コラム

2022/07/29

お葬式などで供える「お供え花」知っておくべきマナーのすべて

親族や友人、仕事関係の方がお亡くなりになったとの知らせを受け、お供えのお花を贈る場合があります。そのとき落ち着いて対応するためには、最低限のお供え花のマナーについて知っておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、お葬式やお通夜をはじめとする法要一般でのお供え花のマナーについて解説しましょう。また法要によってお供え花の決まり事はあるのか、お葬式・お通夜へお供えするお花の手配や、お墓参りにおすすめのお花もご紹介します。

法要のお花を贈りたいとき、知っておくと便利なさまざまな決まり事をまとめました。突然の訃報に戸惑わないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

【色・種類など】法要一般の花マナー

【色・種類など】法要一般の花マナー

お葬式やお通夜のほか、四十九日・一周忌・三回忌などの際にお供えされる「お供え花」は、それぞれにマナーがあります。
お悔やみの気持ちをしっかりとあらわせるように、まず色のマナーについてみていきましょう。

花の色は白が基本

お供え花は、基本的には白一色がよいとされています。
これを「白上がり」といい、とくに四十九日までは白一色のお花をお供えするのが一般的です。

ただ地域によっては、花色の決まりが異なる場合もあります。葬儀社や地元の花屋などに確認してください。

四十九日を過ぎると、淡い花色なら色付きのお花を選んでもマナー違反にはなりません。その後、一周忌を過ぎた頃なら、故人が好きな花や白や淡色系以外の花をお供えしても良いでしょう。

花の種類は菊や胡蝶蘭など

花の種類にも、ある程度マナーが存在しています。

昔からお供え花に用いられてきたお花は、菊・胡蝶蘭・ユリ・カーネーションなど。迷ったら、これらの種類から選ぶとよいでしょう。

反対に、お供え花としてふさわしくない種類もあります。たとえば、次のようなお花です。

毒のある花
バラなど棘のある花
香りのきつい花
黒や赤など派手な色の花

故人が好きだった花をお供えしたい場合でも、こういったお花は避けた方がよいでしょう。

お供えするお花は主に4種類

お供えするお花は主に4種類

ただ花を供えるといっても、お供え花にはさまざまな役割が存在します。主に以下の4種類です。

供花(きょうか)
花輪・花環
枕花(まくらばな)
献花

これら故人にお供えする花を総称して「弔花(ちょうか)」と呼びます。
以下ではそれぞれの弔花について説明します。

祭壇や会場に配置する供花

お通夜・お葬式の際、祭壇の両脇に飾ったり、葬儀会場に配置される弔花は「供花(くげ)」と呼ばれます。
故人の近親者・友人などの他、お葬式に参列できない方などがお供えすることが多いです。花色は、白一色や淡い花色を少し混ぜる場合があります.

入口や外側に飾る花輪・花環

「花輪・花環」もお通夜・お葬式の際に飾られる弔花で、葬儀会場の入り口や外側に配置されます。
故人の近親や故人にゆかりのある会社や団体がお供えすることが多いです。白を基調とした寒色系の造花で飾った、スタンドタイプが主流となっています。

枕元に飾る枕花

お通夜やお葬式のとき、故人の枕元に飾る花を「枕花」といいます。
遺族や故人と関係の深い方が手配するお花で、白上がりで小さめなサイズのアレンジメントなどが使われます。

参列者が供える献花

「献花」とはお葬式の際、参列者が1本ずつ祭壇に供える花のことです。
仏教系の葬儀では、献花の代わりにお焼香をする場合が多いものですが、例えばキリスト教ではお焼香の代わりに献花を行います。

献花はほかの弔花と異なり、葬儀社が手配することが一般的です。

法要の花は「一対」が基本

法要の花は「一対」が基本

また弔花には、飾り方にも基本的な決まり事があります。

法要のお供え花の基本となる考え方が、「一対」でお供えするというもの。「一対」とは、左右対称の2つのものを表す言葉です。

ただ最近では、葬儀自体が簡素化していることもあり「一基(1つ)」だけのお供え花も増えています。

法要に花を供える場合は、予算や葬儀場の規模などに応じて手配しましょう。
それでは具体的に、法要でお花を手配するときは、どのような種類のお花を選べばよいのでしょうか。

