夏になると、大きな花を咲かせるカサブランカ。その見た目の美しさから冠婚葬祭やプレゼントに用いられることが多く、結婚式や葬式などでもよく見かけるお花です。
しかし、カサブランカ自体は好きでも、育て方や増やすコツなどについてイマイチ分かっていない方も多いはず。
そこで本記事では、カサブランカが一体どんな花なのか、育て方・増やし方・プレゼントする際のポイントについて解説します。
「カサブランカを育ててみたい」、「誰かのプレゼントにカサブランカを贈りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
カサブランカはどんな花?基本情報と特徴を解説
カサブランカはユリの一種で、大きな白い花を咲かせる「ヤマユリ」と、直径約10cmのピンクの花を咲かせる「カノコユリ」を交配させてできた品種。
カサブランカは日本に自生し、開花時期は6~8月で花の直径は20~25cm。
白い大輪の花を咲かせることから「ユリの女王」と呼ばれ、ユリの品種の中でも特にメジャーな存在と言えるでしょう。上品な香りと光沢のある葉も、特徴として挙げられます。
普段からお世話になっている方や好きな方に大きく綺麗な花を贈りたいと感じている場合、カサブランカを贈るのがおすすめです。
ちなみに、カサブランカは、スペイン語で「白い家」という意味があります。
カサブランカに込められた花言葉のメッセージ
花をプレゼントする際、どんな花言葉があるか気にする方も多いのではないでしょうか?
カサブランカの花言葉は、「純粋」「無垢」「祝福」「甘美」「壮大な美しさ」「高貴」「威厳」の7つがメイン。
「祝福」や「壮大な美しさ」といった花言葉は結婚式など、相手を祝福したい時にふさわしい花言葉と言えるでしょう。「高貴」や「威厳」は、上司や先輩など目上の方への贈り物に添える花言葉としてぴったりですね。
また、花の色によっても花言葉が変わってくるのがポイントですね。プレゼントする際は、カサブランカの色にも注目しましょう。色ごとの花言葉は、次の通りです。
- ピンク:富と繁栄
- 赤:優しさ・虚栄心
- 黄色:陽気
- オレンジ:愉快
- 紫:恋・復讐
色によっても意味合いがかなり異なるため、プレゼントを選ぶ際どの色にするかよく考えることをおすすめします。
カサブランカは種類によって花のすがたも違います
実は、カサブランカにはさまざまな品種が存在するんですよ!これから、カサブランカを育てるもしくはプレゼントする際は、どのような品種があるかチェックしましょう。ここでは、各品種の特徴について触れていくので、興味のある方は参考にしてください!
コルコバード
コルコバードは、艶やかなオレンジの花を咲かせます。存在感があるため、一輪挿しの切り花に用いられるケースが多いです。
パープルプリンス
パープルプリンスは、赤紫色の華やかな花を咲かせるのが特徴的。めしべや花粉の色も濃く、上品な雰囲気が魅力です。
コンカドール
コンカドールは、グラデーションのかかった黄色い花びらと優しい香りが人気。他のカサブランカと比較して細い茎も特徴です。
ホワイトアイズ
ホワイトアイズは滑らかで美しい純白と、風格のある八重咲きが魅力の花。花もちが良く、美しい花を長期に渡って愛でたいと感じている方にうってつけです。
カサブランカなどユリの花を育てる場所選び
ここまでカサブランカの特徴をご紹介しました。続いては、実際にカサブランカを育ててみたい方向けに、育て方を一通りご紹介しましょう。
まずは、育てる場所について。
カサブランカを綺麗に咲かせるためには、どこで育てるかが重要になってきます。間違った場所で育てようとすると、すぐに枯れてしまう可能性もあるので十分注意が必要です。
カサブランカは、直射日光や西日が当たる場所を苦手とします。強い光に当てられ続けると、葉が焼けたり、根や球根が傷む恐れがあるのです。
そのためカサブランカを育てる際は、「午前中に日が当たり、午後から日陰になる」ような場所が理想的だと覚えておきましょう。
カサブランカの種まき・球根の植え付け
家庭でカサブランカを育てる方のためにも、鉢植えでカサブランカの種まきと球根の植え方について説明します。
種から育てる方法
種まきに最適なタイミング、10~11月。
初めに、赤玉土中粒・腐葉土・バーミキュライトを6:3:1の割合で混ぜた物を鉢に入れましょう。
赤玉土とは、水もち・肥料もちに優れた土。腐葉土は枯れ葉が虫や微生物によって分解され、土のようになったものを指します。バーミキュライトは、植物の成長をサポートしてくれるカリウム・鉄分・マグネシウムを含んだ鉱物。
どれも、ホームセンターで簡単に手に入りますよ。
