葬儀や法要・法事などお悔みに贈るお供え花には、フラワーアレンジメントが人気なのをご存じですか?
そのまま飾れるので花瓶がなくても大丈夫ですし、遺族が忙しい時期に、花の手入れの手間を取らせません。本記事では、そんなお供え花のアレンジメントの選び方や金額の相場などの詳細をご紹介します。
花の選び方は、お見舞いやギフト・プレゼントなどお祝い用のものとは異なるほか、地域によって多少差があるそうです。
その地域の風習や習慣に明るい場合は問題ありませんが、遠方でよくわからない場合には、近くの花屋さんや葬儀社に一度問い合わせてみるといいでしょう。
お供えするアレンジメントの花に明確なタブーはありませんが、紹介する情報を押さえておけば大きなマナー違反にはなりません。ぜひ参考にしてみてください。
お供えするアレンジメントの花選びに絶対的なルールはない
仏教においてお花は、線香やろうそくと並んで大切なものです。
そんなお供え花ですが、実は、お供えする花に関して厳格なルールはありません。
ただ、一般的に「ふさわしい」とされる花はあります。
ルールを守らないと非常識だというわけではなくとも、遺族や参列する方々の印象は悪くなるかもしれません。故人はもちろん、遺族や参列する方々を思いやり、気持ちよく過ごせるための「マナー」だと思ってください。
マナーを知って、心のこもった贈り物を届けましょう。
葬儀の「枕花(まくらばな)」のお供えに花のアレンジメント
「枕花」とは、お通夜までのあいだ、故人の枕元にお供えする花のことです。遺族とともに故人を偲び、枕元に寄り添って亡くなった悲しみを分かち合いたいという思いを込めて贈られる花になります。
枕花は、故人と血縁関係があるか、かなり親しい方が贈るのが一般的。自宅もしくは葬儀社などに遺体の安置が済み、お通夜が始まるまでに贈るようにしましょう。
なお、葬儀社によっては外部からのお花の搬入ができない場合もありますので、事前に確認しておく必要があります。
ふさわしいとされるのは、白一色でそろえた「白上げ」です。淡い色の花も使われることがあります。
一般的には、そのまま飾れるアレンジメントで贈ることが多く、枕元に1基か2基(一対)置くかで値段が変わりますので、相場の幅も広いです。値段の相場は5,000円から20,000円程度です。遺族よりも高いものは失礼にあたることもありますので、10,000円前後が無難でしょう。
葬儀の「供花(きょうか)」のお供えに花のアレンジメント
供花とは、式場や祭壇にお供えする花のことです。枕花を贈る時期を過ぎた場合は、供花を贈りましょう。
色は、白を基調として、淡い色味(ピンク、紫、黄色、青など)の季節のお花をセットにしてまとめます。地域によって白一色がマナーとされる場合がありますので、そういった点に気を付けていれば大きなマナー違反にはならないでしょう。
仏教や神道では、胡蝶蘭や菊、カーネーション、バラの代わりにラナンキュラスを使うことが多いです。一方でキリスト教の場合は、ユリなどの洋花であればとくに決まりはなく、生花を使った品を贈ります。
価格は、7,000円から20,000円、一対贈る場合はこの2倍が相場になります。
四十九日までの法要のお供えに花のアレンジメント
四十九日(満中陰)までに贈る花は、白上げがおすすめです。
ピンクやブルー、黄色といった淡い色を加えるのもいいですが、ホワイト系のカラーを基調としたものにしましょう。グリーンを使っても優しい雰囲気に仕上がります。
遺族が忙しい時期なので、花束よりアレンジメントが喜ばれるでしょう。
相場は5,000円から10,000円です。
四十九日より後の法要のお供えに花のアレンジメント
四十九日が終わった後、一周忌の法要以降であれば、白上げや淡い色味にこだわる必要はありません。
多少派手なものでも問題ありませんので、故人が好きだった花を贈りましょう。
もし、派手な色味が気になるようであれば、白を基調として淡い色味のものでまとめると無難です。自宅での法要の場合、花束を贈ると大きめの花瓶が必要になりますので、事前に確認を。確認できない場合は、アレンジメントがおすすめです。
相場は5,000円から10,000円程度です。
一周忌の法要のお供えに花のアレンジメント
一周忌は、遺族や参列する方々にとっても一つの区切りとされる大切な法要です。
この一周忌の供花は、枕花や四十九日までの供花より豪華なものにしましょう。枕花や葬儀の供花より、少し華やかで明るいものを選んでも大丈夫です。
無難なものは四十九日までの法要と同様に、白を基調にした淡い色合いでまとめたものです。
