アレンジメントやプレゼントのために花を選んでいるとき、「もっと花の色がたくさんあれば」「これと同じ色でもう一回り大きかったら」と思うことはありませんか？
そういった悩みのある人にぜひおすすめしたいのが「ダリア」です。
ダリアは、とにかく品種が豊富です。小ぶりの花なら可愛らしいブーケが、大輪なら結婚式の演出にもぴったりの華麗なアレンジメントが作れます。ダリアだけでアレンジメントを作っても、希望する色や形はほとんど揃うのではないでしょうか。
この記事では、最初にダリアを「花の大きさ」や「咲き方」ごとにおおまかに解説し、次にシチュエーションに合ったアレンジメントや贈り方を紹介します。
「フラワーギフトでダリアをプレゼントしたい！」という人が迷わずイメージ通りのダリアのアレンジメントを贈れるように情報をまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
ダリアのお花は数百種類？アレンジメントに合わせて品種を選ぼう
ダリアは世界中で愛されている花の1つで、お祝いやプロポーズなどのプレゼントでもとても喜ばれます。
品種改良も盛んに行われ、これまでに作られた品種は3万種とも言われています。毎年のように新しい品種が登場し、人気が衰えることはありません。
花の色、サイズ、咲き方など、それぞれ数え切れないほどバリエーションがあります。
そのため、アレンジメントを作ったり贈ったりするときは、先に「こんな色を使いたい」「華麗にしたい・モダンにしたい」「このシチュエーションでプレゼントしたい」とある程度イメージしてから花を選ぶと、ぴったりのイメージにできるでしょう。
それでは、まずはダリアの大きさと咲き方についてみていきましょう。おおまかな外見のイメージをつかみ、アレンジメントに活かしていってください。
ダリアの花の大きさ（サイズ）
ダリアは、花の直径で約7種類以上にサイズ分けされています。
- 超巨大輪 約30㎝以上
- 巨大輪 約28㎝以上
- 大輪 約24cm以上
- 中大輪 約21cm前後
- 中輪 約17cm前後
- 中小輪 約13cm前後
- 小輪 約10cm前後
流通している品種は上の大きさが多いですが、紹介した以外にも豊富な種類があります。
たとえば、超巨大輪という最大サイズは直径30㎝を超えますが、小さな品種では3㎝以下のものも。
ダリアの「咲き方」を10種紹介
ダリアは、咲き方にもたくさんのバリエーションがあります。ここでは、アレンジメントでも人気の10種を紹介します。
（1）デコラティブ咲き（デコラ咲き）
八重咲きです。幅の広い花びらが幾重にも重なり、豪華で優雅な印象を与えます。
（2）ボール咲き
名前のとおり、花全体がまるでボールのように丸い球体になって咲きます。直径5cm以上のものを指します。
（3）ポンポン咲き
ボール咲きと同じ球形で、直径5cm以下はポンポン咲きと呼ばれています。
（4）カクタス咲き
細長く先の尖った花びらが外側に反り返っています。人気があり、たくさんの品種があります。
（5）シングル咲き
一重咲きを指します。8個の花びらからなっているのが一般的です。
（6）睡蓮咲き
睡蓮に似て、幅広で丸みを帯びた花びらが重なり合って広がります。
（7）アネモネ咲き
くるりと巻いた筒状の花びらが、アネモネのように花の中心で盛り上がって咲きます。一重が一般的ですが、二重や三重咲きもあります。
（8）オーキッド咲き
ヒトデに似た個性的な咲き方をしています。先の尖った花びらが、1つ1つ内側に向かってくるりと巻いています。
（9）コラレット咲き
大きな一重咲きの内側に、一回り小さな花びらが重なって咲きます。まるで花びらが襟巻をしているような姿から「婦人用の襟巻」という名前がつきました。
（10）ピオニー咲き
