「幸福の木」という名前はとても印象的で、縁起が良い響きの植物です。
幸福の木はドラセナという観葉植物の別名で、ホームセンターや園芸店、通販サイトなどで購入できる身近な植物です。
ドラセナは品種によって背丈が高い株もあり、部屋のインテリアとして非常によいアクセントになります。育て方も、それほど難しくはありません。
葉の色や形、枝の曲がり具合などで個性が出る植物のため、部屋の雰囲気に合う世界にひとつだけの幸福の木を見つけたいですね。
今回は幸福の木(ドラセナ)の育て方について解説します。
幸福の木に関する基本的な知識や、購入前の注意点などもお伝えします。
「幸福の木」の育て方を知る前に確認 ドラセナの基本情報
ドラセナとは別名「幸福の木」とも呼ばれる、胡蝶蘭と並ぶお祝いの席にも喜ばれる植物です。
幸福の木はキジカクシ科(またはリュウゼツラン科)の観葉植物です。葉に黄色いラインが入る「ドラセナ・フレグランス・マッサンゲアナ」が最もポピュラーな品種で、単に「幸福の木」といった場合、この「ドラセナ・フレグランス・マッサンゲアナ」を指していることが大半です。
大きく成長すると数メートルにもなり、また枝分けなどで株を増やすことができます。
熱帯アフリカ原産のため寒さには弱く、日当たりの良い場所を好みます。
育て方の簡単なドラセナが「幸福の木」と呼ばれる理由
ドラセナの基本情報が分かったところで、次はドラセナの特徴をお伝えします。別名の「幸福の木」と呼ばれる理由も調べてみました。
特徴
ドラセナの見た目は品種により幅広いですが、どの品種も葉の形と色合いの美しさが特徴的です。
葉の色や形が豊富なドラセナは、先が尖った葉や、丸みを帯びた葉など品種によって形や大きさ、幹の太さなどもさまざまです。幹が柔らかくアレンジしやすいことから、個性的な樹形をした観葉植物として人気があります。
また品種により大きさもさまざまです。卓上スペースに置ける30cm程度のコンパクトなものもあれば、室内栽培も可能な1m弱のものもあり、地植えだと20mまで大きく育つものもあります。
なぜ幸福の木と呼ばれるの?
ドラセナの別名が「幸福の木」なのは有名ですが、その理由には所説があります。
たとえばハワイでは家の玄関先にドラセナを置くと良いことがあると言い伝えられ、「幸福の木」という名前がついたという説があります。
幸福の木に最適な栽培環境と育て方
熱帯アフリカ原産のドラセナが日本でも育つのか少し不安ですよね。ドラセナの生育にはどのような環境が適しているのかお伝えします。
日当たり
植物にとって日当たりはとても重要です。とくにドラセナは耐陰性が弱いため、なるべく屋外の日当たりの良い場所に置きましょう。
室内でも日光の当たる場所や日よけの下など、弱めの遮光を施した風通しの良い場所がおすすめです。
一方で、直射日光に当てすぎると葉が焼けて変色することがあるため、夏場はレースのカーテン越しに室内から日をあてるなど工夫してください。
温度
熱帯アフリカ原産のドラセナは暑さには強い一方で、寒さには弱い性質があります。冬場はドラセナが枯れる可能性があるため、10度程度になったときには暖かい室内に移動させて育てましょう。
ただ、乾燥には弱いので、エアコンの風などが直接当たり続けると枯れることがあります。置く場所には注意しましょう。
用土
ドラセナは水はけの良い土を好むため、市販の観葉植物用の土が適しています。自分でブレンドすることも可能ですが、その場合は小粒の赤玉土をベースに、腐葉土や堆肥、通気性を良くするパーライトや水はけを良くするピートモスを加えて調節してください。
どうやって育てる?幸福の木の育て方をステップごとに解説!
