「ダリア」と聞くと、大きな花を咲かせてあざやかに咲き誇る姿がぱっと浮かぶ人は多いかもしれません。昔からとても人気がある花で、これまでに3万品種が作られたとも言われています。
青以外のほとんどの色が揃うカラーバリエーション、花のサイズや形の豊富さなど、ダリアに魅せられ続けている大ファンが多いのもうなずけます。
本記事では、ダリアの「花言葉」についてくわしく解説していきます。色とりどりで華やかな姿にふさわしい花言葉がありそうですが、どうもそれだけではないようです。
また、色によってことなる花言葉や、贈るのにぴったりのシチュエーションをそれぞれ紹介します。花言葉にまつわる有名なエピソードやどの月の誕生花かなど、ダリアについて広く深く知ってみませんか?
花言葉からひも解く!ダリアの歴史
メキシコの国花でもある「ダリア」。
とても品種が多く、花の大きさや形などどれを取ってもバリエーション豊かです。また、花の色も、赤や白、黄色にピンクなど明るい色中心に豊富で、花壇や花束の主役になれるあざやかさがあります。
開花時期が長く、日本では秋を中心に6~11月まで楽しめます。育てるのもあまり難しくないため、初心者にもおすすめです。
その華やかさや美しさで世界中から愛されるダリアは、いったいどのような花言葉を与えられているのでしょうか。
まずは、これまで世界中でどのように愛されてきたのか、その歴史を紹介します。
メキシコの国花ダリア
ダリアの原産地はメキシコで、国花として愛され続けています。
もともとはメキシコの高原地帯に自生していました。15世紀ごろ、アステカ帝国(現在のメキシコ)で神聖な花として栽培されるようになったようです。
ナポレオンの妻ジョセフィーヌとダリア
ダリアは華やかさと気品でたくさんの人を魅了してきましたが、なかでも特に有名なのは皇帝ナポレオンの妻ジョセフィーヌです。
ジョセフィーヌがとてもダリアを愛していたため、19世紀前半のヨーロッパでは「花の女王」と賞賛されるほどでした。
ダリアと日本の関わり
ダリアは、天保12年(1842年)にオランダ船によって日本にやってきました。牡丹の花に似ていることから「天竺牡丹(テンジクボタン)」と呼ばれるようになりました。現在でもダリアの和名として残っています。
明治の中ごろから盛んに栽培されるようになり、名前も「ダリア」になりました。今では、家庭やダリア園などさまざまな場所でたくさんの品種を楽しむことができます。
ダリア一般の花言葉は「優雅」や「気品」
花の色や品種と同じように、ダリアにはたくさんの花言葉があります。
ですが、ダリア全体に共通している花言葉は、「華麗」「優雅」「気品」「優美」などが一般的です。
あざやかで大きな存在感のあるダリアの花からイメージしやすい花言葉は、やはり華やかで品格を感じさせるものがぴったりですよね。
また、ナポレオンの妻ジョセフィーヌが愛していたことから、「栄華」「威厳」といった花言葉もあります。
ダリアには「裏切り」など怖い花言葉もある?
その華やかさや迫力にぴったりの花言葉を持っているダリアですが、一方では「ちょっと怖いかも」と感じさせる花言葉もあります。
それが「裏切り」「移り気」「不安定」です。
こういった、少し心がざわつくような怖さを感じる花言葉がついたことには由来があると言われています。ダリアにまつわる有名なエピソードをみていきましょう。
ダリアに怖い花言葉がついたのはなぜ?
「華麗」「気品」という、迫力ある魅力をよく表す花言葉を持つダリア。ですが、「裏切り」や「移り気」といった怖い花言葉もあるのは、ナポレオンの妻ジョセフィーヌのエピソードがきっかけだと言われています。
ジョセフィーヌはダリアを愛するあまり、自分の庭だけで一人占めし、どんなに球根を譲ってほしいと言われても断りました。
ある貴族の女性はそれに怒り、ジョセフィーヌの庭師をお金で丸め込んでダリアの球根を盗ませます。
その後、貴族の女性の庭にダリアが咲いたことを知ったジョセフィーヌは、庭師とその女性ふたりとも両方を追放してしまいます。そして、あれほど愛していたダリアにまったく興味を示さなくなったそうです。
このことから、女性と庭師の「裏切り」だけではなく、ジョセフィーヌを表した「移り気」という花言葉がついたと言われています。たくさんの人を虜にする華麗さがあるダリアだからこそのエピソードですね。
赤いダリアは「華麗」が花言葉
それでは、花の色ごとにダリアの花言葉を紹介していきます。
赤いダリアの花言葉は、「華麗」や「栄華」です。
「華麗」という言葉は、まさに赤のダリアのあでやかさや華やかさをよく表しています。たくさんある色のなかでも特に目をひく赤のダリアは、「栄える」「いいチャンスに恵まれる」という花言葉にぴったりです。
ぜひ、就職祝いや出産祝いなどの大きなお祝いごとに贈りましょう。
白いダリアは「感謝」が花言葉
白いダリアの花言葉は、「感謝」や「豊かな愛情」です。
赤の「華麗」や黄色の「優美」など、他の色は「外見の美しさや魅力」が花言葉になっています。それに対して、白いダリアの花言葉は「心を表している」というちがいがあります。
優しい透明感があり、とても柔らかい白いダリアにぴったりではないでしょうか。
贈るシーンとしては、やはり感謝を伝えたいときがおすすめです。身近な人にはなかなか「ありがとう」を素直に言えなくなりますが、さりげなく贈ってみませんか?
