細く尖った葉とぐんぐん上に伸びるパワフルな姿が印象的なユッカは、観葉植物として人気です。
パワーあふれる姿が好まれるため、家だけでなく緑の多いカフェやショップ、オフィスでも目にする機会が多い植物でしょう。
ユッカは種類が多く、それぞれ独特な姿をしているので選ぶ楽しみがあります。環境を整えて水やりや季節ごとの管理など、基本的な育て方を実践すれば元気な姿を楽しめますよ。
丈夫で育てやすい種類なので、これから観葉植物を育てたい初心者にもおすすめです。
このページでは、人気の観葉植物ユッカの特徴や育て方、管理で注意すべきポイントを徹底解説します。
観葉植物ユッカの基本的な情報を整理
ユッカはリュウゼツラン科(キジカクシ科)、イトラン属(ユッカ属)の植物です。
北アメリカから中部アメリカが原産地で、5月頃から10月頃までの気温が高い時期に開花期を迎えます。
基本的に耐暑性が高く乾燥にも強いため、世話はさほど手間がかかりません。
ユッカの原産地ではタピオカの原料であるキャッサバという植物も自生しており、ユカと呼ばれています。
見た目がユカに似ていたために、ユッカという名前が付けられました。
観葉植物の定番ユッカ(青年の木)
ユッカ最大の特徴は、その見た目でしょう。
細く尖った葉の形とフレッシュなグリーンが爽やかな印象で、一般的に2m以内の高さのものが多いためインテリアグリーンとして定番です。
男性的な見た目から「青年の木」とも呼ばれ、男性向けのプレゼントとしても人気があり、耐寒性がある種類は庭木としても需要があります。
観葉植物ユッカの種類① 一番人気の【ユッカ・エレファンティペス】
広く流通しているユッカの種類の中で、もっともよく目にすることが多いのは「ユッカ・エレファンティペス」です。
株が象(エレファント)の足に似ていることから「エレファンティペス」の名が与えられました。
「青年の木」はユッカ全般の別名でもありますが、特に「青年の木」を和名としているのはユッカ・エレファンティペスです。
乾燥に強く日陰でも育つ逞しさがあり、耐寒性があり寒い地域での冬越えもしやすく、日陰でも育ちやすい品種です。
観葉植物ビギナーも安心して育てられます。
観葉植物ユッカの種類② 低木品種【フィラメントーサ】
フィラメントーサは100cm前後ほどの低木品種で、アメリカの南東部が原産地です。
柔らかい葉がこすれあうと糸状の繊維であるフィラメントが出てくることから名付けられました。別名(和名)は「糸蘭(イトラン)」です。
ユッカの品種の中でも耐寒性に優れており、-25℃まで冷え込んでも耐えられるほどです。
日本でも庭木として育てられます。
観葉植物ユッカの種類③ 葉色が変化【デスメティアーナ】
デスメティアーナは細く笹のような葉をつける種類で、冬になれば葉の色が紅葉のように変わります。
ユッカの中でも色の変化を楽しめる人気の品種ですが、希少性の高さから他品種のユッカと比較しても高価になりがちです。
コレクター人気も高く、同じサイズのユッカの倍以上の値段が付くことも珍しくありません。
観葉植物ユッカの種類④ 花も楽しめる【ユッカ・グロリオサ】
明治時代に日本へ持ち込まれたのがユッカ・グロリオサです。
厚みのある葉が特徴で、「アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)」の和名を持っています。
開花期にはまっすぐのびる茎と美しい花を咲かせて楽しませてくれます。
観葉植物ユッカの種類⑤ 太い幹の存在感【フィリフェラ】
フィラメントーサと同様に、葉がこすれ合うと糸状のフィラメントが出ます。
ユッカの中でも太くたくましい幹をもち、フィラメントーサよりも成長するため迫力があります。
