法要で祭壇にお供えする花にはマナーがあることをご存知でしょうか。
法要の中でも、四十九日は最も重要視される法要の一つ。故人様がお亡くなりになられた後の大きな節目とされる日です。
そのため、お花の選び方や祭壇の飾り方について、いくつかのマナーが存在します。
中でも注目されることが多いのがお花に関するマナー。ご先祖さまやご遺族の方の失礼に当たらないよう、しっかりと理解しておかれた方がよいでしょう。
この記事では、そもそもなぜ四十九日の祭壇にお花を供えるのか、といった法要に関する基礎知識から、細かなマナーについて詳しく解説していきます。
四十九日まで祭壇に花を飾る理由
四十九日とは、七七日(なななのか)とも呼ばれる亡くなってから49日目に行われる法要を指します。
では、なぜ「49」日目なのでしょうか。これには、仏教の教えに由来した理由があります。
仏教の世界では、人は亡くなってから49日の間は冥土(めいど)と呼ばれる世界にいるとされており、その後に閻魔大王から裁きを受けて来世の行き先が決まるのだとか。
そのため、来世が決められるまでにきちんと法要を行い、来世が決まる時に改めてご供養することで、故人様を極楽浄土に導くのです。
そのため、葬儀を行ってから49日目の「四十九日法要」までは祭壇を設置し、花を供えるなどして丁寧に供養する必要があると言われています。
また祭壇は、遺骨や位牌を安置する場所や弔問者がお参りする場所といった役割も担っており、残された遺族と故人とを結びつける場所として重宝されています。
続いては、具体的な四十九日までの祭壇の設置の仕方やお花の設置場所などについて見ていきましょう。
四十九日までの祭壇や花を配置する場所
祭壇を設置する場所にはマナーがあり、どこでも設置してよいわけではありません。
四十九日までの祭壇の設置場所としては、ご自宅に仏壇を設置している場合は「仏壇の前」に、仏壇がない場合には、「お部屋の北側」あるいは「西側」に設置するのが良いとされています。
その他、祭壇へのお花のお供え方にもマナーがあるため、注意しましょう。
お花は祭壇の一番下の段か、真ん中に飾るのが良しとされています。
細かなマナーとも思えますが、故人を極楽浄土に導くための大切な儀式なので、マナーにのっとって法要の準備をされるのが良いでしょう。
こういった配置のルールに加えて、四十九日までに祭壇にお供えするお花のカラーにもまたマナーがあるので、次項で詳しく解説していきましょう。
四十九日までの祭壇の花にふさわしい色
四十九日まで祭壇に供えるお花にふさわしいとされる色は、白一色もしくは白を中心として薄いピンクや紫、青などの差し色をいれたものとされています。
しかし、故人が子どもであったり、特別好きな色があったという場合などには、故人の好みの色を採り入れてお花を選んでも問題ありません。
ただし一方で、四十九日の法事までの祭壇にはふさわしくない花も存在します。
四十九日までの祭壇に飾るべきでないとされる花
四十九日までの祭壇に供えるお花として選んではいけないのが、赤色やその他濃い色のもの、トゲがあるもの、香りの強いもの、毒のあるものです。
これらは血や故人を苦しめることを連想させてしまうため良くないとされています。
具体的には、バラや彼岸花、シャクナゲ、アジサイ、アネモネ、アセビ、トリカブト等は避けた方が良いでしょう。
では、四十九日までの祭壇に飾るのにふさわしいお花にはどのような種類があるのでしょうか。
四十九日までの祭壇に飾るのがおすすめの花
四十九日までの祭壇に飾るお花には、キクやカーネーション、ユリがおすすめ。
理由としては、白色の品種もあるほか、比較的花持ちがいいため。キクやカーネーション、ユリは傷みにくく、長時間飾るのにも適しています。
また、祭壇に供える花としては生花が基本ですが、最近ではお花へ人工的な加工を施した「プリザーブドフラワー」を供えられる事も少なくありません。
プリザーブドフラワーは、水などの手入れが必要なく色褪せることもないため、法要のお供え花として人気があるのです。
四十九日にお供えするのにふさわしいお花がわかったところで、お花以外にお供えするものについても詳しく見ていきましょう。
四十九日の祭壇に花以外にお供えするもの
四十九日の祭壇にお供えするものには、お花の他に、お線香やろうそく、ご飯、水、お茶、お菓子などが挙げられます。
その他にも、故人の好きだったものをそなえることができます。
祭壇にお供えするご飯や水・お茶などの飲料は、1日に1回は交換するというマナーもあるので、あわせて覚えておくと良いでしょう。
上記までにお伝えしたポイントに注意して頂ければ、正しいマナーの元、法要を行うことができますよ。
四十九日が過ぎたときの祭壇や花の片付け方
四十九日を終えると、今度は後片付けが待っています。
お供えの品などはそのまま処分してよいのだろうかと悩まれる方もいらっしゃいますが、四十九日の法要を終えた後では、そのまま処分して頂いても問題ありません。
一周忌やお盆でも同様です。
まとめ
四十九日とは、亡くなってから故人の来世が決定されるまでの期間。
この期間のうちに、故人を極楽浄土へと導くために祭壇が設置され、お供えの数々で供養します。
四十九日までの祭壇に供えるものとしてはお花やご飯、飲料、お菓子等がありますが、中でもお花に関するマナーはしっかり守りましょう。
四十九日までの祭壇に供える花は、白もしくは白を基調とするものとされています。色の他にもトゲのあるものや香りの強いモノなどはタブーです。
故人を弔うための祭壇でマナーに反することはできれば避けたいですよね。
この記事でご紹介したポイントを押さえておくことで、安心して四十九日を迎えられますよ。