芍薬のように、大きく波打った花びらが幾重にも重なっています。花びらの真ん中に芯が通っています。
日本で流通しているダリアの花
ダリアの生育に適している温度は10〜25℃なので、日本では6月下旬～11月まで長く花を楽しめます。一年中流通していますが、秋には特に花の色が濃くなってあざやかに咲き誇り、日持ちするようになります。
ここでは、日本に流通している代表的な品種を3種紹介します。特徴に加え、おすすめのアレンジメントも一緒に紹介していきます。
一輪でも絵になる大輪の「純愛の君」「プリストストライプ」
華麗であざやかに咲く中大輪以上の品種は、1本だけでも、または潔くダリアだけに絞ったアレンジメントでも絵になります。
「純愛の君」は、くっきりとした真っ赤な花の色が印象的な、デコラティブ咲きの中大輪です。多くの人がイメージする、王道のダリアかもしれませんね。
巨大輪の「プリストストライプ」は、白地の花に、紫がストライプのように入っています。花の直径が28㎝以上というサイズといい、華麗で圧倒的な存在感のある品種です。特に切り花として人気があります。
ダリアを数本生けるときは、花を前後左右さまざまな向きにすると、動きのあるアレンジメントになるでしょう。たくさん生ける場合は、後ろ向きの花もあると立体感が生まれやすくなります。
また、口の狭い花瓶や器に生けると、ダリアが思いどおりの方向になりやすいのでおすすめです。
モダンで上品なアレンジメントには「黒蝶」
「黒蝶」は、ダリアブームの火付け役として有名な品種です。黒味がかった赤色で、幾重にも重なった花びらが外側に反り返っているのが特徴です。セミカクタス咲きの中大輪で日持ちするため、コサージュとしても人気があります。
ベルベットのように滑らかな黒蝶は、上品で落ち着いた美しさのある品種なので、モダンでシックなアレンジメントにしたいときにぴったりです。ダリアは明るい色が多いので、黒蝶の独特の存在感はアレンジメントにとても重宝します。黒蝶を加えることで一気に大人っぽくなり、引き締まるでしょう。
おしゃれなオレンジ色の「ラッテ」「ショコラオランジェ」
ずいぶん美味しそうでおしゃれな名前のこの2品種。いずれもまん丸のダリアです。オレンジですが、雰囲気やおすすめのアレンジメントはかなりことなります。
「ラッテ」は、オレンジとサーモンピンクが組み合わさったような明るい色です。
可愛らしくて元気な雰囲気なので、高さを変えながらオレンジ・ピンク・白などのボール咲きやポンポン咲きのダリアを挿し、グリーンと合わせたアレンジメントにするのがおすすめです。
「ショコラオランジェ」はブラウンがかったオレンジで、まるでアンティークのような雰囲気があります。秋色の花でまとめて、シックなアレンジメントにすると素敵です。小さめなので、他の花と合わせやすいところもおすすめです。
ウェディングや和装ブーケに！「かまくら」
「かまくら」は純度が高く高級感があるので、白のなかでも特に人気があります。大輪のデコラティブ咲きで豪華さと上品さを併せ持ち、ウェディングの場にもよく選ばれます。
また、花持ちにも優れるので、アレンジメントにも向いています。その場合は白一色ではなく、他の色を加えるようにしましょう。
ダリアは、和名を「天竺牡丹（てんじくぼたん）」と言います。初めて日本へ入ってきたとき、牡丹によく似ているからという理由でつけられました。なので、和装ブーケや着物の装いにもとても合うのです。
和装ブーケには、キクと合わせやすいボール咲き品種や睡蓮咲きがおすすめです。
「祝舟（いわいぶね）」のような紅白の複色品種は、白無垢に華やかさと凛とした気品を与えてくれます。
知っておきたいダリアの花言葉
ダリアに共通した花言葉は、「華麗」「優雅」「気品」「優美」などです。華やかで大きな存在感のある花の姿にぴったりですね。また、魅力的な大人の女性をイメージさせる花言葉が多いので、特に女性への贈り物として人気があります。