四十九日など法要にお供えする花の選び方

四十九日など法要にお供えする花の選び方

四十九日は忌明けの大切な法要で、原則として白上がり(白一色)の花を用意することになっています。
しかし最近は白以外にも淡いピンクや青、紫色の花や故人が生前に好きだった花を混ぜることも多くなりました。

花を贈る時の注意点!贈る時期やサイズに気を配ろう

四十九日法要に花を贈る場合は、法要の前々日や前日に届くように手配しましょう。
それは法要当日の親族は非常に忙しく、余計な時間を使うことがないようにという理由です。

同じような理由から、四十九日法要に贈る花は、小さめなサイズのアレンジメントフラワーをおすすめします。アレンジメントならそのまま飾れるので、親族が生ける手間も省けるので喜ばれやすいですよ。

それではどのような花をアレンジメントに選べばよいのか、次の章で説明しましょう。

お供え花アレンジメントの選び方は?

お供え花アレンジメントの選び方は?

お供え花のアレンジメントで選ぶ花は、各法要によって違いがあります。
おすすめの花は清楚なイメージのあるユリや気品ある胡蝶蘭、親しみのあるカーネーションに、法要花として定番の菊などです。

その他、花の色合いには注意をしましょう。
一般的なお供え花の選び方は次の通りです。地域により多少異なりますので、気になる場合は、地元の花屋などに確認すると安心でしょう。

四十九日まで:白一色(白上がり)もしくは淡色系の混ざった花色
四十九日以後:白と淡色系の花色
一周忌まで:白や優しい色合いの花
三回忌以降・お盆・命日・お彼岸:控えめな色合い3色・5色の組み合わせ

命日の法事などには、水やりの手間がなく長く飾れる「プリザーブドフラワー」もおすすめです。

選ぶお花に悩んだときは通販サイトで探してみましょう。お盆やお彼岸には通販サイトなどで、お供え花の特集が組まれています。

お供え花を送る際には、故人への想いやメッセージや遺族へのお悔み、お見舞いの気持ちを綴ったカードなどを添えるとよいでしょう。
そのような花を手配する際には、具体的にどうしたらよいのでしょうか。まずはお通夜の場合をみていきます。

「お通夜」のお供え花を手配する方法は?葬儀社や花やに注文

「お通夜」のお供え花を手配する方法は?葬儀社や花やに注文

お通夜にお花を贈る手配をする場合は、葬儀社に確認を取ったうえで、葬儀社や花屋にお供え花を注文します。

お供え花を手配する手順!予算や形式により注文する

お花を手配する一般的な手順は、次の通りです。

①葬儀社に連絡し遺族が供花を辞退していないか、葬儀の形式・規模や宗派、供花の持ち込みが可能かなどを確認する
②氏名と故人との関係・予算などを伝え、葬儀社または花屋に供花を注文する

葬儀社に注文する場合は、葬儀場の雰囲気に合わせたお供え花を手配してもらえます。
しかし花屋に配送してもらう場合は、花のデザイン・大きさなど葬儀場にあったサイズを考慮して注文しなければなりません。

続いては、お葬式におけるお供え花の手配方法をみていきましょう。

お葬式のお供え花を手配する方法は?花のスタイルには注意

お葬式のお供え花を手配する方法は?花のスタイルには注意

お葬式にお供え花を手配する手順も、お通夜の時とほぼ同様です。遺族が供花の辞退をしていないか、葬儀場の規模や形式などの確認は必須。

ただお葬式の方が、お通夜に比べてお供えする花の数が多くなりますので、お供え花のスタイルや大きさには特に気を配るとよいでしょう。
一対にするか、一基にするか
花輪などのスタンド式にするか
コンパクトなデザインにするか

葬儀社に依頼すると、会場の規模やバランスを考えたお供え花を手配してもらえます。
自分で花を選びたい場合は、他の花屋からの持ち込みが可能かどうかを、葬儀社に確認を取っておくことが大切です。

ここまで式についてご紹介してきましたが、お墓参りにおけるお花はどの品種を選んだらよいのでしょうか?

