コラム

2022/06/29

お墓参りに「毒」や「トゲ」がある花はタブー?花選びのマナーを紹介

お墓参りで供える花には、タブーとされる種類や本数があります。

これまであまり意識せず選んできた人も、「タブーがある」と知ったら心配になるかもしれません。お墓参りに来たご遺族や知人から失礼に思われてしまうのは避けたいものです。

そこで本記事では、お墓参りでタブーとされる花の種類や色、本数を説明します。お墓参りにふさわしいとされる花の選び方やお供えのマナーも紹介します。

あとからタブーだと知ったら、「あのときちゃんと確認していれば・・」と後悔してしまうはず。お墓参りの花の選び方や供え方に自信のない人は、ぜひ参考にしてみてください。

お墓参りでタブーとされる花の種類や本数

お墓参りでタブーとされる花の種類や本数

お墓参りでは、「絶対にお供えしてはいけない」と禁止されている花はありません。お墓参りは故人の供養が目的です。故人が喜んでくれる花なら、基本的に問題はありません。

しかし、タブーとされる花の種類や色、本数はあります。とくに知人のお墓参りでは、タブーとされる花は避けるのが無難でしょう。

そこで、お墓参りでタブーとされる花の特徴を紹介します。

「毒」「トゲ」「強い香り」「花粉」がある花は避ける

お墓参りでは、毒やトゲ、強い香り、花粉がある花は避けるべきだと考えられています。

毒のある花がふさわしくないとされる理由は、死が連想されるためです。故人が好きだった場合を除き、彼岸花やすいせん、すずらんなどの毒を持つ花は避けるほうが良いでしょう。

トゲは争いごとを想像させるため、避けるべきとされています。トゲがある代表的な花はバラです。故人がバラを好んでいた場合は、トゲを切り落としてから供えてみてはいかがでしょうか。

ユリやキンモクセイなどの強い香りがある花を禁止している霊園もあります。虫が集まる可能性があるためです。
霊園の規則で定められていたら、従いましょう。近くにお墓を建てた遺族に迷惑をかけてしまうかもしれません。

花粉のある花を避けるべきとする意見もあります。墓石に落ちた花粉が取りづらいことが理由です。もし花粉があるユリを供えるなら、花粉を事前に取っておくと良いですよ。

故人が亡くなって日が浅いなら派手な色は避ける

故人が亡くなって日が浅いなら、派手な色の花を避けるのが無難です。仏教では、四十九日の法要までは白一色か白を基調とした花を供えるべきとされています。

そのため、故人の命日から日が経っていないなら、白い花に淡いピンクや淡い黄色、淡いブルーを加えてお供えするのが良いでしょう。

故人の命日から日が経っているなら、カラフルな花をお供えしても問題ありません。白や黄色、紫、ピンク、赤のなかから、3色から5色選んでお供えされることが多いです。

偶数本の花は避ける

お墓参りでは、偶数本の花を供えるのは避けるべきとされています。

偶数ではなく奇数を用いるのが良いということは、慶事全般でいわれています。これは「奇数はおめでたい数字」「偶数は縁起が悪い数字」とする中国の陰陽思想が生活に根付いているからです。

そのため、お墓参りでは偶数本ではなく、3本や5本、7本などの偶数本の花を用意しましょう。
花の本数に迷ったら5本がおすすめです。花立ての種類にもよりますが、5本の花は花立てに見栄えよく収まりやすいですよ。

お墓参りにふさわしい花の選び方

お墓参りにふさわしい花の選び方

前項ではお墓参りでタブーとされる花を紹介しました。ここでは、避けられる傾向にある花の特徴もふまえ、お墓参りにふさわしい花の選び方をお伝えします。

花選びに迷っている人も、スムーズに選べるようになるはずです。

長持ちする花を選ぶ

お墓参りでお供えするのは、長持ちする花がふさわしいとされています。日持ちする花なら、故人に長く楽しんでもらえます。

長持ちする花は、菊やスターチス、リンドウです。いずれもお供えの定番の花なので、マナーを大切しているご遺族のお墓に供えても失礼はないでしょう。

買った花にひと手間加えることで、日持ちを良くすることもできます。たとえば、茎を水の中で切る「水切り」をすれば、花は水を吸い上げやすくなり長持ちしてくれます。

水につく部分の葉っぱを取り除くことや、花立ての中に10円玉を入れることも、日持ちの伸ばすのに効果的です。簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

故人が好きな花を選ぶ

故人が喜んでくれるかどうかもお墓参りの花選びの重要な基準です。

しかし、故人が好きな花がタブー視されていることもあります。そこで故人が好きだった花を選び、タブーとされる要素をケアすることをおすすめします。

たとえば、バラには良くないとされる「トゲ」がありますが、トゲを落とした状態でお供えすれば問題になりにくいでしょう。また、「花粉」が問題視されることがあるユリは、花粉を落とした状態でのお供えも可能です。

故人様の命日から日が経っている場合は、ひまわりのような明るい印象の花を選んでもかまいません。

お葬式や法要では、落ち着いた色の花が使われることが多いため、「お墓参りでもおとなしい印象の花を使うべき」と考える人もいるかもしれません。

しかし、お墓参りでは、必ずしも落ち着いた印象の花を供える必要はありません。故人様が好きかどうかを基準に考えましょう。

故人様が好きな色から選ぶ

前項では、故人様が好きだった花を選ぶことをおすすめしました。しかし、故人様の好きな花がわからない場合もあるでしょう。

そんなときは、故人が好きな色を選ぶのも素敵ですよ。相手を考えて選んだ花なら、きっと喜んでもらえるでしょう。

色で絞れば、花選びも比較的簡単です。色で選べる花屋もたくさんあります。どの花を選ぶべきか迷ってしまったら、定番の菊の色違いから選ぶこともできます。

故人が好きな色がわからない場合は、故人の性格に合いそうな色を考えてみてください。やさしい雰囲気なら「白と薄ピンク」、大人っぽい雰囲気なら「レッド系」、おしゃれな雰囲気なら「白とグリーン系」など、イメージに合わせて選んでみましょう。