ダリアはその豊富な花の色にちなんで、それぞれことなった花言葉が与えられています。花言葉と、プレゼントに好まれるシチュエーションを併せて紹介します。
（1）赤「華麗」「栄華」
あざやかなダリアの中でもひときわ目を引く赤は、就職祝いや出産祝いといった、人生における大きなお祝いごとにプレゼントすることが多い色です。
（2）白「感謝」「豊かな愛情」
相手からいただいた愛情や導き、お世話になったことに対する感謝を伝えたいときに贈るのがおすすめです。両親や祖父母の誕生日プレゼント、上司・先輩の退職祝いとして人気があります。
（3）黄色「栄華」「優美」
ビジネスシーンでの成功を連想させる黄色いダリアは、「昇進」や「事業の成功」をお祝いする際がおすすめです。それらがうまくいく幸運を願ってのプレゼントとしても素敵ですね。
ちなみに、ピンクやオレンジは人気の色ですが、固有の花言葉は存在していません。この2色に花言葉を添えたいときは、ダリア全体の言葉を伝えるのがいいでしょう。
また、青のダリアには「不可能」という珍しい花言葉が付けられています。これは、千葉大学の研究グループが品種改良で作り出すまで、青色のダリアを生み出すことは不可能だと考えられていたことに由来するようです。
「プロポーズ」にはダリアで作る花束を
ダリアはプロポーズにもおすすめの花です。ぜひ、赤の大輪12本のブーケを贈ってみませんか？
「12」という数字は、結婚に関する12の誓いを意味しています。
感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠という誓いが込められているので、結婚式や披露宴の演出にもよく用いられます。
12本の花でプロポーズする習慣はヨーロッパで始まり、その際には「ダーズンローズ」という赤いバラが用いられてきたようです。ですが、赤いバラ以外でももちろん大丈夫なのです。「華麗」を意味する赤のダリアでプロポーズするのも素敵ですよね。
「少しことなる演出でプロポーズしたい」という人は、ぜひダリアで作った花束でプロポーズしてみてはいかがでしょうか。
「プレゼントに添える花」ならミニブーケのダリアを
小輪種が豊富なダリアは、ミニブーケにも向いています。プレゼントを主役にして、それに添えてみてはいかがでしょうか。ボール咲きやポンポン咲きの丸いダリアを束ねると、簡単にミニブーケが作れます。赤やピンクを中心にすれば愛らしく、「ポンポンショコラ」のようなダークレッドを加えればシックでモダンな雰囲気に仕上げることもできます。
また、あでやかで特徴的な形の多いダリアは、花を1輪ラッピングしただけでも華やさがあります。それをプレゼントに添えて渡すのもおすすめです。花言葉に合わせて選ぶのもいいですし、相手の好きな色を選んでも喜んでもらえるでしょう。
大輪のダリアは「ヘッドドレス」にもぴったり
花嫁の髪飾り、ヘッドドレス。ウェディングブーケとお揃いにして作った生花の髪飾りは、まさに花嫁だけに許された素敵なアクセサリーですよね。
ダリアはどの品種も色あざやかで気品があるため、結婚式にとても向いています。結婚式でヘッドドレスにするなら、やはり華やかで優雅な大輪がおすすめです。
また、大輪のダリアは、ウェディングドレスだけではなく白無垢にもよく似合います。和装派の人も、安心してダリアのヘッドドレスで髪を飾ってくださいね。
それ以外に、成人式の振袖に合わせても凛とした装いになり、とてもおすすめです。
「お祝い花」にはダリアの花を使ったアレンジメント
華やかで品のあるダリアは、お祝いの花としてとても喜ばれます。胡蝶蘭だと少し大袈裟に感じるときは、ダリアの花を中心にしたアレンジメントを贈ってみませんか？