フィラメント付きの葉を多くつける姿は独特で力強さを感じますが、葉の先端は鋭く尖っているので、ケガをしないよう気をつけましょう。
観葉植物ユッカは花を咲かせる!花言葉は「勇壮」や「偉大」
ユッカは強い香りを放つ花を咲かせますが、ランの仲間なので葉の間から長い茎を伸ばして、縦長に並んだ花を楽しめます。
雄しべと雌しべが離れており自家受粉が難しいため、香りで「ユッカ蛾」という蛾を誘って花粉を運ばせて受粉する仕組みです。
ただし日本にはユッカ蛾が生息していないので、国内で自然受粉により実をつけることはありません。
また、リュウゼツラン科の植物は開花した後、種を残して枯れてしまうものの、ユッカは花が吐き終えた後も枯れることなく成長します。
まっすぐに伸びていく姿から、ユッカには「勇壮」や「偉大」といった花言葉があります。
運気を高める!観葉植物としてのユッカの風水効果を紹介
観葉植物は風水でも重要視されているアイテムです。
風水効果や置き場所を確認して取り入れてみましょう。
風水効果
ユッカは縦にまっすぐ伸びることから、成長や発展といった意味が込められており、開業祝や新築祝いの贈りものとしてもおすすめです。
自宅で育てる場合は金運や仕事運のUPが期待できる植物とされています。
置き場所
風水では縦にまっすぐ成長する植物は陽の気をもつとされ、また日当たりのいい日陰を好むことからも玄関や窓辺はおすすめの置き場所です。
また、葉先が尖っている植物は邪気を払うとも言われているので、玄関や鬼門など邪気払いしたい場所に置くのもいいでしょう。
ユッカが元気に育つ環境は?観葉植物に最適な栽培環境
品種によっては寒さや暑さへの耐性が異なりますが、観葉植物としては育てやすく生命力も強いので、日本の屋内であれば環境を整えることも難しくありません。
必要な準備
ユッカは日陰でも育ちやすい丈夫な観葉植物ですが、環境を整えると元気よく成長します。
丈夫でお世話の手間もさほどかからないので、必要な準備も多くはありません。
ユッカを育てるには、サイズにあった植木鉢と鉢底石、鉢底ネット、用土、ジョウロ、剪定ばさみ、時折加える肥料や植え替えの時に使うスコップなどがあれば十分です。
日当たり
日陰でも育つものの、もともと日当たりがいい場所を好む植物です。
春から秋にかけての温かい季節は日当たりのいい場所に置いてあげると喜びます。
ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因にもなるので、室内では遮光性のあるカーテンをしてあげましょう。
冬は日照時間が少ないので、できるだけ日当たりのいい場所へ移動しましょう。
また風通しがいい場所も大好きなので、窓辺や玄関など風が流れる場所がベストです。
気温
ユッカは、耐暑性がありますが、寒さには少し弱めなので、5℃以下を下回る季節は元気がなくなりがちです。
日本の屋外で育てるなら秋以降の寒い季節は屋内へ移動することをおすすめします。
用土
ユッカは水はけのよい土であればさほど問題なく成長してくれます。
市販の観葉植物用培養土で問題ありません。
ブレンドする場合は鹿沼土と赤玉土は1、観葉植物用の土を2の割合がおすすめです。
水はけを良くするために鉢底石を敷いて赤玉土の小粒タイプを混ぜるといいでしょう。
ちなみに、化粧砂などで土の表面を覆うとコバエの発生を防げますよ。
初心者でも簡単にできる?観葉植物ユッカの育て方
ユッカは丈夫で育てやすい品種なため、初心者でも世話が簡単にできると人気です。
一般的な観葉植物の世話の手順で問題ありません。
日々のお手入れ
ユッカへの水やりは「土が乾いたら鉢底から水があふれるくらい」が基本です。
ただし水のりすぎで根腐れを起こすこともあるので、割りばしや竹串を刺して鉢の中の土も乾いているか確認してください。
肥料は必要?