墓地・霊園の規則に反しない花を選ぶ

お墓参りにふさわしい花を選ぶには、霊園の規則を確認してください。霊園によって、「香りが強い花は避ける」や「生花は避ける」などのルールが定められています。

霊園の規則は、古くからの言い伝えや風習ではなく、実用的な面をふまえて定められています。たとえば、香りが強い花を避けるべきとする理由は、多くの場合近くのお墓やお墓参りに来た人の迷惑になる可能性があるからです。

周囲の人や霊園に迷惑をかけないために、霊園の規則は必ず確認しましょう。不安な場合は、お墓を建てた霊園に確認してみると安心です。

お墓参りで花を供えるときのマナー

お墓参りで花を供えるときのマナー

お墓参りの花には、選び方だけでなく供え方にもマナーがあります。供え方のマナーも知って、自身にとっても、後から来る人にとっても気持ちの良いお参りができるようになりましょう。

花立ての汚れを落とす

墓前に着いたら掃除をするのがマナーですが、そのときに花立ての汚れを落とします。手順は次の通りです。

  1. 花立を取り外す
  2. 柄の長いブラシでぬめりや水垢を取る
  3. 水でしっかり洗い流す

花立ては長細いので、通常のスポンジやたわしでは奥まで洗えません。そのため、持ち手がついた柄の長いブラシやスポンジを用意しておきましょう。

花立てにサビがついていたら、サビ取り剤を使います。無理にこすり落とさないようにしましょう。

すでに花立てがいっぱいなら傷んでいる花と交換する

お盆や正月など、お墓参りシーズンでは、「すでに花がいっぱい」というケースも少なくありません。

そんなときは、傷んでいる花と持参した花を交換します。傷んでいる花がなければ、お祈りのときだけ花をお墓の横に置き、お祈りのあとは持ち帰ります。持ち帰った花は、自宅に飾って問題ありません。

花立てがいっぱいなときは、無理に飾ることのないようにしましょう。

お供えした花を持ち帰るかどうかは霊園の規則に従う

お供えした花を持ち帰るかどうかは、霊園の規則に従います。

きれいな花はずっと飾っておきたいと感じるものです。しかし、枯れた花がお墓を汚すことや花に虫が集まることから、持ち帰りを推奨している霊園も少なくありません。

霊園側に迷惑をかけないように事前に確認しておきましょう。

お墓参りの花はどこで買う?丨購入場所ごとの特徴を解説

お墓参りの花はどこで買う?丨購入場所ごとの特徴を解説

お墓参りの花を買える代表的な場所は、ホームセンターや実店舗の花屋、通販の花屋です。

それぞれの特徴を知って、希望のお花を快適に買える場所を見つけましょう。

手っ取り早く調達するなら「ホームセンター」

花を手っ取り早く調達したい人には、ホームセンターでの購入をおすすめします。

ホームセンターなら、線香や数珠などの他のお供物と一緒に花を買えます。とくにスーパーに併設されたホームセンターなら、お供えする食べ物まで一度に購入可能です。

手間をかけずに持ち物をそろえられるホームセンターですが、品揃えが少ない点には注意が必要です。故人に贈りたい花が決まっているなら、これから紹介する実店舗の花屋か通販の花屋を利用しましょう。

豊富な種類の中から選ぶなら「実店舗の花屋」

豊富な種類の中から選ぶなら、実店舗の花屋がおすすめです。

ホームセンターと違って花屋では、さまざまな種類のなかから選べます。故人に贈りたい花もきっと見つかるでしょう。

店内を見渡しながら故人に合う花を探すこともできます。また、実店舗の花屋なら、店員さんへの相談も可能です。迷ってしまっても相談できるので安心感がありますよ。

実店舗を使うなら、どこの花屋を利用するのかを事前に想定しておきましょう。当日購入の予定の場合、ちょうど良い場所にある花屋が見つからない恐れもあります。

お墓参りの日までに花の受け取りを済ませる場合も、花屋選びは重要です。無理なく受け取りに行ける距離にあり、信頼できる花屋を選びましょう。

手軽さと種類の豊富さを兼ね備えた「通販の花屋」

「手軽に購入したい」という人にも、「故人が喜ぶ花をしっかり選びたい」という人にもおすすめなのが、通販の花屋です。

通販の花屋なら、24時間好きなときに花を注文できます。また、都合の良いタイミングに届けてもらえるので手間がかかりません。店舗まで足を運ぶ必要がないので、仕事や家事で忙しい人にはぴったりです。

通販の花屋は花の種類も豊富です。花を贈るシーンや贈りたい花を探せる「ページ内検索」を使えば、贈る花を簡単に見つけられます。

行きつけの花屋がないなら、手軽さと種類の豊富さを兼ね備えた通販を利用してみてください。

まとめ

お墓参りではタブーとされる花の種類や本数があります。たとえば、毒やトゲがある花は避けられる傾向にあります。

一番重要なのは故人に喜んでもらうことですが、マナーを大切にしている人もいます。心配なら、タブーとされる花を避けたうえで、故人の好みを反映させるのが無難でしょう。