コラム

2022/07/29

誕生花は日本と海外で違う⁉起源やそれぞれの違いをご紹介

親しい友人や職場の仲間へ、誕生日のお祝いとしてお花を贈ることがあると思います。
相手が喜ぶ顔を思い描き、誕生花にどのような意味があるのか考えながら選ぶのも楽しいですよね?

そこで知っておいていただきたいのが「誕生花(たんじょうか)」です。
誕生花は、生まれた月日にちなんだ花のことで、神秘的な力が宿るとされている花や植物を、暦に関連づけて振り分けられています。

贈る相手に幸福をもたらし、災いから身を守るように願いをこめた、お守りのような素敵な贈り物になりますね!

この誕生花を調べていくと、日本の中でも同じ日に数種類の誕生花が存在します。
また、日本と海外でも誕生花の種類が異なることがあるので、同じ誕生花でもどの種類を選べばよいのか解らなくなってしまうことがよくあります。
この記事では、日本と海外で違う誕生花について、起源やそれぞれの違いについてご紹介していきます。

日本の誕生花って?誕生花の起源はいくつもある

日本の誕生花って?誕生花の起源はいくつもある

日本の誕生花は、同じ月日でも数種類存在します。なぜ同じ日に数種類あるのか、疑問に感じることもあるでしょう。
これは、国や地域で正式に決められたものではないからです。国や地域が変われば、人の感覚も変わります。もちろん、季節や気候が違えば咲く花の時期が異なるため、誕生花も異なります。
また、誕生花は国や地域だけではなく、はるか昔からの伝承や風習が入り混じり現代に受け継がれています。諸説は国や地域で分かれており、誕生花そのものの起源はまちまちです。

ギリシア・ローマ神話時代の人々の考え

しかし、ギリシア・ローマ神話時代の人々は、花や木々には神秘的な力が宿ると考えていました。同じように「時」にも神々の力が宿ると信じられており、その人が生まれた日も、理由があってその日を選んだのではないかと考えられています。
そのため「月・日・花」をそれぞれに当てはめ、神秘的で美しい伝承として、今もなお受け継がれているのです。誕生花を思い浮かべる時には誕生日が連想されますが、誕生花は誕生月のものと誕生日のものの2種類が存在します。

今回は月の誕生花とその花言葉について、日本と海外の違いをご紹介します。

日本との違い「中国」での誕生花

日本との違い「中国」での誕生花

中国で菊は縁起の良い花として愛され、親しい友人へ贈る花とされています。
晩秋の寒さの中で鮮やかに咲く菊の様子が、中国では学識や徳が高く、礼儀礼節を備え清らかで高潔な人物を表す「君子」の特徴と似ていることから、蘭、竹、梅と共に「草木の四君子」の1つに選ばれています。

また、菊には不老長寿の薬効があるという言い伝えがあり、中国では長寿を願う贈り物としても喜ばれます。

しかし、日本では仏花のイメージが根強く、親しい友人に誕生花で菊を贈る習慣が無いのは事実です。
贈られた側も日本人なら戸惑ってしまいがちですが、菊は決して縁起の悪い花と言う意味があるわけでは有りません。

菊は、中国では9月、日本でも11月の誕生花に選ばれています。
また、日本の国花でもあり、天皇家の御紋やパスポートの表紙にも使われています。
花言葉は「高貴、高尚、高潔、真の愛、私を信じて、女性的な愛情」です。仏花にしている菊は、仏様に敬意を払い、気高く気品や風格に満ち溢れた花を、心をこめてお供えするという意味合いが込められています。決して不浄や不吉などの意味合いは有りません。とは言え、日本で誕生花として菊を送る場合には、できるかぎり明るい色の華やかな菊を選ぶなどの注意が必要です。