しかし、派手なものや棘のあるものなど、タブーに触れるものは避けたいところ。故人が好きだった花がバラなどだった場合は、一周忌以降にメッセージを添えて贈りましょう。
相場は5,000円から20,000円です。
お供えのアレンジメントにふさわしい花:三回忌の法要に贈る花
三回忌に贈る花は、とくに決まりごとはありません。
また、三回忌以降の法要も同様です。基本は淡い色でまとめたアレンジメントが多いですが、遺族の心情に鑑みて明るいものを選んでもかまいませんし、故人が好きだった花・色を選んでもかまいません。
相場は5,000円から15,000円程度です。
命日のお供えに花のアレンジメント
故人が亡くなった日と同月同日を「祥月命日」、毎月の命日と同じ日を「月命日」と言います。
亡くなってからの日が浅い命日には、白を基調とした淡い色合いでまとめた供花がいいでしょう。上でもお伝えした通り、一周忌以降の命日であれば、明るい色味を加えていっても問題ありません。
相場は5,000円から15,000円程度ですが、故人と親しく、毎月花を贈りたい場合は遺族にも配慮して贈りましょう。あまりに大きな花束やフラワーアレンジメントが毎月来ると、逆に気を遣わせてしまいます。
お盆やお彼岸のお供えに花のアレンジメント
お彼岸は、春彼岸と秋彼岸の2回ありますが、どちらも基本は白や淡い色で仕上げた花束、アレンジメントを贈ります。新盆には白一色のお花が基本ですが、亡くなられてから期間が空いている(一周忌を終えている)場合は、白にこだわらなくても大丈夫です。
お仏壇前や墓前にお供えすることがほとんどですので、相場は3,000円から5,000円の大きすぎないものです。仏壇に飾る場合はアレンジメント、墓前に飾る場合は花束がおすすめです。一般的には一対(2基)で用意するので、倍の値段と考えてください。
お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、故人の霊が帰ってくる大切な日なので、盛大におもてなしをします。こちらも、亡くなられてから期間が空いている場合は、少々カラフルな供花になってもかまいません。
相場は、初盆の場合は10,000円から20,000円、通常のお盆であれば5,000円から15,000円です。
ペットに贈るお供えに花のアレンジメント
ペットも家族の一員として、お悔やみにお花を贈りたいですよね。
その場合、花束、フラワーアレンジメント、ブリザードフラワーなどの種類にかかわらず、3,000円から6,000円が相場です。あまり高すぎると却って気を遣わせてしまうかもしれませんので、小さめのものがいいでしょう。
ペットの場合は、選ぶ花についての決まりはなく、飼っていたペットのイメージや、飼い主の好きな色でまとめるといいでしょう。
お供えのアレンジメントの花は3000円から5000円が相場
自宅の仏壇に飾るのであれば、3,000円から5,000円が相場です。
その理由は、あまりに大きなものだと御仏前、御霊前に置けなくなってしまうから。
お盆やお彼岸などに贈られるサイズのお花を目安にするといいでしょう。
お世話になった方に贈る場合は、5,000円から10,000円が相場です。10,000円のものになるとかなり豪華になりますので、置き場所があるか事前に確認しておくと遺族も安心です。
親族や故人と親しい関係、縁が深い方は、10,000円から15,000円が相場です。
親族以外は、かなり親しくないと贈ることはないかもしれません。故人との関係性を加味して、贈る値段を決めましょう。
お供えする花のアレンジメントは「故人に喜ばれるか」を基準に
フラワーアレンジメントには様々な種類があるため、迷ってしまいますね。その場合、故人が好きだった色や好きだった花を選ぶのをおすすめします。故人を偲ぶために贈るものですので、贈ってはいけないものはありません。
「バラを贈りたいけど遺族に失礼だと思われるかも」と心配な場合は、「(故人)さんが好きだったバラを贈ります。御仏前にお供えいただけると幸いです。」など、一言メッセージを付けると、贈る側の気持ちも伝わるでしょう。
まとめ
お供えの花は、故人を偲び弔うため、遺族を慰めるため、自分の思いを故人に届けるための、ひとつのメッセージです。花言葉なども合わせて故人に伝えたいことを表現できると素敵ですね。
お供え花に限らず、フラワーアレンジメントはかごやラッピングなども含めて雰囲気を作れるのが魅力ですので、花言葉と一緒にアレンジメントも工夫してみるといいかもしれません。
一番大切なのは、あなたの気持ちを伝えることです。
「ずっと忘れない」、「楽しかった」と、思い出とともにお花を供えましょう。
きっと、花の香りとともにあなたの気持ちも天国まで届けてくれるでしょう。