コラム

2022/06/30

優雅な花を咲かせるダリアの上手な育て方

初夏から晩秋まで長く咲き、秋9から10月にかけて花壇の主役としてあざやかに咲き誇るダリア。品種がとにかくバリエーション豊かなこともあり、昔からファンが多く、「自分で育ててみたい」という人も多いのではないでしょうか。

日本には迷ってしまうほど品種がたくさんありますが、それは気候がとてもダリアに合っているからなのです。せっかくダリアを優雅に育てられる気候に恵まれているので、興味がある人はぜひチャレンジしてみてくださいね。

ダリアはそれほど栽培が難しい品種ではないので、園芸に親しんでいない人にもおすすめの花です。
今回の記事では、「種」「球根」「鉢植え」の3つのパターンの育て方をそれぞれ紹介します。また、育てる際のポイントや注意点、花の数を増やすために大切な作業についても解説していきます。

育て方は簡単?秋を彩るダリアの特徴

育て方は簡単?秋を彩るダリアの特徴

ダリアといえば大きな丸いボールのような花が咲いているイメージがありますが、実はとにかく品種が豊富で、これまでに作られた品種は3万種とも言われています。

花の大きさ、色、形などすべてに幅広いバリエーションがあり、咲き方によって約10種類に分類されています。

キク科の多年草で、開花時期は6~11月ととても長いことが特徴です。真夏には咲きにくいものの、その後また秋に咲き誇ります。
原産地がメキシコなので暑さと乾燥には強いのですが、その反面寒さと湿気には弱いところがあります。

ダリアの基本的な性質とは?

はじめに、ダリアがどんな花かについて紹介します。育て方や花の大きさで作業のポイントは変わりますが、ダリアに共通している基本的な性質をよく知ることでぐっとお手入れもしやすくなるでしょう。

  • 発芽適温は20℃前後、生育適温は10〜25℃
  • 日当たりと風通しがよく、水はけのいい場所を好む
  • 6月下旬~11月と、開花時期がとても長い
  • 暑さと乾燥には強く、寒さと湿気には弱い

「種」から始めるダリアの育て方

「種」から始めるダリアの育て方

植物を一から育てるのが好きな人や、種から球根になるところを見守りたいという人は、ぜひ種からの栽培にチャレンジしてみましょう。愛着や咲いたときの嬉しさもひとしおです。

最近では、春に種をまくと夏には開花するタイプや、室内用の丈夫なミニダリアなども開発され、ずいぶんと育てやすくなりました。それらの品種を選んでトライしましょう。

種を球根にするには

まずは、ダリアの種を立派な球根に育てましょう。
ダリアは20~25度くらいで発芽しますので、暖かくなってくる4月中旬~4月下旬に種をまきます。夜に冷え込む地域の場合は、室内で育てます。

【準備するもの】

  • ダリアの種…丈夫で育てやすい実生(みしょう)ダリアがおすすめです。
  • 種まき用のセルトレイか箱(卵パックなど)…鉢植え用や地植え用とは別に用意。
  • 肥料分のない土※…種をまき、発芽まではこちらの土を使います。
  • 培養土(ばいようど)…本葉が出てきてからの植え替え後は、培養土を使います。

【種をまく方法】

  1. 種まき専用のセルトレイか箱(卵パックなど)に、種まき専用の土を入れる
  2. 5cm間隔で種を3~4粒まき、土を5mmほどかぶせる
  3. 発芽するまでは、土が乾かないように水やりをする
  4. 1週間ほどで発芽が確認できたら、土が乾いてから水やりをするようにする
  5. 本葉が2~3枚出てきたら、3号ポットに植え替える。このとき、土は培養土にする

その後、本葉が6〜8枚になったら鉢や地面に植え替えます。

「球根」から始めるダリアの育て方

「球根」から始めるダリアの育て方

ダリアは球根植物なので、球根から栽培すればぐんと育てやすくなります。

ここでは、「鉢植え・コンテナ植え」と「地植え」の栽培方法についてそれぞれ解説していきます。前準備はいくつかことなりますが、球根を実際に植え付ける作業はおなじです。
また、どちらにも共通する大切な作業になる「支柱の立て方」も紹介します。

ダリアの「球根選び」大切なポイントは?