植えつける土が完成したら、次に種をまいていきましょう。
種をまく際は、種と種の間隔を空けるのがポイント。種と種の間隔が短いと、日当たりや風通しが悪くなり、成長しにくくなるだけでなく、病気になる可能性が高くなって枯れやすくなるからです。
まき終えたら、土を約3~5mm被せます。
土が乾燥している場合は水で湿らせ、直射日光の当たらない場所に置いて芽が出るのを待ちましょう。一般的には、種をまいてから約3週間で芽が出てきます。
ただしカサブランカは寒さに弱いので、15℃以下の環境で育てるのは避けましょう。寒すぎる場合は、室内に移すなどの対策が必要です。
球根を植える方法
球根から育てる場合も、植える時期は種まきと同様の10~11月です。植えるスペースを確保するためにも、7~10号の底が深い長鉢・深鉢をおすすめします。
まずは、鉢底に軽石またはゴロ石を敷いて通気性を良くしましょう。
次に、赤玉土中粒・腐葉土・バーミキュライトを6:3:1の割合で混ぜた物を1/3まで入れたら、球根を置きます。
球根の上から土を被せ、鉢底から流れ出る程度に水をかけたら完了です。
カサブランカの花を育てる水やり方法と肥料の与え方
元気なカサブランカの花を育てるために大切な、正しい水やりと肥料を与える際のポイントについて解説します。
水やりの仕方
水やりは、表面の土が乾燥した際に行います。午前または夕方の涼しい時間帯に鉢底から水があふれ出るくらい水を与えましょう。
乾燥が酷い場合、朝と夕方の計2回行います。日中に水やりを行ってしまうと、水の温度が高くなってしまうので、根にダメージを与えます。そのため、日中に水を与えるのは避けましょう。
肥料を与える際のポイント
3月下旬~4月頃になったら、週に1回の頻度で液体肥料を花が咲き終わるまで与えます。
花が咲き終わった後は、カリウムやリンを多く含んだ肥料に変え、球根を大きくしていきましょう。球根を大きくすることで、カサブランカを増やしやすくなります。
草丈が伸びたら支柱を立てる
カサブランカは草丈が高くなるので、十分に育ったら茎が折れてしまわないよう支柱を立ててあげましょう。
支柱を地面に刺すとき、球根を傷つけないように細心の注意を払ってください。
支柱を立てたら、麻縄などで茎とやさしく固定します。
カサブランカの花を増やす方法3選
カサブランカを毎年のように鑑賞したいと感じている方も多いのではないでしょうか。せっかく育てるなら、育て方に加え、増やし方も知っておきましょう。
木子繁殖
木子は、茎と球根の間についている小さな球根のような物です。球根に木子がついているのを見かけたら丁寧に切り離し、土に植えましょう。
半日陰で育て、土が乾燥しすぎないように注意。3年程度で立派な球根となり、花を咲かせるでしょう。
分球
分球は、大きく育った一塊の球根を切り分け、カサブランカを増やす方法です。
まず、シーズンが終わったカサブランカの球根を堀り上げ、一つの球根から茎が2本以上出ていれば分球可能。
茎の数にあわせて球根を手で割き、通常の球根と同じ手順で植えましょう。
鱗片挿し
「鱗片」とは、球根や芽を保護する葉のようなものです。鱗片を剥がし、土に植えて増やす方法を鱗片挿しと呼びます。
8~9月下旬に球根を掘り出し、鱗片を20~30枚剥がしましょう。土に鱗片を挿して水を与えます。半日陰で管理し、土が乾燥したら定期的に水を与えてください。
すると、11月頃に小さな球根ができ始めます。葉や茎が出てきたら、水で薄めた液体肥料を2週間に1回の頻度で与えましょう。
発芽した後に子葉の次に出てくる「本葉」が2、3枚出てきたのを確認したら、鉢または庭に植えてください。
カサブランカの花を植え替えする方法
植え替えとは、鉢などで根詰まりの状態になった植物を新しい土に植え替えることです。
根詰まりが起きると通気性が悪くなり、酸素不足になってカサブランカが弱ってしまう可能性があります。カサブランカが枯れないようにするためにも、しっかり植え替えを行いましょう。
ちなみに地植えの場合、分球でカサブランカを増やすなどの理由が無ければ、無理に掘り起こす必要はありません。
植え替えの時期は、9~11月頃です。葉が黄色くなったのを確認したら、植え替えを始めてください。
植え替えの方法として、まず球根を引き抜きましょう。
手で茎の部分をひねりながら行うのがコツです。効率よくカサブランカを成長させるため、弱った根や短い根を取り除きます。
球根を水洗いし、「オーソサイド液」などの殺菌剤に約30分漬け込み、球根に付着しているウイルスを殺菌します。
次に、風通しの良い場所に並べ、2~4時間置いておきましょう。この作業は「水揚げ」と呼ばれ、栄養や水分が入る道管の中に入った空気を出したり、傷んだ部分を取り除く意味があります。