中国の誕生花・花言葉、日本の花言葉一覧

1月:「ウメ」
中国花言葉:(気品、高潔、忠義、澄んだ心、喜び、艶やかさ)
日本花言葉:【高潔、忠実、忍耐】

2月:「アンズ」
中国花言葉:(臆病な愛、疑い、早すぎた恋、魅惑、遠慮)
日本花言葉:【臆病な愛、乙女のはにかみ、疑い、疑惑】

3月:「モモ」
中国花言葉:(長命、愛の幸福、あなたに夢中、辛抱、忍耐)
日本花言葉:【私はあなたのとりこ、天下無敵、気立ての良さ】

4月:「バラ」
中国花言葉:(情熱、愛情、あなたを愛します)
日本花言葉:【愛・美】

5月:「ザクロ」
中国花言葉:(優美、愚かしさ、子孫の守護)
日本花言葉:【円熟した優雅さ】

6月:「ハス」
中国花言葉:(清らかな心、神聖、離れゆく愛)
日本花言葉:【清らかな心、神聖、離れゆく愛、雄弁】

7月:「シュウカイドウ」
中国花言葉:(片思い、恋の悩み、自然を愛す)
日本花言葉:【恋の悩み、片思い】

8月:「モクセイ」
中国花言葉:(初恋、あなたの気を引く、高潔、謙虚)
日本花言葉:【謙虚、気高い人】

9月:「キク」
中国花言葉:(高貴、高尚、高潔、真の愛、私を信じて、女性的な愛情)
日本花言葉:【高貴、高潔、高尚】

10月:「フヨウ」
中国花言葉:(繊細な美、しとやかな恋人、心変わり、微妙な美しさ)
日本花言葉:【繊細な美、しとやかな恋人】

11月:「サザンカ」
中国花言葉:(困難に打ち勝つ、ひたむき、謙譲、謙虚、愛嬌、理想の恋)
日本花言葉:【困難に打ち勝つ、ひたむき】

12月:「ロウバイ」
中国花言葉:(先導、先見、優しい心、慈しみ、ゆかしさ、愛情、慈愛)
日本花言葉:【ゆかしさ、慈しみ、先導、先見】

日本との違い「アメリカ」での誕生花

日本との違い「アメリカ」での誕生花

花の中で圧倒的人気を誇るバラは、もらうと誰しもうれしい花ですね。
日本でも、バラは男性から女性に贈る愛のメッセージの象徴であり、情熱的なイメージが強く、「愛情」や「美しさ」、「情熱」などの花言葉があります。
バラは、日本でもアメリカでも6月の誕生花に選ばれ、日本とアメリカでは花言葉の意味に大差は有りません。

バラは花言葉が宿る部分が多い

また、バラには月日の花言葉の他、本数やトゲ、つぼみにも花言葉が存在するのをご存じでしょうか?
1本だと「ひとめぼれ」、3本だと「愛しています」、5本だと「あなたに出会えてよかった」、100本は「100%の愛」。本数でも、情熱的なイメージが強いですね。
また、トゲには「不幸中の幸い」という意味が、赤いつぼみは「純粋と愛らしさ」、白いつぼみは「恋するには若すぎる」という意味が込められています。
つぼみの花言葉は可愛らしいイメージですね。

アメリカの国花はバラ

実は、アメリカの国花は「バラ」。それだけにバラを大切にしている国でもあります。
バラを贈ることは、「愛国心」や「命と愛の象徴」、「美と永遠を常に表すもの」として、特別な感情を持って大切にしてきました。そのため、特別な行事や催事には必ずと言っていいほどバラが使われています。
日常でも家庭や公園、花園の多くではバラが栽培されており、アメリカの人々にとっては「特別な花」として日常から大切に扱われているのです。

アメリカの誕生花・花言葉、日本の花言葉一覧

1月:「カーネーション」
アメリカ花言葉:(魅惑、魅力、愛情、卓越、名声)
日本花言葉:【無垢で深い愛】
1月:「スノードロップ」
アメリカ花言葉:(希望、慰め)【希望、慰め】