「鉢植え」と「地植え」のどちらにも必要なのが「球根選び」です。球根を選ぶときの一番のポイントは、「発芽点(はつがてん)があるかどうか」です。

発芽点は、球根の胴体と前年の茎のあいだにある膨らんだ部分に生えています。ここからダリアの芽が出て、成長するのです。
ですが、発芽点はすべての球根に生えているわけではありません。球根を選ぶときは、発芽点があるかどうかをよくチェックしましょう。

ダリアは根が横に広がるので、鉢植えの場合は1つの鉢に球根1個、地植えの場合は約30㎝の間隔に1個を植えるのが理想的です。もしも芽が出ない球根を植えてしまうと、とても大きなスペースがむだになってしまいます。それを防ぐためにも、じっくり見てから購入してください。

ダリアの植え付け(1)鉢植え

ダリアの球根は、桜が咲くころを目安に植え付けていきましょう。
ダリアは株が大きく育ち、根も横に広がるため、中輪の品種でも大きめの鉢に植えることをおすすめします。

【準備するもの】

  • ダリアの球根
  • 市販の草花用培養土
  • 緩効性肥料(かんこうせいひりょう)
  • 支柱…球根1個に対して4本が目安
  • 鉢…大輪以上の場合は8~10号鉢、中輪以下は5~7号鉢が目安
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石

【植え付ける手順】

  1. 鉢に鉢底ネットをいれる。水はけをよくするために、鉢の底には鉢底石を敷く
  2. 水はけのいい培養土を、鉢の2/3まで入れる
  3. 植え付けの直前に緩効性肥料を施す
  4. 発芽点が上向きになるように球根を置く
  5. 土をかぶせる(中・小輪種は約5cm、大輪種は約10cm)
  6. 支柱を立てる(くわしい方法は後述)
  7. 最後に鉢底から流れるほどたっぷりと水やりし、その後は発芽するまでしない

ダリアの植え付け(2)地植え

ダリアは水はけと風通しがよく、日差しが当たる場所を好みます。根がよく伸びるように、あらかじめその場所を深さ30㎝ほど耕しておきましょう。

【準備するもの】

  • ダリアの球根
  • 緩効性肥料
  • 支柱…球根1個に対して4本

【植えつける手順】

  1. 水はけをよくするために、土に川砂やパーライトなどを混ぜる
  2. 植えるための穴を掘る。大輪種は深さ10㎝、間隔が60㎝。中輪以下は深さ5㎝、間隔が40㎝が目安
  3. 植え付けの直前に緩効性肥料を施す
  4. 以降は「鉢植え」4.~と同じ

ダリアを支える「支柱」の立て方

「支柱」を立てる作業は、鉢植えでも地植えでも必要になります。ダリアは茎も枝もよく伸びるので、支柱なしでは倒れてしまいます。よほどのミニサイズ以外は立てるようにしましょう。
成長してからでもできますが、植えた場所の目印にもなるので、植え付けのときに一緒にするのがおすすめです。

支柱は、球根1個に対して4本が目安です。球根の発芽点を中心に、そこから15~20㎝離すようにして立てます。その後、草丈(くさたけ)が30㎝くらいまで伸びてきたら、紐などでゆるく支柱に固定します。

「鉢植え」から始めるダリアの育て方

「鉢植え」から始めるダリアの育て方

初めてダリアを育てる人には、鉢植えからのスタートがおすすめです。

特に、すでに花が咲いているダリアの鉢をいくつか購入して、大きめの鉢に植え替える「寄せ植え(よせうえ)」という方法がいいでしょう。
ダリアを、銀白や赤といったさまざまな葉色が揃っている「カラーリーフ」と組み合わせることで、さらにあざやかに楽しめるようになります。ダリアが咲いていない季節でもカラーリーフが彩ってくれます。

カラーリーフはほとんどお手入れを必要とせず、とても丈夫です。「初めて植物を育てる」という人もチャレンジしやすく、労力をかけず華やかに作れるでしょう。

ダリアの育て方のポイントは?肥料と水やりに注目

ダリアの育て方のポイントは?肥料と水やりに注目

ダリアが優雅で華やかな花を咲かせるためには、「肥料」と「水やり」がとても大切です。どちらも栄養分なのでたっぷり与えたほうがいいイメージですが、注意したほうがいいポイントもあるのです。

肥料を与えるタイミングは?