ユッカへの肥料は夏から秋にかけて1カ月に1回、固形肥料を与えるだけでかまいません。
植え替え時には化成肥料を混ぜておくと2~3カ月は追肥も必要ありません。
ユッカの葉が増えすぎたら?観葉植物ユッカの剪定・切り戻し方法
ユッカは環境が整うと葉がぐんぐん伸びて、葉が増えすぎたり長さがバラバラになることがあります。
パワフルな成長は見ていて元気をもらえますが、剪定や切り戻しの仕方を知っておけば見た目を整える楽しみもできますよ。
剪定方法
剪定にベストな時期は春から初夏にかけてです。
元気に成長する時期で剪定のダメージも受けにくいので、剪定時期は逃さないようにしましょう。
ユッカは剪定した切り口の、少し下から新しい枝が生えてきます。
枝を生やしたい場所を決めたら、そこから少し上を剪定しましょう。
切り口には癒合剤(ゆごうざい)を塗って感染症を防ぐ処置もしておくと安心です。
ちなみにユッカは葉が古くなっても自分で落としません。
色褪せたままぶら下がるので、古い葉はカットしてあげましょう。
切り戻し方法
葉が増えすぎて密集したり、葉先が痛んで変色したりしたときに切り戻しを行います。
増えすぎている場合は数枚を葉の根元からカット、枝は枝元を、背丈を低くしたいときには幹もカットします。
葉先は、少しの痛みであれば痛んでいる部分だけをカットしますが、痛みが広がるようなら潔く根本からカットするのがベストです。
根詰まりを起こしたら?観葉植物ユッカの植え替え・鉢替えの方法
ユッカはお日さまを浴びて、水をぐんぐん吸収するので根っこもどんどん伸びます。
植え替えの目安は2年に一度、春から秋にかけての温かい季節に行いましょう。
植え替え方法
春から秋にかけてが植え替えのシーズンですが、とくにおすすめなのは梅雨時期です。
湿気があって土にすぐなじみやすいので、植え替えのストレスや負担を減らせます。
あらかじめ余分な葉や枝をカットしておくのも、根への負担を軽くするポイントです。
新しい鉢には必ず鉢底医師を敷き、水はけを保つことを忘れないでください。
鉢替え方法
植え替える時には1サイズ大きい鉢を用意します。
葉や茎がぐんぐん成長するように、根もあっという間に伸びて根詰まりが起きることがあります。
植え替えの際には根っこを揉みほぐしてのびのびとさせてあげましょう。
増やしたい時は?誰でもできる観葉植物ユッカの増やし方
ユッカを増やす方法は株分けか挿し木になります。
原産地で自生しているユッカは花を咲かせ、花粉を蛾(ユッカ蛾)に運んでもらって受粉して種を作りますが、日本では花粉を運んでくれる蛾がいないため、種を作ることができません。
土が湿りやすい梅雨時期に、カットした小枝を赤玉土やピートモスに植えて発根を待ちます。
脇芽のつけ根部分をスプーンでえぐるようにカットして土に植えます。
明るい日陰で土が乾かないようこまめなチェックも必要ですが、生命力が強いので初心者でも簡単に増やせるでしょう。
要注意!観葉植物ユッカを美しく保つために
初心者にも育てやすく贈りものやプレゼントにも選ばれるユッカは、ひと手間加えるだけで生命力あふれる姿を維持できます。
病害虫に注意
ユッカには、ハダニやアブラムシなどの害虫がつきます。
定期的に葉へ水をかけているとハダニ発生の予防になります。
屋外で育てる場合はアブラムシやカイガラムシがつくことがあるので、水やりのたびにチェックし、害虫がついていたら小さめのブラシで落とすなどの対策をしましょう。
カイガラムシは専用の薬剤で予防可能です。
夏越しの方法
耐暑性が高い植物ですが、夏の直射日光で日焼けする可能性があります。
明るい日陰に置いてあげればすくすく成長します。
表面の土が乾燥したらたっぷりの水を与えて、鉢受に溜まった水は捨てて通気性を維持しましょう。
冬越しの方法
冬はユッカの生育が落ち着きます。
春に向けて休眠のような状態になるので、寒い季節は水やりの回数を少なくし、肥料は与えません。
少し乾燥気味の方がいいので水やりは1週間に一度ほど、屋外で育てている場合はできるだけ室内へ移動してください。
まとめ
シャープな葉を元気よく上に伸ばす姿のユッカは、飾っているだけで元気をもらえる観葉植物です。
空間を引き締めるインテリアの役割もあり、青年の木という別名から男性への贈りものにも適しています。
生命力が強く、観葉植物の中でもシンプルなお世話で成長してくれるので、初心者にもおすすめです。
種類も多いので、どの姿のユッカから育ててみるのか選ぶ楽しみも実感してくださいね。