花農家で育てられたお花のうち2～3割は、「規格外」などの理由で、売り先が見つからないまま廃棄されてしまうことをご存じでしょうか？
こういった新鮮なお花が市場に出回ることなく大量に捨てられてしまう問題を「フラワーロス」と呼びます。
フードロスや衣類ロス、コスメロスなど、廃棄に関する問題は様々ですが、とりわけフラワーロスは廃棄率が高いことで有名です。
しかし一方で、廃棄される予定のお花を救うための支援の輪も、少しずつ広がってきています。
そこで本記事では、フラワーロスが起きる原因や、支援のためにできることを具体的に解説しています。誰でも気軽に続けていけるサポート方法もありますので、ぜひ試してみてください。
廃棄されるお花「フラワーロス」の支援
「フラワーロス」問題とは、消費者の手に渡るより前に、大量の新鮮なお花が廃棄されてしまうことです。花き業界では以前から課題になっており、解決するための取り組みが急がれてきました。
新鮮なお花が大量廃棄されてしまう大きな原因は、2つあります。
1つは、お花が仲卸業者で決められている厳格な基準に適さないため「規格外」になってしまい、市場に出ないまま廃棄されてしまうことです。
もう1つは、新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントが中止になり、会場装飾のために使われる予定だったお花を廃棄せざるを得なかったためです。
これらのお花は、規格外といっても瑞々しく綺麗です。まっすぐで長い茎のお花だけが合格とされる仲卸業者の検品基準にはたしかに合いませんが、自分用に飾ったり、フラワーアレンジメントなどで十分に楽しめます。
廃棄される予定のお花は、とても身近な方法で私たちにも救えます。本記事では具体的な方法についてまとめているので、ぜひチャレンジしてみて下さいね。
フラワーロス支援①プロジェクト【通販】
フラワーロス支援のプロジェクトとしては、廃棄予定だった規格外のお花を花農家から直接買い取り、サイトから通販で購入できるサービスなどが挙げられます。
通常価格の約3割〜7割引きでボリュームあるお花が購入できる場合も多いので、アレンジメントにもおすすめです。お花の種類のほか、自宅用や手作り用といった目的などから選べます。
フラワーロス支援②町のお花屋さん【店頭販売】
通販を始めとしたフラワーロス支援のほかに、近所にあるお花屋さんからお花を買うことも十分な支援の1つです。お店で廃棄されるお花を1輪でも減らし、花農家を救うことにつながります。
最近では、フラワーロス支援の一環として、規格外になったお花を花農家から購入し、ブーケにして店頭で販売するお花屋さんも増えてきました。「アウトレット」「ふぞろい」など、規格外だということをきちんと納得したうえで、お客さんたちは買っていきます。
お店によっては、開店前からアウトレットのお花目当てのお客さんで行列ができるところもあります。他の色が混じった花弁や曲がった茎のお花は、1輪ずつが違うからこそいつまでも眺めていたくなる魅力があるのです。
フラワーロス支援③お花のサブスク【定期便】
音楽や動画でおなじみの定額制サービス「サブスク」はお花にもあり、主に「お花の定期便」と呼ばれています。
特に2021年頃には、新型コロナウイルスの影響であまり外出できず家で過ごす人が増えたこともあり、部屋の雰囲気を明るくするお花のサブスクの人気が高まりました。
また、お花のサブスクは、「お花を飾る暮らしを始めたいけど、どのお花を買えばいいのかわからない」という人にもおすすめです。季節に合ったお花をプロが厳選して送ってくれるため、すぐにだめになってしまう心配もありません。花瓶だけ用意し、届いたら飾るだけで部屋の中がぐんと華やぎます。
サブスクはサービスの種類がとても多く、「リーズナブル」「ハイセンスなアレンジメント」など、自分に合った内容を選べます。月額料金は500〜2,000円が一般的です。
フラワーロス支援をテーマにしたサブスクもあり、規格外になってしまったお花を生産地から直送することが多いため、新鮮なまま届きます。
フラワーロス支援に！花色豊かなカーネーション
「母の日」の印象が強いカーネーションですが、実は通年手に入るお花です。人気があるため、お得に購入できます。
カーネーションといえば赤が思い浮かびますが、それ以外にも、白、ピンク、オレンジ、紫、黄、青など、花色のバリエーションがとても豊富です。
花色によって花言葉が異なりますが、「無垢で深い愛」「純粋な愛」など、愛に関するポジティブなものがほとんどです。
ただ、唯一黄だけは「軽蔑」なので、贈る際にはそれだけ気をつけて下さいね。
カーネーションは約2週間ほど花持ちするため、切り花を飾ったりアレンジメントに使ったりすることにも向いています。ドライフラワーも作りやすく、鮮やかな色がしっかり残ります。
色とりどりの花色を長く楽しめるカーネーションは、「フラワーロスを支援してみたい」と思う人にぜひ選んでほしいお花です。
まとめ
お花は、茎が曲がっていたり、花弁の先にわずかに違う色が混じるだけでも「規格外」にされてしまいます。どんなに新鮮でも、たったそれだけで廃棄されてしまうのは残念ですよね。
ですが、このようなお花を救うフラワーロス支援も少しずつ広まってきています。アウトレットのお花を花農家や花農園などから直接購入し、通販やサブスクなどで販売するなど、さまざまな方法で私たちのもとへ届くようになりました。
「お花のためになにかしたい」と感じたら、ぜひ1輪のお花を暮らしに取り入れることから始めてみて下さいね。