肥料を与えるタイミングは、鉢植えも地植えも同じです。

  1. 植え付けの際(桜が咲くころ)…緩効性肥料を施してから球根を植える
  2. 植え付けの1ヶ月後…ダリアがあまり成長していない、または色が薄いといったようすなら、必要な肥料を追加で与える「追肥(ついひ)」をする
  3. 真夏…ダリアが高温多湿に疲れているので、肥料は与えない
  4. 9〜10月…追肥を再開する

肥料は発芽後に成長するためにも必要ですが、花があざやかに咲くためにも大切になります。ダリアが秋に本領発揮できるように、暑さが落ちつく9月中旬ごろから栄養を与えましょう。

ダリアの水やりは「やりすぎない」

原産地が乾燥地帯だったダリアは、湿気にかなり弱い花です。そのため、育てるときに「水をあげすぎない」ことが大きなポイントです。
土が白っぽい、手で触るとからからに乾燥している、という状態のときに水やりしましょう。

また、水やりは鉢植えと地植えでコツが異なります。自分の栽培方法に合わせて与えるようにしましょう。

【鉢植えの場合】

鉢植えは、地植えよりも水やりの頻度は多めです。水やりは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出してくるまで与えます。土の表面が湿る程度ではなく、たっぷり与えて大丈夫です。
水やりの時間帯は、できるだけ午前中にしましょう。

【地植えの場合】

地植えする場合の水やりは、やりすぎないことに注意してください。基本的には雨水だけで大丈夫です。もしも何週間も雨が降らない、または猛暑つづきで乾燥してしまったときだけ、土の様子を見ながら、数日に一度午前中までに水やりをしましょう。

ダリアを丈夫に育てるには?病気・害虫対策

ダリアは栽培しやすい花ですが、風通しが悪い・日が当たらないというように、環境があまりよくないと病気や害虫で枯れてしまうことがあります。ダリアの状態をよくチェックして対処していきましょう。

「しおれるのはなぜ?」ダリアの病気対策

  • 水やりをしているのにしおれている
  • 葉が変色している、ちぢれている

こういった症状がみられる場合は、なにかの病気にかかっていると考えられます。

対処法は、大きく分けて「殺菌剤を使う」「株ごと抜き取る」の2つです。
ダリア全体がうっすらと白くなるうどんこ病やカビは、殺菌剤で消毒すれば繁殖を防げます。
ですが、ウィルスが原因の場合は対処法がなく、他が感染してしまうため、被ごと抜き取って処分します。

予防するには、水のやりすぎに注意して風通りをよくすることが効果的です。もし葉が多すぎて風通しが悪いようであれば、すこし減らすようにしましょう。

「葉に穴?」ダリアの害虫対策

  • 葉や花に穴が開いている、茎が傷んでいる
  • 小さなフンがある

このような症状がある場合は、姿が見えなくても害虫がいる可能性が高いでしょう。

ダリアにつきやすい害虫は、ハダニ、ネキリムシ、エカキムシなどです。それほど範囲が広くない場合は、見つけ次第こまめに捕殺(ほさつ)することで被害を食い止められます。
また、各害虫に対応している薬剤も売っているので、それを使うのもいいでしょう。

予防するには、植え付けのときに浸透性殺虫剤をまくことが効果的です。また、ハダニの場合はときどき葉に水をかけることで防げます。

育てたダリアの仕立て方!滴芯作業で花数を増やそう

育てたダリアの仕立て方!滴芯作業で花数を増やそう

ダリアはそのままにしておくと、栄養が分散されて肝心の花があまり咲かなくなったり、草丈が伸びすぎて倒れてしまったりします。それを防ぐために植物を切ることを「仕立て(したて)」といいます。
仕立てをすると、日当たりや風通しがよくなり、病害虫の予防にもなります。大切なお手入れとして習慣にしましょう。
ダリアの場合は、「超大輪・大輪咲き向け」と「中・小輪向け」でおすすめの仕立て方がことなります。

超大輪・大輪咲き向けの仕立て方

大輪系には「天花仕立て(一本仕立て)」がおすすめです。太くがっちりとした茎が育ち、ダリアの大きな花がより映えます。

  1. まず1本の茎(主茎)を伸ばし、一番花を咲かせる
  2. 全体が5~6節まで伸びたら、下2節のわき芽だけを残してあとはすべて取る
  3. 一番花が咲き終わったら、花の下で切り落とす
  4. 残したわき芽に二番花を咲かせる。一番花と同じように、下2節のわき芽を残してあとは取る