「ダリアはたくさん花の色があって迷ってしまう」という人は、お祝いのテーマに合わせて選ぶのもおすすめです。
- 就職祝い、出産祝い → 赤「華麗」「栄華」
- 退職祝い、両親・祖父母の誕生日、敬老の日 → 白「感謝」「豊かな愛情」
- 昇進、事業の成功 → 黄色「栄華」「優美」
おじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼントならダリアの花を鉢植えで
植物を育てるのが好きなおじいちゃん・おばあちゃんには、ダリアの鉢をプレゼントするのもおすすめです。ダリアは比較的丈夫なのであまり栽培が難しくなく、初心者でも育てやすい花です。開花時期が長く、ファンが多いダリアはとても喜ばれるでしょう。和の花とのアレンジメントにも向いているので、それらを中心に栽培している花壇や鉢植えにもすんなりとけ込みます。
最近では、室内向けで丈夫なミニサイズもたくさん出ているので、ダリアを初めて育てる人でも花を咲かせやすいでしょう。
キクと相性がよく、花の色が豊富なポンポン咲きの「サックル」「初夢」や、少し変わった形をしていて、ベランダや室内でも楽しめる「ダリア・ハーレクイン」などがおすすめです。
ダリアは9月の誕生花！9月生まれの人へのプレゼントとしても◎
「誕生花」は、各月にちなんだ花のことです。由来についてはさまざまな説がありますが、一般的にはその月に咲き誇る花が選ばれることが多いようです。
また、日ごとにも決められていて、ダリアは9月10日と9月23日の誕生花でもあります。
ダリアの花言葉は「華麗」や「優美」など、魅力的な大人の女性をイメージさせるものが多いので、女性への誕生日プレゼントとして人気があります。花束だけをプレゼントするのはちょっと勇気がいるという人は、ぜひプレゼントに小さなブーケを添えてみてはいかがでしょうか。
ダリアの花を贈る時の注意は？
大小さまざまなサイズの花、バリエーション豊かな花の色、そして華やかな姿にぴったりの花言葉を持つダリア。まさにプレゼントにぴったりの花ですが、贈るときには2点だけちょっと気をつけてほしいポイントがあります。
真っ白な花束には他の色をプラス
「かまくら」をはじめとして、ダリアには人気の白い花がたくさんあります。
ダリアにかぎったことではありませんが、白の花を贈るときは、必ず他の色やグリーンをプラスしたアレンジメントにしましょう。白だけで作られた花束だと、お葬式を連想させてしまうことも。
ダリアの花言葉を添えて誤解を避ける
ダリアの花言葉には、「華麗」「優雅」「感謝」「栄華」など、花の姿によく似合う華やかなものが並んでいます。その一方で、実は「裏切り」「移り気」といったネガティブな花言葉もあるのです。
せっかくのプレゼントなのに、ネガティブな意味のために贈っていると誤解されてしまっては元も子もありません。
そこで、どのようなポジティブな気持ちを伝えたくて贈ったのかが伝わるように、ひとことメッセージカードや手紙を添えてみるのがおすすめです。ふだんあまり直筆のメッセージを書かないという人は、花言葉だけでも十分に気持ちは伝わりますよ。
おしゃれなニュアンスカラーやモダンなダークカラー、変わった形の花びらなど、他の花ではあまり手に入らない定番以外のものも、ダリアならきっと揃っています。「贈りたい色や形はあるけど、さすがにムリかも…」という人にこそ、手に取ってみてほしい花です。
ダリアは、どの品種も華やかさと上品さがあるので、1輪でも絵になります。大輪ならゴージャスな存在感が、小輪なら可愛らしく元気な雰囲気が活きます。花束を主役にするのも素敵ですし、ミニブーケにして他のプレゼントに添えるのもおすすめです。
魅力的な気品で、その場を華やいだものにしてくれるダリア。お祝いや大きなイベントが控えている人は、ぜひダリアを贈られてはいかがでしょうか。