2月:「プリムラ」
アメリカ花言葉:(青春のはじめ、青春の恋、あなたなしでは生きられない)
日本花言葉:【青春の始まりと悲しみ、青春の恋】

3月:「ラッパスイセン」
アメリカ花言葉:(注視、報われぬ恋、尊敬)
日本花言葉:【うぬぼれ、自己愛】

4月:「デイジー」
アメリカ花言葉:( 純潔、美)
日本花言葉:【純潔、美人、平和、希望】
4月:「スイートピー」
アメリカ花言葉:(門出、別れの言葉、ほのかな喜び、優しい思い出)
日本花言葉:【門出、別離、ほのかな喜び、優しい思い出】

5月:「セイヨウサンザシ」
アメリカ花言葉:(希望)
日本花言葉:【希望、慎重】
5月:「スズラン」
アメリカ花言葉:(再び幸せが訪れる、優しさ、愛らしさ、謙遜、純粋)
日本花言葉:【再び幸せが訪れる、優しさ、愛らしさ、謙遜、純粋】

6月:「バラ」
アメリカ花言葉:(あなたを愛しています、愛情、美、情熱、ロマンス)
日本花言葉:【愛・美】
6月:「スイカズラ」
アメリカ花言葉:(愛の絆、献身的な愛)
日本花言葉:【愛の絆、献身的な愛】

7月:「スイレン」(清らかな心)
日本花言葉:【清純な人、信頼、信仰】
7月:「デルフィニウム」
アメリカ花言葉:(寛大、楽しみ、激しい愛着)
日本花言葉:【清明】

8月:「ポピー」
アメリカ花言葉:(忘却、眠り、想像力)
日本花言葉:【いたわり、思いやり、恋の予感、陽気で優しい】
8月:「グラジオラス」
アメリカ花言葉:(人格的強さ、誠実、準備、記憶)
日本花言葉:【密会、用心、思い出、忘却、勝利】

9月:「アサガオ」
アメリカ花言葉:(はかない恋、愛情)
日本花言葉:【はかない恋、固い絆、愛情】
9月:「シオン」
アメリカ花言葉:(忍耐、優美、繊細、愛の象徴)
日本花言葉:【追憶、君を忘れない、遠方にある人を思う】

10月:「キンセンカ」
アメリカ花言葉:(悲嘆、絶望、悲しみ、悲哀)
日本花言葉:【別れの悲しみ、悲嘆、寂しさ、失望】
10月:「マリーゴールド」
アメリカ花言葉:(嫉妬、絶望、悲嘆)
日本花言葉:【嫉妬、絶望、悲しみ】

11月:「キク」
アメリカ花言葉:(上機嫌、元気、あなたはとても素晴らしい友達)
日本花言葉:【高貴、纐纈、高尚】

12月:「セイヨウヒイラギ」
アメリカ花言葉:(防衛、防御、家庭の幸せ)
日本花言葉:【用心深さ、先見の明、保護】
12月:「スイセン」
アメリカ花言葉:(自己愛、自己中心、うぬぼれ、報われぬ恋)
日本花言葉:【うぬぼれ、自己愛】

日本との違い「イギリス」での誕生花

日本との違い「イギリス」での誕生花

春の訪れを感じる花として、日本では「さくら」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
春のイメージは、さくらのピンク色。今年はどこに花見を行こうかと、さくらが咲き始めるころには浮足立つこともありますね。

しかし、イギリスの人は「スイセン」で春を感じる人が多く、秋になるとスイセンの球根をたくさん植え、春を楽しみに待つそうです。スイセンは手入れが簡単で、比較的どんな植え方をしても花を咲かせます。

安価で球根が売られていることも人気の1つですが、一番の理由は鮮やかな黄色が春を待ちわびていた人々の心を癒してくれるからです。
イギリスでは、春の訪れとともに街のいたるところでスイセンを見かけます。スーパーマーケットでも安価で売られていて、春の風物詩になっています。