中・小輪向けの仕立て方

中・小輪系の場合は、「摘芯(てきしん)仕立て」でたくさんのわき芽から花を咲かせる方法がおすすめです。
摘芯は、花の数を増やすために行う作業です。主茎の芽の先端を摘み取ることで全体の高さが押さえられ、わき芽が伸びて花がたくさん咲くようになります。

  1. 全体が2~3節伸びたところで主茎の芽を切る
  2. わき芽4本を生長させて、それぞれ一番花にする
  3. 花の下2節までのわき芽を残し、あとはすべて取る。伸びたわき芽はすべて伸ばす。

どちらの場合も、切ったらアルミホイルなどをかぶせておきましょう。ダリアは茎の中が空洞なので、雨水などが入り込んで病気になってしまうことがあります。

育て方に失敗しても諦めない!「切り戻し」で秋花に期待

育て方に失敗しても諦めない!「切り戻し」で秋花に期待

暑さや病害虫でダリアが初夏にうまく咲かなかったということもありますよね。その場合にもあきらめないで。違う季節に花を咲かせたり、翌年に花を楽しむためにできることがいくつかあります。

秋花を咲かせる「切り戻し」

秋に咲くよう「切り戻し(きりもどし)」という作業をして、新しい芽が出るようにしましょう。

  1. 地上部に1つ以上の節を残し、地ぎわから30~40㎝のところで主茎を切り落とす(残した節に葉やわき芽、枝分かれした茎がついていても一緒に切り落とす)
  2. 主茎から伸びてきたわき芽はすべて取る
  3. 地中または地ぎわから伸びてきた芽だけを育てる

来年への準備「掘り上げ」と「冬越し」

球根の「掘り上げ(ほりあげ)」と「冬越し(ふゆこし)」は、来年もダリアを楽しむための準備です。晴れた日の午前中におこないましょう。

【掘り上げ】

せっかく秋に土の中で育った球根も、地中で凍結すると腐ってしまいます。なので、霜が降りる前に球根を地中から出しておく「掘り上げ」という作業をします。
ちなみに、霜が降りない暖かい地域ではやらなくて大丈夫です。鉢植えの場合も必要ありませんが、鉢を屋内に移動させておきましょう。

  1. 支柱を抜く。茎は、球根がついているところから5㎝上のところを切る
  2. 株の周囲にスコップを挿し込み、球根本体を傷つけないように細い根を切断する
  3. 茎に手を添えながらゆっくり持ち上げる。茎と球根の胴体の間は折れやすいので注意する

【冬越し】

冬越しは、掘り上げた球根を貯蔵しておくことです。翌年桜が咲くころに植えるまでのあいだ保管しておきます。

  1. 球根が傷つかないように気をつけながら、掘り上げた軽く水洗いする
  2. 日陰に1週間ほど置いて乾かす。触るとしっとり湿り気を感じるような生渇きの状態が目安
  3. 箱に入れて保管する
  4. 霜があたらない、温度が5~7℃の所で保管する

箱に入れる際は、湿気が多い地域なら、土をまぜたもみがらやピートモスをつめ、球根をそっと入れる方法が最適。乾燥している地域なら土をまぜた湿らせたバーミキュライトで球根をくるみ、ビニール袋に入れましょう。そのビニール袋をさらに段ボール箱に入れればさらに安心です。

まとめ

ダリアの育て方には、「種から」「球根から」「鉢植えから」という3つのスタートがあります。
球根植物のダリアは、球根から育てるか、もしくはすでに発芽している鉢植えのものを選ぶと成功しやすいでしょう。あまり日ごろ園芸に親しんでいない人には、この2つの方法がおすすめです。

一度にさまざまな作業について読むとすこし難しく感じるかもしれませんが、ダリアに必要なことはいたってシンプルです。「日当たりがいいこと・水をやりすぎないこと・風通しがいいこと」この3つだけです。
支柱や仕立てですごしやすい環境が整えば、丈夫なダリアはすくすく育ち、あざやかな花を咲かせてくれるでしょう。ぜひ自分の手でダリアを咲かせる楽しさを経験してくださいね。