続いて、新しい鉢または庭に植え付けていきましょう。
球根が余った場合、殺菌した後に湿らせたバーミキュライトの中に入れて日陰に置いておくことで、長持ちさせられます。球根が傷まないようにするためにも、バーミキュライトの乾燥を防ぐことが大切です。
カサブランカの花を育てる際の注意点
カサブランカは綺麗な花を咲かせる反面、注意しておきたいことがいくつか存在します。ここでは、育てる際の注意点について解説します。
カサブランカの花粉は猫にとって猛毒
カサブランカの花粉は、猫にとっては猛毒なので、家で猫を飼っている方は注意してください。
対策としては、おしべの一部で袋状の形をした「やく」が花粉に変化する前に取り除くこと。手で取るのに抵抗がある場合、ピンセットでやくを取り除きましょう。
また、カサブランカの花粉には粘着性があるため、服についてしまうと中々落とせません。お気に入りの服が花粉で汚れてしまわないように注意しましょう。
服やカーペットに花粉がついた場合、ガムテープの粘着面を優しく当て、花粉を取り除きます。掃除機で取る際はノズルの先端を外し、パワーを弱設定にしたら花粉を吸引します。
害虫に注意
カサブランカは、ウイルスに感染しやすい花です。病気になると、球根が傷ついたり、根腐れを起こし、枯れてしまう恐れがあります。
カサブランカに集まる害虫として、以下のものが挙げられます。
アブラムシは、カサブランカの花や葉に群がります。アブラムシの排泄物により、すす病菌と呼ばれるカビが増殖し、葉や茎を黒いすすで覆われたような状態になる「すす病」を引き起こす恐れも。
クビナガハムシの幼虫は、カサブランカの蕾や葉を食い尽くしてしまう恐れがあります。
駆除には「スミチオン乳剤」や「オルトラン」が配合された薬剤を使いましょう。
カサブランカをプレゼントする際のポイント
結婚式や誕生日などの際、カサブランカをプレゼントしたいけど、どのような点を押さえておく必要があるか疑問に思う方も多いでしょう。
相手に喜んで頂くためにも、いくつか考えておきたいことがあります。
相手の好み
どの色の花が好きかはもちろん、好きな花の種類、強い香りが好きかどうかなど、渡す相手の好みを把握した上でカサブランカを渡すかどうか判断しましょう。
渡すシチュエーション
人によっては、カサブランカの香りで不快感を示す方もいるかもしれないため、周囲に配慮することが大切です。またデート先など、渡した後に持ち運ばなければならない場合は、相手を困らせてしまう可能性もあるので注意です。
これから、カサブランカを渡そうと考えている方は、渡す場所についても一度考えておくことをおすすめします。
サイズ
どのくらいの大きさのカサブランカをプレゼントするかも渡す際のポイントです。サイズによっては、相手の自宅に置くスペースが作れない場合もあります。店舗や通販サイトでカサブランカを探す際、サイズもチェックしましょう。
メッセ―ジカード
カサブランカの花言葉の中にマイナスな印象を与える花言葉があるので、渡しても大丈夫か不安に思うかもしれません。
そんな時は、メッセージカードでポジティブな気持ちを書き、マイナスな意図がないことをはっきり伝えることをおすすめします。
カサブランカを買うなら通販サイトが便利
お付き合いしたい方や普段からお世話になっている方にカサブランカを買いに行きたいけど、近くに実店舗が無いとお悩みの方も多いのでしょう。
実店舗が近くに無い場合、通販サイトを一度チェックすることをおすすめします。通販サイトのメリットとして、次のような点が挙げられます。
通販サイトは24時間365日利用できるため、仕事や家事などが忙しくても空いた時間に欲しい商品がないかチェックすることが可能です。また、通販サイトは実店舗のようなスペースの制限がなく、取り扱い商品が多い点は大きなメリットです。
大切な人に花を贈るならネット通販での購入がおすすめ
ネット通販では、誕生日・結婚式・母の日・父の日など、さまざまなシチュエーションに合ったフラワーギフトを販売しています。お付き合いしたい方や普段からお世話になっている方に花をプレゼントしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
本記事では、カサブランカの主な特徴から花言葉、育て方やプレゼントする際のポイントについて紹介しました。「純粋」「無垢」「祝福」「甘美」「壮大な美しさ」「高貴」「威厳」の花言葉を持つ花で、プレゼントにもぴったり。
相手の幸せや成功を祝福するのにふさわしい花なので、大切な方に喜んで頂くためにも、素敵なカサブランカを贈りましょう。