新緑と花の季節、母への感謝を表す日「母の日」は植物が美しい姿を見せる5月にあります。
2022年では5月8日、2023年は5月14日、2024年は5月12日、と母の日は毎年日付がかわるイベントです。
母の日に贈る花の定番はカーネーションです。しかし、なぜ様々な花の中で、カーネーションが選ばれるのでしょうか?
同じ季節の人気のある花「バラ」や「トルコキキョウ」、「シャクヤク」、「ルピナス」など、暖かくなる5月にはたくさんの種類のお花が咲き、お花屋さんの店頭にも並びます。
母の日の花が「カーネーション」なのは、実はあるアメリカ人女性の物語に由来しているのです。母の日が生まれる由来となったその女性は社会活動家であり、一人の母親でした。
母の日にカーネーションを贈る風習の由来や、実際に贈るときの選び方を解説します。
母の日の日付とカーネーションが選ばれた理由は「母親への感謝」
母の日は、毎年5月の第二日曜日とされています。
母の日は、お母さんへの感謝の気持ちを伝えたり、日々の疲れを労う日です。
そんな母の日発祥の地は、アメリカだと言われています。
1905年5月9日、アメリカフィラデルフィアに住むアンナ・ジャービスという少女の「お母さんへの感謝を伝える機会を作りたい」という働きかけがアメリカ全土に広がりました。
アンナ・ジャービスの母は、早くに夫を亡くし、さらに戦争や病気により子どもを何人も亡くします。
しかし、アンナ・ジャービスの母は残った子ども達を女手一つで育て上げ、更には社会貢献活動を行うなど、行動力と奉仕の精神に溢れた人生を送りました。
そんな偉大な亡き母が、生前愛したカーネーションの花を追悼会で参加者全員に配ったことが、母の日の始まりと言われています。
そして、1914年には当時のアメリカ大統領ウィルソンが、現在と同じく5月の第2日曜日を母の日とし、祝日となりました。日本でもアメリカの風習にのっとり、戦後から現在の母の日の形となっていきました。
こうしたエピソードから、母の日の日付けが決まり、カーネーションを贈る風習ができていったのです。
日本でも母の日にはカーネーション!大正時代に伝わりました
実は日本でも戦前より母の日の文化自体はありました。初めて日本で母の日が執り行われたのは明治末期です。それが大正に入り、徐々に普及していきました。
昭和には大日本連合婦人会結成を機に、当時の皇后のお誕生日であった3月6日を母の日としていました。
それが1949年ごろに、アメリカ式の5月の第二日曜日が母の日の主流となりました。
そして、日本中に、母の日にカーネーションを贈る風習が広まっていきました。
母の日のカーネーションの色に込められた意味と花言葉
母の日にカーネーションを贈る由来が分かったところで、カーネーションの花言葉について解説していきます。実は、カーネーションはその色によって花言葉が違います。色別に花言葉をご紹介していきます。
カーネーションその物の花言葉
カーネーションそのものの花言葉は、「無垢で深い愛情」です。母親から子どもへの、何も見返りを求めない愛を表すかのような花言葉です。
定番の赤いカーネーション
赤いカーネーションの花言葉には、「母への愛」、「愛を信じる」等があります。花言葉の通り、母の日の贈り物にピッタリな花言葉です。カーネーションの色にこだわりがない方には、定番の赤のカーネーションを贈るのが一番無難だと言えます。
可愛い雰囲気のピンクのカーネーション
ピンクのカーネーションの花言葉には、「温かい心」、「感謝」、「気品」等があります。優しいお母さんへ感謝の心を伝えるのにピッタリな花言葉です。ピンクのカーネーションは、赤よりも柔らかい雰囲気になりますので、お家のインテリアに合わせてプレゼントする色を変えるのも喜ばれるかと思います。
元気な印象のオレンジのカーネーション
オレンジのカーネーションの花言葉には、「純粋な愛」、「あなたを愛します」等があります。愛の中でも、どちらかと言うと情熱的な愛の意味合いを含みます。子どもと一緒に旦那様から奥様へのプレゼントとして贈る際などに、オレンジのカーネーションを選ばれるのはいかがでしょうか。
気品溢れる紫色のカーネーション
