コラム

2022/07/07

【9月9日】重陽の節句(菊の節句)を楽しむ!意外に身近な行事食も?

重陽の節句は、9月9日に行われる菊を楽しむ節句です。中国由来である重陽の節句文化は、平安時代に日本に伝わり、わびさびや季節の移り変わりを楽しむ日本人にとってなくてはならない行事になりました。

しばらくは位の高い人々の行事として楽しまれてきましたが、江戸時代には一般の人にも広く知られるようになりました。この重陽の節句が、最近注目される年中行事になりつつあります。

菊の花を取り入れることで、アンチエイジング効果やリラックス効果が期待できたり、忙しい人は五感を刺激されて新しいアイデアが出たり、気持ちが楽になったりするという声も聞こえてきます。

重陽の節句は、生活の一部としてとりいれやすいのでぜひ楽しんでみてください。

そもそも「重陽(ちょうよう)」とは?9月9日を「菊の節句」と呼ぶ理由

そもそも「重陽(ちょうよう)」とは?9月9日を「菊の節句」と呼ぶ理由

重陽の節句は別名「菊の節句」ともいわれています。ひな祭りが「桃の節句」、端午の日が「菖蒲の節句」といわれるのと同じです。もともと重陽の節句は、旧暦で行われる行事でした。

旧暦の9月9日は、現在の10月の中旬ごろにあたります。この頃になると夏の暑さも落ち着き、朝方や夕方に冬の訪れを感じるようになります。

菊が旬になるのもちょうどこの頃です。秋の夜長を感じながら季節の移り変わりを五感で楽しむのが、重陽の節句です。

重陽の節句は中国で生まれた文化

日本では春夏秋冬を花でも楽しみますね。春にはサクラ、夏はヒマワリ、秋には菊、冬はサザンカや椿など。花を愛でることで、季節を感じます。

重陽の節句は、もともと日本の文化ではありません。中国で行われていた行事で、菊を食べることで免疫力を高め季節の移り変わりの体調変化にのぞんだといわれています。

中国では古来から奇数は「陽数」とも呼ばれ、縁起の良い数字とされてきました。陽数が重なる3月3日、5月5日、7月7日はいずれも節句です。
そして「9」は陽の極まった数とされ、9が重なる9月9日は「重陽」として特に重んじられたのです。

日本での重陽の節句の歴史

重陽の節句は菊を取り入れることで長寿と健康を祝う日で、日本に伝わったのは平安時代です。その頃は日本文化の礎が築かれる時代です。

風流な行事を好む日本人にとって重陽の節句はすぐに受け入れられました。この頃は宮中行事として「重陽の節会」として取り扱われてきました。有名な「紫式部日記」や「枕草子」にもその様子が描かれています。

重陽の節句が一般に広く知られるようになったのは、明治時代です。菊を愛でるためのものではなく、お祝いの日として重陽の節句は根付いていきました。その後、9月に敬老の日が制定されたことで重陽の節句の存在はやや薄れたともいえます。

各地でイベントも!行事や食べ物など菊の節句の楽しみ方

各地でイベントも!行事や食べ物など菊の節句の楽しみ方

重陽の節句は、全国各地でイベントも行われます。重陽の節句の楽しみ方は、いろいろです。菊の節句の楽しみ方を紹介します。

各地のイベント

重陽の節句は、全国各地で独自の進化をしています。
栗ご飯を作ったり、菊合わせがあったりとさまざまで、「大人のお雛様」とも呼ばれたりします。

日本の伝統が根付いている京都では、「烏相撲」というユニークな行事が行われます。上賀茂神社で行われる神事で、刀禰󠄀(とね)が弓矢を持ってカラスを真似た踊りのあと、子どもたちによる相撲が奉納されます。

重陽の節句に旅行に行く時は、地元のお祭りを調べてみるのも面白いでしょう。

行事

重陽の節句の行事は、菊に関するものです。菊の着せ綿、菊酒、菊合わせ、菊マクラなどが主に執り行われてきました。

現代では、アロマテラピーを楽しむ人が多くいます。リラックスアロマの代表的なカモミールは、ヨーロッパでの菊です。お風呂の入浴剤にカモミールを数滴落としたり、寝室でオイルを焚いたりします。身体に良いことを自然と生活の一部として取り入れているのですね。

菊酒や栗ご飯などの行事食

重陽の節句では、菊、栗、茄子を取り入れた行事食を食べます。栗ご飯などはもともと重陽の節句から広まりました。

菊の花びらをちらした菊酒も、菊を入れることで、香りをお酒にうつしてのむ薬酒です。重陽の節句としてではなく、高級な料亭などで季節を感じるお酒として提供されています。

茄子は、夏の疲れを癒やし冬の備えて免疫を高めてくれるので煮浸しや焼き茄子で楽しみます。

重陽の節句の行事食は、季節を感じる食事として現在でも私たちの生活に根付いています。

菊の栄養素

菊の節句では、菊を食材としています。菊に含まれる栄養素は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2など美肌やアンチエイジング効果のある栄養素が多く含まれます。
身体を中から整えるので、長寿になるといわれているのですね。

現代人向け菊のアイマスク

スマホやパソコンで常に目を酷使している人は、菊のアイマスクを試してみましょう。菊は、目にいい成分が含まれ炎症を抑えてくれます。

準備するもの

  • 菊(使うのは花びらです)
  • お茶パック(100均で手に入るもの)
  1. お茶パックに菊の花びらを入れます
  2. レンジで軽く温めます(焦げ付かないように様子を見てください)
  3. 温まったパックをまぶたにのせます

冷めにくいようにするには、さらにその上からタオルをのせるといいでしょう。忙しい時でもできますし、そのまま捨てられます。

菊の節句の余韻を味わう!菊を長持ちさせるためのお手入れ方法

菊の節句の余韻を味わう!菊を長持ちさせるためのお手入れ方法

重陽の節句では、一輪挿しでも良いので菊の花を飾りましょう。

菊を長持ちさせる方法を紹介します。長持ちさせるには、葉っぱを取り除き、新鮮な水で花瓶を保つことです。菊は葉っぱが長持ちせず、水に浸っていると腐ったり雑菌が繁殖し枯れてしまう原因になります。

菊は水の吸い上げが良いので、花瓶の水はこまめに変えてあげましょう。寒い時期には1か月以上長持ちする場合もあります。毎日水を変えるのが大変な時は、花瓶の中に延命剤やハイターを少量入れておきましょう。雑菌が繁殖しにくくなり、水が腐るのを防ぎます。

まとめ

菊の節句の楽しみ方は、いろいろあります。香りを楽しんだり、食として楽しんだり、目で見て楽しめます。

菊を取り入れた行事食は、比較的身近なものが多く、栗ご飯や茄子の煮浸しなどは、スーパーのお惣菜コーナーでこの時期よく見かけますね。
重陽の節句の行事食は、身体の免疫力を高め冬の寒さに負けない身体を作ります。今年は重陽の節句を取り入れて、風邪やウイルスに負けない身体を作っていきましょう。