コラム

2022/06/30

ユリの花言葉は色・国・品種で違う!プレゼントに役立つ花言葉を詳しく紹介

日本人に特に親しまれているお花、ユリ。
プレゼントとして受け取ったり、大きなイベントの装飾に用いられる場面を何度も見たことがあるでしょう。

そんなユリには、素敵な花言葉がいくつも存在します。
結婚記念や誕生日、母の日など、さまざまなシチュエーションでユリをプレゼントするなら、どのような花言葉があるか知っておくと良いかもしれません。

本記事では、ユリの花言葉に加え、ユリに関することわざや知られざるストーリー、プレゼントする際のポイントまで詳しく解説しております。日頃からお世話になっている方にユリをプレゼントしたい方は、ぜひ参考にしてください。

ユリの花言葉で特別なメッセージを届けましょう

ユリの花言葉で特別なメッセージを届けましょう

ユリを含めた多くのお花には、その歴史や文化、見た目や雰囲気などに由来する「花言葉」があります。

特にユリには様々な花言葉がつけられており、ユリ一般に共通する意味、ある色・品種にだけつけられた意味、日本での意味、海外での意味など驚くほど豊富な種類があります。
もしユリを誰かにプレゼントするなら、伝えたい花言葉から色・品種を選んでみても素敵ですね。

ただし、全ての花言葉が良い意味を持っているわけではなく、場合によっては悪い印象を与える場合もあります。
大切な方に心から喜んでいただくためにも、どのユリにどんな意味の花言葉があるか、正しい知識を知っておきましょう。

一般的なユリの花言葉

一般的なユリの花言葉

一般的なユリの花言葉は、「純潔」「無垢」「威厳」の3つ。

ユリはキリスト教と繋がりの深い花として知られていて、「純潔」と「無垢」はキリスト教で崇拝される聖母マリアの処女性を象徴するものとしてしています。
西洋では、ユリを純潔のシンボルとして考える方も少なくありません。

また「威厳」は、百合の持つおごそかな雰囲気からつけられたとされる花言葉です。

ユリの花言葉は「色」によって意味が違う

ユリの花言葉は「色」によって意味が違う

ユリは色のバリエーションがたくさんあるので、どの色を渡すかを考えるのも楽しみ方のひとつ。ここでは、ユリの花言葉を色別で紹介していきます。

白いユリの花言葉

白いユリは「純潔」「無垢」「威厳」のほか、「無邪気」「高貴」「自尊心」「栄華」の花言葉があります。

「無邪気」と「高貴」も、純潔・無垢と同じように聖母にちなんだ意味。「自尊心」と「栄華」は、ユリの花を紋章にしたルイ王家から来ていると考えられています。

赤・ピンク色のユリの花言葉

赤色・ピンクのユリの花言葉は「虚栄心」。
こちらもキリスト教関係で、キリストの処刑が決まって磔にされた場面で、赤いユリが登場したことから付けられたとされます。

オレンジ色のユリの花言葉

オレンジのユリの花言葉は「愉快」「華麗」「軽率」です。
カジュアルでポジティブな気持ちを伝えたいシーンにうってつけですね。

黄色いユリの花言葉

黄色いユリの花言葉は「陽気」「不安」「偽り」です。
明るい黄色は「陽気」という花言葉がよく似合いますが、一方で不安・偽りといったネガティブな意味合いも。
これは、黄色が西洋で不吉な意味を持つ色と考えられていることが由来と考えられます。

品種別ごとに見るユリの花言葉

品種別ごとに見るユリの花言葉

ユリの花言葉は、色だけでなく品種によっても様々です。
品種ごとの花言葉も知っておくことで花言葉からユリを探せるようになり、プレゼント選びが一層楽しくなりますね。

カサブランカ

純白の大輪を咲かせるカサブランカには「純粋」「無垢」「高貴」という花言葉が付けられています。これは、聖母マリアに白いユリが捧げられたことが由来です。
甘く強い香りがするのが特徴で、その高貴な雰囲気から結婚式のブーケに用いられることも。

テッポウユリ

白くなめらかな花びらを咲かせるテッポウユリの花言葉は「純潔」と「甘美」。
ラッパのような見た目が特徴で、日本に自生しています。育てやすいことから、日本だけでなく海外でも人気が高いです。香りも控えめなので、万人受けしやすいお花と言えるでしょう。

オニユリ

オレンジに黒い斑点が入った派手な花弁のオニユリには、「華麗」「愉快」「誇り」「陽気」「賢者」という花言葉があります。
開花すると反り返る花びらも印象的で、暑さや寒さに強いため、日本のさまざまな場所に分布している品種です。

ササユリ

淡いピンクの花を咲かせるササユリに付けられたのは、「上品」や「希少」という花言葉。「希少」という花言葉が表現するように、ササユリは発芽してから花が咲くまでに数年かかり、栽培の難しいユリとしても知られています。