「スイセン」は日本では1月、イギリスでは3月の誕生花です。「うぬぼれ」「自己愛」が花言葉です。泉に映った自分の姿を愛してしまった「ナルシスト」の神話から誕生した花言葉。
しかし、鏡が無く自分の姿を知らない時代に、自分を見て愛おしいと感じて眺めていたというふうに解釈することもできます。それは、決して他人を否定するものや、現代の「ナルシスト」では無く、一途に想いを寄せる純粋な恋心であったと理解したいですね。

イギリスの誕生花・花言葉、日本の花言葉一覧

1月:「カーネーション」
イギリス花言葉:(魅惑、魅力、愛情、卓越、名声) 
日本花言葉:【無垢で深い愛】

2月:「スミレ」
イギリス花言葉:(謙虚、誠実)
日本花言葉:【謙虚、誠実、小さな幸せ】

3月:「ラッパスイセン」
イギリス花言葉:(注視、報われぬ恋、尊敬)
日本花言葉:【うぬぼれ、自己愛】

4月:「スイートピー」
イギリス花言葉:(門出、別れの言葉、ほのかな喜び、優しい思い出)
日本花言葉:【門出、別れの言葉、ほのかな喜び、優しい思い出】

5月:「スズラン」
イギリス花言葉:(再び幸せが訪れる、優しさ、愛らしさ、謙虚、純粋)
日本花言葉:【再び幸せが訪れる、優しさ、愛らしさ、謙虚、純粋】

6月:「バラ」
イギリス花言葉:(あなたを愛しています、愛情、美、情熱、ロマンス)
日本花言葉:【愛、美】

7月:「デルフィニウム」
イギリス花言葉:(寛大、楽しみ、激しい愛着)
日本花言葉:【清明】

8月:「グラジオラス」
イギリス花言葉:(人格的強さ、誠実、準備、記憶)
日本花言葉:【密会、用心、思い出、忘却、勝利】

9月:「シオン」
イギリス花言葉:(忍耐、優美、繊細、愛の象徴)
日本花言葉:【追憶、君を忘れない、遠方にある人を思う】

10月:「マリーゴールド」
イギリス花言葉:(嫉妬、絶望、悲嘆)
日本花言葉:【嫉妬、妬み、絶望、悲しみ】

11月:「キク」
イギリス花言葉:(上機嫌、元気、あなたはとても素晴らしい友達)
日本花言葉:【高貴、高潔、高尚】

12月:「ポインセチア」
イギリス花言葉:(清純、元気を出して)
日本花言葉:【祝福、幸運を祈る、私の心は燃えている、清純】

日本で誕生花をプレゼントするときは相手の母国に合わせて送ろう!

日本で誕生花をプレゼントするときは相手の母国に合わせて送ろう!

国や地域によって、誕生花や花言葉は異なります。日本の同じ月日でも、数種類の花が存在します。誕生花は、国や自治体で定められたものではないため、正解が有りません。
相手を想い、誕生花を送りたいと思っても、どれを選べばいいのか迷うこともあるかもしれません。
しかし、花には一つ一つ花言葉がつけられています。誕生花の花言葉を調べたり相手の喜ぶ顔を思い浮かべたりしながら、これだと思う花を選ぶと良いでしょう。

国や地域が異なる相手への贈り物は見方や捉え方が違うので、相手の母国に合わせた誕生花と花言葉から選ぶのが最適です。
贈る相手が生を受けたその地で伝わる誕生花は、災いを遠ざけ、幸福をもたらしてくれる、心に響く誕生花のフラワーギフトになることでしょう。

まとめ

誕生花は、国や地域によってまちまちです。
同じ花でも国によっては贈らない方が良いとされる花も有りますが、贈る相手を想う気持ちを花に託すのは、万国共通のことかもしれませんね。
贈る側は相手を想い選んでいる時に、贈られる側は選んでくれた相手の気持ちを受け取った時にお互いが笑顔になれる、素敵な贈り物「誕生花」。
古来より伝承されている神秘的な力が宿る誕生花。
それらのお花の一つ一つ丁寧に付けられた花言葉の意味を知ることで、相手にぴったりな特別な一日の贈り物をおくることができるでしょう。