいないですよね。なるべく長く、きれいに部屋を彩ってほしいものです。

そこで今回は、ユッカの特徴、育て方や日々のお手入れについて詳しく解説していきます。

大きさは?育て方は?観葉植物ユッカの基本情報

大きさは?育て方は?観葉植物ユッカの基本情報

まずは、植物としてのユッカの情報を確認しておきましょう。

科名属名: リュウゼツラン科(キジカクシ科)イトラン属(ユッカ属)
学名:   Yucca
通称:   Adam's needle、青年の木
分類:   常緑
原産地:  北アメリカから中央アメリカ(メキシコ南部~グアテマラ)
樹高:   30cm~10m
花言葉:  勇壮、偉大、颯爽

観葉植物に最適?育て方や品種などユッカの特徴について解説

観葉植物に最適?育て方や品種などユッカの特徴について解説

ユッカは、メキシコ南部からグアテマラの乾燥した気候に植生します。原種には鋭くとがった葉と、葉を縁取るのこぎり状のギザギザがあるのが特徴です。そのため、通称には「銃剣(bayonet)」、「剣(sword)」、「短剣(dagger)」、「針(needle)」といった名前がついていることが多いです。

日本で観葉植物として多いのは、幹の先からロゼット状(放射状)に葉が生える種類のものです。多年草の低木として知られていますが、種類によっては10mを超える大木に成長します。

また、まっすぐに伸びる姿とその花言葉から、門出のお祝いのギフトとしても人気が高いです。

ユッカには60種類近くの種類があり、特徴もさまざまです。
日本で栽培されている主なユッカの品種は、以下の通りです。

  • ユッカ・エレファンティペス(和名:青年の木)
  • ユッカ・グロリオサ(和名:厚葉君が代蘭)
  • フィラメントーサ(和名:糸蘭)
  • キミガヨラン
  • ユッカ・ロストラタ
  • デスメティアーナ

ユッカの育て方① ユッカの育成に適した栽培環境とは

ユッカの育て方① ユッカの育成に適した栽培環境とは

ユッカは耐寒性・耐暑性に優れている品種が多く、室内でも庭園木としても問題のない植物ですが、日差しが強すぎると葉焼けすることがあります。とくに、屋外で栽培する場合は、真夏に日差しが照り付けるような場所ではなく、少し日陰になる場所がおすすめです。夏場に高温になるコンクリートの上などは避けるようにしましょう。

室内に置く場合は、ガラス越しで日光が柔らかく当たる場所に置きましょう。ユッカ・エレファンティペスであれば、日陰でも育ちますが、ユッカ・ロストラタは日当たりが悪い場所だと育成不良になるため注意が必要です。

ユッカの育て方② ユッカを育てる時に用意したい物

ユッカの育て方② ユッカを育てる時に用意したい物

観葉植物を初めて購入した方は、園芸用品が揃っていない方もいるのではないでしょうか。そこで、ユッカを育てるにあたって必要な準備物をまとめました。

  • 水はけがいい腐植質の用土
  • 苗木より二回りほど大きな鉢
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
  • 剪定ばさみ
  • じょうろ

ユッカを初めて育てる方には鉢植えのものをおすすめします。土類の用意が必要なくなるので、剪定ばさみとじょうろを購入しましょう。

ユッカの育て方③ 植え付けや水やりなど日々のお手入れ

ユッカの育て方③ 植え付けや水やりなど日々のお手入れ

ユッカが枯れずに成長するために、必要な日々のお手入れについてのポイントをご紹介します。

植え付け

暖かい時期(5〜9月頃)がおすすめです。

水やり

鉢土の表面が乾いてきたら鉢底からあふれるぐらいたっぷり水を与えます。冬は鉢土の表面が乾燥気味になるように管理するのがポイントです。乾燥を好む植物ですので、水の与えすぎは根腐れを起こす原因になります。

切り戻し

芽が長くなってきたら、株元から5〜10cm残して切ります。切った茎部分は挿し木にもできますので、増やしたい場合は取っておくといいでしょう。
ユッカは乾燥に強い植物ですが、水やりが足りないと葉先が枯れてしまいます。枯れた部分は葉の形に添って切り、見た目を整えましょう。
害虫防止対策としては、霧吹きで葉を湿らせると効果的です。屋外なら、ホースからの水圧で虫を洗い落とすこともできますので、水やりのついでに葉を洗うといいでしょう。

ユッカの育て方のポイント① 肥料

ユッカの育て方のポイント① 肥料

育成期に当たる春から秋に、緩効性化成肥料を2カ月に1回与えます。肥料を与えすぎて枯れるようなことにはなりませんが、成長しすぎて不格好になることもありますので、肥料に表示されている適切な量を守りましょう。