紫色のカーネーションの花言葉には、「気品」、「誇り」等があります。義理のお母さんや、母のように尊敬する方へ紫色のカーネーションを贈ると、センスが良いと思われるかもしれません。
母の日のカーネーションにも避けたい色と花言葉があります
母の日にカーネーション贈るのには、少し気を付けなければならない意味合いを持つ色のカーネーションがあります。贈る方が花言葉に詳しく、花言葉の意味を気にされる方であれば、これからご紹介する色のカーネーションは避けた方が無難です。
白色のカーネーション
白色のカーネーションの花言葉には、「あなたへの愛情は生きている」、「尊敬」等があります。一見すると母の日にぴったりの花言葉ですが、実は、白色のカーネーションは母の日がはじまった当初には「亡くなった母へ贈る花」とされていました。
アンナ・ジャービスが亡き母に贈ったのも、白色のカーネーションだったのです。白色のカーネーションには、亡き母を偲び思うという意味もありますので、美しい花ではありますが、花言葉についてよくご存じの方には避けた方が無難です。
黄色のカーネーション
黄色のカーネーションの花言葉には、「美」、「嫉妬」等があります。黄色には元気なイメージがあり、淡い色合いは大変美しいのですが、少しネガティブな花言葉ですので、気にされる方に贈るのは不向きです。
しかし、黄色いカーネーションには「友情」という花言葉もあります。ネガティブな意味合いでなく、友人関係のようないつまでも美しいお母さんに「友情」、「美」という花言葉を添えて贈るのはおすすめです。
贈る人との関係性によって相応しい花の色が変化するのは、花言葉の大変面白いところです。
濃い赤色のカーネーション
濃い赤色のカーネーションの花言葉には、「欲望」、「私の心に哀しみを」等があります。赤色のカーネーションと少し色味が違うだけで、ネガティブな意味の花言葉になってしまいます。組み合わせることで大変豪華な色合いになるのですが、贈り物としては避けておいた方が良さそうです。
「品種」・「色」・「花言葉」から母の日のカーネーションを選ぶ
母の日に贈るカーネーションの選び方としては、「品種」、「色」、「花言葉」をポイントに選ぶことをおすすめします。
「色」、「花言葉」に関しては、先ほど解説したように、贈る相手との関係性や、贈る相手の好み、花言葉を気にされる方かどうかを考慮して選ぶと、より喜んでいただけるでしょう。
カーネーションの品種ガイド
また、カーネーションと一口に言っても様々な「品種」があります。カーネーションの種類は、主に花の付き方と、花弁の形によって分類されます。
特に花弁の形は、受ける印象がガラリと変わります。花弁の形には、華やかな印象になる「剣弁咲き」、可愛い印象になる「丸弁咲き」、ぱっと見ではカーネーションと分からないような「極剣弁咲き」、「ひと重咲き」などの種類があります。
贈る方の好みによって選んだり、様々な種類のカーネーションをセットにしたアレンジメントにしたり、鉢のカタチで贈るのも喜ばれるでしょう。
母の日にカーネーションが手に入らない?ネット通販で予約しよう
母の日のカーネーションについて由来から種類、贈り方までご説明してきましたが、1つ大きな問題があります。
母の日にはカーネーションを贈られる方が大変に多いので、当日にお花屋さんに行っても売り切れてしまっていることがとても多いのです。
事前に買っておけば良いと思うかもしれませんが、お花は生き物ですから根から切り離された切り花の状態では、時間が経つにつれて元気がなくなり、枯れていってしまいます。
母の日の当日に、綺麗なカーネーションをプレゼントするなら、ネット通販で事前に予約購入しておくことがおすすめです!
母の日は、一年に一度、お母さんへの感謝の気持ちを素直に伝えられる日です。
プレゼントも多様化しており、ケーキなどのスイーツやグルメ商品などを注文する方も増えていますが、やはり母の日のプレゼントとして定番のフラワーのギフト「カーネーションの花束」や「鉢植え」を贈るのは喜ばれます。
母の日ギフトのランキング上位に選ばれているのも、やはりカーネーションです。
今年の母の日には、父の日にはない歴史深い由来を添えて、カーネーションのプレゼントを選ばれるのはいかがでしょうか?