ヤマユリ

直径20cm以上の花を咲かせることから「ユリの女王」とも呼ばれるヤマユリには、「威厳」「荘厳」「飾らない愛」「飾らぬ美」「人生の楽しみ」等たくさんの花言葉が存在します。
ヤマユリの大きく印象的な花から「威厳」や「荘厳」という花言葉がついた一方で、夏の山地の茂みからひっそりと咲く様子が「飾らない愛」「飾らぬ美」の由来にもなっているとか。いくつもの顔を持つ、味わい深いお花と言えるでしょう。

カノコユリ

ピンクまたは白の美しい花を咲かせるカノコユリの花言葉は「上品」と「慈悲深さ」。
色の淡いカノコユリの球根は苦味が少ないことから、食用になる事でも知られています。

スカシユリ

オレンジの花を上向きに咲かせるスカシユリの花言葉としては、「飾らぬ美」「注目を浴びる」が挙げられます。「注目を浴びる」は、花の中心が透けて見えることが由来です。
海岸や砂地、岩場などに分布することから、「ハマユリ」や「イワユリ」の名でも親しまれています。

クルマユリ

クルマユリは、「純潔」「陽気」「多才な人」という花言葉があります。花の大きさが直径3~4cmと小さめで、紅色の斑点のついた花びらの先が大きく反り返っているのが特徴。
花びらについている球根部分でもある葉っぱが車の車輪に似ていることが名前の由来です。

おしゃれなメッセージにも!海外に伝わるユリの花言葉

おしゃれなメッセージにも!海外に伝わるユリの花言葉

プレゼントにおしゃれな異国の花言葉を添えて渡せば、きっと喜んでもらえるはず。そこで次に、海外の花言葉について解説します。

まず、海外におけるユリ全般の花言葉は、「purity(純粋)」「refined beauty(洗練された美)」です。「purity」という花言葉は、聖母マリアに捧げられたマドンナリリーが由来。

また、白いユリは、全般の花言葉に「majesty(威厳)」の意味が加わります。
ピンクのユリには「wealth and prosperity(富と繁栄)」、赤いユリの花言葉は「warmth(優しさ、暖かさ)」「desire(願望)」です。

オレンジのユリは「hatred(憎悪)」で、黄色のユリには、「gaiety(陽気)」「falsehood(偽り)」「I’m walking on air(天にも昇る心地)」。

「I’m walking on air」のような、英語特有のおしゃれな言い回しが花言葉になっていることも多いので、ほかにも探してみてはいかがでしょうか。

ユリを使った有名なことわざも

ユリを使った有名なことわざも

ユリは、日本人にとっても古くから馴染みのある花なので、ことわざとしても使われています。花言葉ではありませんが、ユリに込められた意味の一つとして知っておいて損はありません。

ユリを使ったことわざとして代表的なのが、艶やかな美人を花に例えた「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」でしょう。
女性へユリをプレゼントするなら、芍薬・牡丹と一緒にアレンジメントを作ってみても素敵なギフトになりますよ。

ちなみに、芍薬の花言葉は「慎ましさ」「恥じらい」、牡丹の花言葉は「誠実」「壮麗」「富貴」です。

ユリは聖母マリアに関係している花

ユリは聖母マリアに関係している花

続けて、ここからはユリに秘められたストーリーをいくつかご紹介しましょう。

例えば、上でも少し触れたように、キリスト教とユリの花には深いつながりがあります。
特に白いユリは「聖母マリアに捧げられた花」として純潔無垢で気高く、穢れの無さを象徴するものとして、キリスト教のシンボルになりました。

旧約聖書にも女性をユリに例えた詩があり、祭日の聖花や、キリスト教の儀式に白いマドンナリリーが用いられることでも有名です。

ギリシャ神話にもユリが登場している

ギリシャ神話にもユリが登場している

また、ユリはギリシャ神話において、英雄「ヘラクレス」の誕生に関わる花としても登場しています。

ヘラクレスは、全能の神ゼウスと人間と間に生まれた半神半人。
ゼウスは浮気者で、妻の最高神「ヘラ」がいるにもかかわらず人間の女性の美貌に魅せられて浮気し、ヘラクレスを授かりました。

ゼウスはヘラクレスに不死身の力を授けたいと思いましたが、そのためには嫉妬深いヘラの乳を与える必要があります。そこでゼウスは、ヘラが眠っている間にヘラクレスに乳を飲ませることにしました。

しかし、それに気付いたヘラは、授乳の途中でヘラクレスを手で払い除けてしまいます。
この時ヘラクレスの口からこぼれた母乳のうち、天に飛んだものが「天の川」になり、地上に落ちたものがユリの花になった、とされているのです。

