「SDGs(持続可能な開発目標)」などが有名になるにつれて、これまであまり知られていt無かった問題にスポットライトが当たるようになってきています。
例えば、食品業界の「フードロス」。形のふぞろいな野菜などが、おいしく食べられるにも関わらず廃棄されてしまっていました。
実は花き業界にも、まったく同じ「フラワーロス」という問題が起きています。
フラワーロスは、生花が消費者の目に触れることなく大量廃棄されてしまうこと。生花のうち、なんと約3割は売り先が見つからないまま廃棄されてしまうと言われているんです。
そんなフラワーロス問題を改善するのが、ふぞろい品などを安く売りに出す「アウトレット」の取り組み。
本記事では、生花が消費者の目に止まらないまま廃棄されてしまう原因と、フラワーロス支援のためのアウトレットの取り組みについて解説します。
生花のフラワーロスとは?主な原因2点とアウトレット化の活路
生花が、消費者の前に並ぶことがないまま廃棄されてしまう「フラワーロス」問題。花農家で育てられた生花のうち、約3割は小売店などで販売されずに廃棄されると言われています。
そこで初めに、なぜ生花が売られないまま廃棄されてしまうのか、主な原因2点についてまずは解説します。
新鮮な生花でも「規格外」だと買われない
生花は、花農家から出荷された後、仲卸業者が定めている規格・品質・サイズなどに適しているかどうか厳しくチェックされます。
そのとき「規格外」とされた生花は、卸売市場では売られません。花農家がもしもそれ以外の販路を持っていない場合は、しかたなく廃棄することになります。
卸売業者の検品基準はかなり厳しく、茎の場合は、少しでも短かい・太すぎる・曲がっているものは規格外です。花弁は、単色のお花にわずかでも他の色が混じっていると、いくら新鮮でも規格外になります。
確かに、お花屋さんに並んだときに均一の美しさが保たれているのは、こういった検品基準が高いからこそ。
ですが、近年は消費者が気にしないレベルまで、必要以上に基準が厳しくなってしまっているとの意見もあります。フラワーロス問題の根底にはそういった「規格」をめぐる原因があるのです。
フラワーショップやイベント会場での生花の廃棄
無事に仲卸業者の検品を通り、町のお花屋さんを始めとするさまざまな小売店に並んでも、そこで消費者に購入されずに売れ残り、廃棄される生花もたくさんあります。
そもそも、生花を購入する人が年々減っていることもフラワーロスの原因の1つ。
また、2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止されたことも花き業界には大きな打撃でした。
花農家にはウェディング会場を顧客にしているところが多くありますが、コロナ禍に結婚式が大幅にキャンセルされたために生花を使うあてがなくなってしまい、廃棄するしかないのが現状です。
生花のフラワーロスを「アウトレット」が解決する?
新鮮にもかかわらず「規格外」とされる、あるいはコロナ禍によりイベント会場の需要がなくなってしまった生花を廃棄するフラワーロス。ですが、もちろん解決策として取り組まれていることはあり、次第に広がってきています。
ここでは、フラワーロスの解決策として主なもの2点について解説します。
生花をアウトレットとして販売
仲卸業者の検品基準では「規格外」となったものでも、新鮮な生花は十分売り物になりますし、とても人気があります。
例えば、お菓子や野菜にはフードロス支援として「ふぞろいクッキー」「訳あり野菜詰め合わせ」などがあるように、お花にも同じ対策が取り入れられています。クッキーが多少欠けていたり、野菜のサイズに少しばらつきがあっても、味にまったく問題がなければ消費者は気にしません。
オンラインショップや町のお花屋さんのなかには、アウトレットだときちんと記したうえで大幅に値下げして売っているお店が増えています。
以前は、仲卸業者を通した後に小売店で販売するケースが一般的でしたが、近年はインターネットのおかげで生産者と消費者が直接やりとりすることも可能です。そのため、アウトレットの生花もずっと販売しやすくなりました。
生花の廃棄を減らしたい!「スマイルフラワープロジェクト」とは
次に、実際に行われているアウトレットの取り組みをご紹介しましょう。
例えば「スマイルフラワープロジェクト」は、フラワーロス支援のために発足されたプロジェクト。1輪でも多くのお花を救い、花農家を支援するために活動しています。
プロジェクトの一環として、廃棄されてしまう予定の生花を花農家から買い取り、アウトレットとして通販で取り扱っています。これまで累計700万本の生花を救い、消費者のもとへ届けています。
スマイルフラワープロジェクトは、フラワーロスの支援だけではなく、生花のある暮らしのよさを知ってもらい、人々がより心豊かに暮らすことも目指しています。
アウトレットの生花も、通常価格ではまず手に入らないリーズナブルな値段で通販しているので、ぜひ覗いてみて下さい。
生花のアウトレットで人気!花持ちのいいガーベラ
最後に、アウトレットで選びたいおすすめのお花「ガーベラ」についてご紹介しましょう。
花持ちのいいガーベラは、フラワーロスのアウトレットでもとても人気があります。涼しいところに置き、水を毎日換えれば、寒い季節の場合は2~3週間もちます。年に2回開花するため、通年流通している点も魅力です。
ガーベラは花色によって花言葉が異なりますが、どれもすべてポジティブなので、贈るときに気になる人にもおすすめです。
アウトレットの花束は花色や品種がミックスになっていて、お店にお任せであることが多いため、どの花言葉も明るいことはありがたいですよね。「希望」「感謝」「前進」など、ガーベラの花姿(かし)にぴったりの明るい言葉に溢れています。
まとめ
生花が新鮮なうちに、消費者の前に並ぶことなく大量廃棄されてしまうフラワーロスですが、一方で解決のための取り組みも始まっています。その1つが、生花をアウトレットとして販売することです。
家の中にアウトレットの生花を飾ってみると、フラワーロスの改善をサポートしながら、部屋の雰囲気を華やかに彩ることができるはず。
特に、ガーベラは花持ちもよいので、初めて生花を飾ったり贈ったりする人にもぴったりです。1輪でも存在感があり、値段もリーズナブルなので、どのお花にしようか迷ったらぜひガーベラを選んでみて下さいね。