ユッカの育て方のポイント② 病害虫対策

主な害虫はカイガラムシとハダニ、病気は炭疽病です。
それぞれの特徴と対処法をご紹介します。

害虫

カイガラムシは湿度が高いと発生しやすくなります。
幼虫なら牛乳や、水で薄めた木酢液をスプレーボトルで葉に吹きかけるか、市販の殺虫剤を使います。成虫なら、ハケや歯ブラシといったもので落とすか葉を剪定しましょう。
ハダニは逆に湿度が低いと発生しやすくなります。葉の裏側についていることが多いので、よく観察しましょう。駆除には殺ダニ剤を散布します。
ユッカをなるべく空気の流れがある場所に置き湿気を飛ばす、葉に霧吹きなどで水をかけ少し湿らせた状態にしておくことで、害虫はある程度予防が可能です。

病気

主な病気は炭疽病です。カビが原因で引き起こる病気で、葉に黒色や灰色の斑点ができるのが特徴です。湿度が高い場所を好み、とくに梅雨時期になると発生しやすくなります。
炭疽病は伝染しやすい病気ですので、感染した葉に触れた水からも感染します。斑点が出た葉があればすぐに切り取りましょう。初期段階であれば、薬剤を散布することで対処できます。
全体に広がってしまった場合は処分するしかありません。土にもカビが落ちていますので、土を含めてすべて処分しましょう。

ユッカの育て方のポイント③ 冬越し

ユッカの育て方のポイント③ 冬越し

ユッカの耐寒性は5℃程度と言われていますが、品種によっては寒さに弱いものもあります。鉢植えで外においている場合は、肌寒い時期になったら室内に移動させるのがいいでしょう。日当たりのいい場所に置き、水やりは控えめに。土の状態を確認することが大切です。

ユッカを増やしたい時の育て方!株分けと挿し木の方法

ユッカを増やしたい時の育て方!株分けと挿し木の方法

ユッカは幹挿しや挿し木で増やすことができます。剪定で切った枝でも可能です。大きくなってきたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

幹挿し

株の上部を切り取ると、残った幹から新しい芽が出てきます。幹が長くなってきたら幹挿しに挑戦してみてはいかがでしょうか。

  1. 清潔にした剪定ばさみやのこぎりなどで幹を好きな長さに切る。
  2. 切り口に根腐れ防止剤や草木灰を塗る。
  3. 新しい鉢の底から、鉢底ネット、鉢底石、用土を入れて水をやり、土を湿らせる。
  4. 切った幹を挿して水をやり、日陰で保管する。

挿し木

湿度が高い方が根が成長しやすいので、梅雨時期の挿し木がおすすめです。

  1. 枝を約10cm切り取る。
  2. 枝の切り口に発根促進剤をぬる。
  3. 新しい鉢の底から、鉢底ネット、鉢底石、用土を入れて水をやり、土を湿らせる。
  4. 用土に指で穴をあけて、枝を挿す。(添え木があるとなお◎)
  5. 水やりをして日陰で保管する
  6. 根が生え、新芽が出てきたら植え替える。

大きくなりすぎたユッカの育て方!鉢替えの方法

大きくなりすぎたユッカの育て方!鉢替えの方法

3〜4年に1度を目安に、一回りか二回りほど大きな鉢に植え替えます。時期は4月中旬から9月中旬がいいでしょう。それ以外にも、鉢から根が出てきているような場合は植え替えをします。

  1. 水やりを控え、土を乾燥させる。
  2. 新しい鉢に鉢底ネット、鉢底石、底から1/3ぐらいまで用土を入れる。
  3. ユッカを鉢から出し、根についた土を軽くもみほぐして落とす。
  4. 古くなったり傷んだり、長すぎる根を切る。古くなった根の2/3は残す。
  5. 新しい鉢の中心にユッカを置き、周りに土を入れる。
  6. 水をやり、日陰で1週間ほど保管する。

ユッカの育て方!庭で根詰まりを起こしてしまう時は植え替えで対処

ユッカの育て方!庭で根詰まりを起こしてしまう時は植え替えで対処

ユッカは庭での栽培も可能な植物ですが、場所が狭いと根詰まりを起こすこともあります。
植え替えする場合、根鉢(根が土とひとかたまりになった部分)の2倍の深さと、直径の2.5倍の穴が必要です。

まとめ

ユッカは、太くてしっかりした幹がまっすぐに伸びる様子が勇ましく、まさに門出に相応しい観葉植物です。
インテリアとしても人気があり、育て方も簡単ですので、観葉植物を購入する際にはぜひ手に取ってみてください。
種類も豊富なので、きっと気に入るユッカが見つかると思います。
日々の生活の中に、ユッカで彩りを添えてみてはいかがでしょうか。