こんな神秘的なストーリーが生まれるほど、ユリは古くから人々の心を魅了してきたのですね。

歴史の詩人もユリに関する言葉を残している

歴史の詩人もユリに関する言葉を残している

詩人たちも、ユリにまつわる詩や言葉を書いてきました。
例えば日本を代表する詩人の一人、相田みつをは次のような詩を残しています。

「人里はなれた谷間の白百合の花は誰にも見てもらえないのですが少しのかけ引きもなく 精一杯の美しさで咲いています。」

影ながら頑張っている方へ尊敬の気持ちを形にしたいとき、相田みつをの言葉と共に、ユリの花を贈ってみても良いかもしれません。

他にも、ドイツの作家・詩人として知られるハインリヒ・ハイネは、次の名言を残しています。

「白百合は結晶の柱のように天に向ってまともに伸びる。」

結晶の柱という例えが、ユリの美しさを余すことなく表現しています。
相手の今後の活躍や成長を願うメッセージとしても、うってつけでしょう。

ネガティブな意味も?ユリの花をプレゼントする際に注意すること

ネガティブな意味も?ユリの花をプレゼントする際に注意すること

ユリは多種多様な花言葉とストーリーをもち、知れば知るほど奥深いお花です。
ただし、上でもネガティブな意味の花言葉があったように、プレゼントを贈る相手によっては誤解を与えてしまうことがあります。そこで、ユリの花を贈る際の注意点をご紹介します。

ネガティブな花言葉に気を付ける

上でも見たように、ピンク・赤いユリには「虚栄心」の花言葉があるので、プレゼントする際は配慮する必要があります。もし相手が花言葉に詳しかったら、自分の虚栄心を揶揄(やゆ)されているように感じるかもしれません。

また、オレンジや黄色のユリも、相手の文化によっては不吉な意味になることがあるので気を付けてくださいね。

誤解を与えたくないときは、ギフトカードに感謝・祝福の気持ちを書き、ネガティブなメッセージがないことを伝えましょう。

黒いユリは避けるのがおすすめ

ユリには黒い品種もありますが、クロユリには、「復讐」や「呪い」という不吉な花言葉があります。
また、クロユリは悪臭がするので、その意味でも相手に不快感を与えることが多く、プレゼントには使わないのがおすすめです。

ユリが誕生花になっている月日をご紹介

ユリが誕生花になっている月日をご紹介

もし、恋人や友達の誕生日にフラワーギフトを渡すなら、相手の誕生日を象徴する「誕生花」がないか調べてみても良いですね。

  • ユリ全般:7月24日
  • カサブランカ:5月9日・7月31日・11月6日・12月21日
  • テッポウユリ:5月11日・6月11日・7月13日・7月20日・10月12日・11月7日・11月18日・11月23日・12月27日
  • オニユリ:7月22日・8月30日・9月1日・9月15日・10月14日
  • ササユリ:5月2日・6月2日・6月17日・7月15日
  • ヤマユリ:6月30日・7月10・7月14日・7月21日・7月26日・7月27日・11月15日・11月18日
  • カノコユリ:7月4日・8月2日・8月7日
  • スカシユリ:1月27日・2月18日・3月4日・3月12日・4月28日・6月5日・6月21日・7月24日・7月27日
  • クルマユリ:7月2日・9月6日

お花を選ぶときは、相手の誕生日の誕生花を調べてみることで、素敵なギフトを作れそうですね。

花言葉を添えて・・ユリの贈り物が喜ばれるシチュエーション

花言葉を添えて・・ユリの贈り物が喜ばれるシチュエーション

最後に、ユリをプレゼントが喜ばれるシチュエーションと、ぴったりな品種の組み合わせをご紹介しましょう。

結婚式

結婚式なら、特別な日を演出する華やかなユリを贈りましょう。
おすすめは「カサブランカ」。大きな花弁が花束やブーケに人気で、花嫁をイメージさせる純白のお花も結婚式にぴったり。

カサブランカには緑の葉を組み合わせることで、花の白さがより引き立ちます。あえて蕾を混ぜることでアクセントが生まれ、お花の美しさがより引きたちますよ。

素敵な門出を祝うためにも、結婚式にはカサブランカをプレゼントしてみてはいかがでしょうか?

誕生日

誕生日にユリをプレゼントするなら、相手の好きな色のユリを贈ると間違いありません。
それ以外なら、上品なピンクのササユリや、おしゃれなオレンジのクルマユリを使ってギフトを作ってみるのはいかがでしょうか。

もし相手の誕生日が、上の誕生花でご紹介した日付にあるなら、そのユリを贈ってみるのも素敵です。

「純潔」「無垢」「威厳」の花言葉を持つユリは、古くから多くの方に愛されてきた花です。本記事では、花言葉だけでなく、ことわざや逸話、渡すポイントも紹介しました。特別な日に感謝の気持ちを伝えたいとき、ユリをプレゼントしてみてくださいね。