黄色いダリアは「栄華」「優美」が花言葉
黄金や太陽をイメージさせる黄色は、お祝いや縁起をかつぐ小物、そして幸運を祈るアイテムにとてもよく使われます。ダリアも例外ではなく、黄色の花色は「栄華」や「優美」を表しています。
そのため、黄色いダリアを贈るのにぴったりなのは、やはり「昇進」や「事業の成功」をお祝いするシーンです。「栄華」はもちろん、品格があることを表す「優美」な黄色のダリアを、成功のお祝いとして贈ってみるのもおすすめです。
素敵な花言葉を持つダリアは「9月」の誕生花
12の月をそれぞれ象徴する花として選ばれている「誕生花」。秋に咲き誇るダリアは、9月の誕生花として愛されてきました。
また、月だけではなく、日ごとにも誕生花は選ばれています。
ダリアは、9月10日と9月23日の誕生花です。10日は赤のダリア、23日は黄色のダリアと言われているものの、それほどはっきりした決まりはないようです。
切り花のダリアは、1輪でも数輪でもあでやかで優雅です。まわりの花までぐんと華やかにできる存在感があるので、誕生日に贈るのにぴったりでしょう。
また、ダリアは「花の女王」と称され、「華麗」や「優雅」という大人の女性をイメージさせる花言葉が多いので、特に女性への誕生日プレゼントとしてもおすすめです。
恋愛運アップ?ダリアと花風水
ダリアは花の色がとても豊富なので、インテリアに花を取り入れて運気アップをはかる「風水の開運アイテム」としても効果的だと言われています。
ダリアは、花の色と置く場所によって次のような効果があります。
- ピンク → 恋愛運、水回りや北や寝室
- オレンジ → 結婚運、寝室または東南
ポイントは、未婚でこれから結婚したい人は「切り花」、既婚で家庭をうまくいかせたい人は「鉢植え」と、それぞれの状況によってことなることです。
鉢植えは「しっかり根づく」という意味があるので、未婚の場合は独身のまま今の家にいる状態が続いてしまいます。一方、既婚の場合は家庭運のアップにつながると考えられています。
ダリアは、風通しや日当たりのいい場所が好きな花です。もしも水回りに置くときは、その点に気をつけながら置いてみてください。
花言葉を添えて!ダリアをプレゼントするおすすめのシーン
ダリアは、カラフルで形も立体的なので、小さなブーケでも十分に華やかになります。大輪の花を選べば、ゴージャスで特別感のあるアレンジになるでしょう。女性が好む花としてつねにランキング上位にあり、プレゼントに向いています。
今回はおすすめの贈り方として、「花束」と「鉢植え」の2つを紹介します。
お祝いやプロポーズに花束を
「感謝」「栄華」という花言葉を持つダリアは、出産・就職祝いや昇進など、人生におけるとても大きなお祝いごとに特にぴったりです。
プロポーズでダリアを贈る場合は、大輪のダリア12本の花束がおすすめです。この本数には、結婚に関する12の誓いが込められています。そのため、ダリアだけに絞ったほうがより真意が伝わるでしょう。
退職祝いの場合は、これまでの感謝を込めて「感謝」という花言葉の白を中心に、他の花や色をプラスすると、あざやかさと清楚さどちらも表現できます。
栽培好きな人には鉢植えを
ダリアは、花を育てる趣味がある人へのプレゼントにも向いています。ダリアはそれほど栽培が難しくなく、それでいて花壇をぱっと明るくしてくれます。鉢植えは長く根づくため、相手が好きな色を贈るとより喜ばれるでしょう。
ダリアをプレゼントするときの注意点
1輪でも花束でも華やかで迫力があり、とてもファンが多いダリア。色や大きさのバリエーションが豊富なのでプレゼント向きですが、1つだけ注意点があります。
ダリアには「華麗」や「感謝」という明るい花言葉がある反面、「裏切り」や「移り気」という、少し気になるものもあります。
ふだんは花言葉にそれほど関心がなくても、プレゼントされたときには調べてみる人は意外と多いものです。花言葉にくわしい人はなおさらです。
そのため、プレゼントするときには「ダリアのポジティブな花言葉を伝えたくて贈った」ということがわかるメッセージカード・手紙を添えると誤解されることがなく、互いにハッピーな気持ちになれるのでおすすめです。
ダリアの購入は近所のフラワーショップで?それとも通販サイト?
ダリアを贈るための方法は、大きく分けて2つあります。街中にあるお花屋さんか、もしくはフラワーショップの通販サイトを利用することです。
街中のお花屋さんで、店員さんに相談しながら選ぶととても安心できますよね。ただ、珍しい品種はあまり置いていないことと、直接渡せる距離にいる人にしか贈れないというデメリットがあります。
フラワーショップの通販サイトは、ほとんどが24時間365日利用できるので、仕事の合間や休日などの好きな時間に花をチェックしておけます。品数が多く、遠くに住む大切な人にもプレゼントできることも、通販サイトの魅力でしょう。
花も贈り先も自由に選びたいという人には、通販サイトがおすすめです。
初夏から晩秋までと開花時期が長く、秋には花壇の主役として咲き誇るダリア。その姿によく似合う「華麗」や「優雅」といった華やかな花言葉がある一方、「裏切り」「移り気」という少し怖い言葉も与えられています。ですが、ダリアがあまりにも美しいからこそのエピソードとも言えますよね。
ダリアは、赤・白・黄色でそれぞれ異なる花言葉を持っています。ポジティブな気持ちから贈ったと伝わるように、ひとこと添えることがおすすめです。
誕生日や出産祝い、それにプロポーズなど「人生の大切な日」にぴったりのダリアを、ぜひいつまでも輝く思い出のために贈ってみませんか?