お墓参りに定番の花!菊やユリ・リンドウなど

お墓参りに定番の花!菊やユリ・リンドウなど

ここまでは法要にお供えするお花について説明しましたが、ここからは、お墓参りのお供え花におすすめのお花を具体的にご紹介します。

お墓参りのお花に関するマナー!奇数の花を用意する

おすすめのお花を紹介する前に、お墓参りに関するお花のマナーについて説明しておきましょう。

ご紹介した通り、お墓参りにお供えするお花の本数は、奇数がよいとされています。
色の組み合わせも、3色・5色・7色などの奇数で、左右対称(1対)で用意しましょう。
もし花束を購入するなら、同じものを2束揃えてください。

またお墓参りの場合は、法要のお供え花とは異なり、明るくてカラフルな色合いのお花を使っている方も多くいます。
マナーや場合に気をつけたうえで、適切なお花を選んでいきましょう。

お墓参りにおすすめのお花は?マナーを守り適切な花を選ぶ

お墓参りのお花選びに悩んでいる方はマナーに気を付けたうえで、これから紹介するおすすめのお花から、お供え花を参考にしてみてください。

・菊

お墓参りで最も定番のお花が、菊です。法要でもよく用いられる菊は、花持ちがよいこともあり、お墓参りには欠かせないお花と言えるでしょう。

・ユリ

高貴なイメージで華やかなユリも、よくお墓参りにお供えされるお花です。

・カーネーション

母の日や春のお墓参りにもおすすめなのが、カーネーションです。
とくにホワイトカーネーションは「母を偲ぶ」という花言葉もあるため、お墓参りでは定番となっています。

・リンドウ

上品な青紫色は落ち着いた印象があり、お墓のお花としておすすめ。
「誠実」や「悲しみに寄り添う」という花言葉も、お墓参りに合っています。

・ヒマワリ

黄色のヒマワリもおすすめです。明るく晴れやかなカラーが残された人を元気づけるため、お墓参りの花として人気があります。

・榊(さかき)

神式のお墓には、榊がお供えの定番です。榊は木に神と書くことからもわかるように、古来より神様への捧げものとされてきました。
常緑樹の榊は、1年を通して販売されています。神式のお花にお参りする際は、榊をお供えしましょう。

ただし、お墓参りにおける花にも、いわゆるタブーは存在しています。次の章でチェックしてみましょう。

お墓参りのタブー!トゲや毒のある花に注意

お墓参りのタブー!トゲや毒のある花に注意

お墓参りの花にも、法要のお供え花と同じように、避けた方がよい花もあります。

特に、バラのように棘のある花・香りが強すぎる花、スイセンのように毒をもつ花やアサガオなどのツル性の花などは、タブー。

お墓参りのお花選びに悩んだときは、花屋さんで販売されている仏花やお供え用の花束を選びましょう。そもそもお供え目的で販売されているので、基本的にタブーとされるお花は含まれていないため、安心して選べます。

ちなみにお墓参り用のお花の相場は、1束500円前後。一対のお花を用意すると、1,000円前後となります。

法要にも普段にもつかえるお花屋さんを見つける

法事・法要は毎年のことで今後も続きます。
毎回困ったことにならないように、弔事にも慶事にも対応できるお花屋さんをみつけておきましょう。

初盆・新盆・仏壇へのお供えから、誕生日のプレゼントや出産のお祝いギフトでも、季節のお花の商品をどのシーンでもおまかせで、適切な形でチョイスして届けてくれる。
そんなお花屋さんをみつけましょう。

まとめ

今回は法要のお供え花について、マナーやタブーの解説を中心にお話しました。突然の訃報に接したときは、遺族の方々はもちろん、誰でもうろたえてしまうもの。
しかし、そういったときこそ最低限のマナーを守り、遺族のお心に沿えるような気配りをしたいものです。

お供え花は故人を偲び、別れを惜しむ意味とともに遺族の心を癒やすものです。この記事を参考に、遺族の悲しみに寄り添うような、美しいお花をお供えしてください。