ドラセナの栽培環境が分かったところで、より具体的な育て方をお伝えします。どんな株を選ぶといいか、育てるときの注意点など事前に知っておくと安心ですよね。
幸福の木の育て方① 幸福の木の選び方
ドラセナには100種類以上もの品種がありますし、同じ品種でも葉の形や色、茎の曲がり具合などが違うので、ホームセンターなどで実物を目でみて気に入った株を選びましょう。また葉の表裏をよく見て、病害虫が発生していないものを選びましょう。
幸福の木の育て方② 植え付け
ドラセナの植え付けはドラセナが大きく生長する春から秋の生育期に行いましょう。ただし、7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けてください。植え替えは植物にとって一時的に負担をかけるので、お疲れ様の意味も込めて、植え替え後は肥料をたっぷりあげましょう。
幸福の木の育て方③ 水やり
春から秋にかけては生育期にあたるため、土の表面が乾いてきたらたっぷり水をあげましょう。水の量の目安は鉢底から水が流れ出るくらいで、受け皿に水が溜まったら捨ててください。受け皿に水を溜めたままだと根腐れを起こすことがあるため、注意が必要です。
一方、冬の寒い時期は休眠期に入ります。生長が止まるので、乾燥気味に育てるのがポイントです。土が乾いたことを確認してから2〜3日後に水やりをするくらいで十分です。
また、葉水と呼ばれる霧吹きを使って葉に水を与えることで、病害虫の発生を予防することができます。葉水をする時は葉裏にもしっかりと水をかけましょう。
幸福の木の育て方④ 剪定
ドラセナは上に向かって生長する植物です。無造作に伸びてしまうので、定期的に剪定しましょう。剪定することでバランスが整い、部屋のインテリアとして見た目が良くなるほかに、枝が込み合っている部分を取りのぞくと通気性を良くすることができ、病害虫予防にもなります。
幸福の木の育て方のポイント① 肥料のあげかた
ドラセナは肥料がなくても生長しますが、より元気に育てる場合は5月〜10月の生育期に生長を促すために肥料を与えます。
肥料は固形や液体のものがありますが、初めて育てる場合は液体肥料をおすすめします。速効性に優れていて使いやすく、10日~2週間に1回の頻度で与えましょう。
固形の置き肥を使う場合は2ヶ月に1回程度、根や幹を傷めないよう生え際から少し離れた場所に置いて使いましょう。
幸福の木の育て方のポイント② 病害虫への対策方法
ドラセナは比較的丈夫な観葉植物ですが、春から秋にかけては害虫が発生しやすくなります。ハダニ・アブラムシ・カイガラムシなどがその例です。
日光浴のため屋外に出すことで虫が付きやすくなるので、日頃から葉の裏などよく観察することが大切です。虫を見つけ次第すぐに駆除することで葉を守れるため、こまめにチェックするようにしましょう。
幸福の木の育て方のポイント③ 夏越しと冬越し
ドラセナは暑さに強く、寒さに弱いので、季節によって場所を移動させましょう。
夏場は水切れと葉焼けには注意し、風通しと日当たりの良い場所で管理しましょう。一方で冬場は寒さに弱いため、肌寒く感じる季節になったら暖かい室内に移動させましょう。
鉢替えは必要?幸福の木が根詰まりを起こした時の育て方
生育が早いドラセナは2年に1度、植え替える必要があります。鉢の底穴から根が飛び出す、土の表面に根が浮き出る、水が土に染み込まない、などの状況があれば、根詰まりしている可能性があります。早めに鉢替えをしましょう。
そのままにしておくと根だけでなく、植物全体が枯れるため、春から夏ごろに一回り大き目の鉢に植え替え、生長するスペースを確保してあげましょう。
幸福の木を増やしたい時はどうする?挿し木での育て方
生育が良いとどんどん大きくなってしまうので、剪定が必要になります。せっかくなら切り捨てるのではなく、挿し木で株を増やせるといいですよね。十分根が張ったら、ご近所の方にプレゼントとしてお譲りすることもできるため、ぜひ挑戦してみましょう。
挿し木は植え替えと同様、春から夏に行いましょう。やり方はとても簡単で新芽の付いた茎の先端部を20〜30cmの長さに切り、観葉植物用の土などにさすだけです。日陰で土を乾かさないように気を付けると1〜2か月で発根、発芽し、2〜3か月で根がしっかり出るので、鉢に植えつけましょう。
まとめ
このページでは、ドラセナの購入前の注意点や育てるポイントを説明しました。
水やりと日当たりがポイントになりますが、コツさえつかめば枯らさずに長く育てられます。
別名「幸福の木」とあるように縁起の良い名前で、お部屋にあるだけでなにか良いことが起こりそうな気がします。
初心者の方でも比較的育てやすい観葉植物のため、何か新しく始めたい人、部屋のアクセントになるグリーンを探している人にはとくにおすすめです。
ぜひ近所のホームセンターなどで探してみてください。