植物に興味を持ち始めた人がホームセンターなどでガジュマルを目にすることも多いでしょう。比較的、人気のガジュマルですが剪定方法などの知識はあまり知られていません。
独特なフォルムから室内で楽しむ観葉植物としても屋外で育てるのもいいでしょう。
ただ、植物を育てるのに慣れておらず、これまでに枯らしてしまった経験がある人はガジュマルであっても苦手意識を持ってしまっているかもしれません。
そんな人でも安心して育てられるように、ここではガジュマルの基本的な知識から、ガジュマルの剪定に関する注意点まで見ていきます。
ガジュマルってどんな植物?剪定の前に知っておきたいこと
ガジュマルは日本では沖縄に自生している植物です。正式な学名ではフィカス属になり、ゴムの木の仲間になります。なんといっても独特なのはその見た目で太い茎が人気の所以です。茎からは空中や地面に向けて気根を出し、ガジュマル内の水分量を調節できます。
ガジュマルの樹は日本でも自生していることもあり、比較的育てやすい植物です。水やりを忘れなければ枯れてしまうことも少ないので、ガーデニング初心者にも挑戦していただきたいおすすめの観葉植物です。
そもそも剪定とは?ガジュマルを剪定をしないとどうなるか
剪定という言葉を聞いたことがあっても具体的な内容を知らない人もいるかもしれません。剪定とはどういうものでしょうか。
剪定とは
剪定は植物の葉や枝をハサミなどで切って短くしていく行為を意味しています。ガーデニングをする中で必須となってくる作業です。
剪定する目的とメリット
置き場所に適したサイズに戻す意味合いや、見た目を整え直すといった目的があります。また、ガジュマルの場合には茎の部分を太くするために茎や葉を落としていく剪定を行います。
ガジュマルを剪定する2つの方法
ガジュマルの剪定には「切り戻し」と「丸坊主」の2つの方法があります。
「切り戻し」は、他の植物でも行われる一般的な剪定で、伸びた茎や葉を短くしていくものです。
「丸坊主」は、伸びている茎を全て切り落としてしまい、太い幹だけの姿にしてしまうことをさします。
ガジュマルは栄養が足りないと幹が細くなってしまいます。ですから、幹を大きくするために丸坊主を行うのです。これにより元気な姿に復活します。
ガジュマルの剪定に適したタイミングや時期
剪定が植物にとって大事なことがわかりましたが、剪定に適しているタイミングはいつになるでしょうか。
切り戻しの時期
バランスを整えるための切り戻しは気になった時に行いたいものですが、ガジュマルが生長する時期にあたる5月から7月であればいつでもOKです。
切り戻す枝の量が多いと回復に時間がかかりますので、その場合は早めに行ってください。
丸坊主の時期
丸坊主は枝を全て切ってしまうのでガジュマルにもダメージが残ります。回復する時間を十分に確保するため、5月に入り気温が安定してきたら遅れずに実施してください。
【要チェック】ガジュマル剪定に必要な道具や準備物リスト
ガジュマルの剪定を予定しているなら、以下のものを準備しましょう。
- 園芸用の手袋とハサミ(ハサミは消毒されたものを使用)
- のこぎり
- 癒合剤
剪定の方法は? ガジュマルの剪定(切り戻し)
では、実際の切り戻しの手順はどのようなものになるのでしょうか。
切り戻しの手順①:まずは完成形をイメージ
ハサミを入れていく前に理想の状態を具体的にイメージしましょう。残したい枝はこの時点で決めておきます。
切り戻しの手順②:高すぎる枝は先端を切り、枯れた枝は切り落とす
優先的に切り落とすものは枯れた枝になります。バランスが崩れてしまう高すぎる枝は先端を切って、形を整えていきましょう。
切り戻しの手順③:飛び出た枝や重なった枝を切って調整する
葉の全体に日光が当たるように飛び出ていたり、重なっている枝は切っていきましょう。
切り戻しの手順④:切り口に癒合剤を塗る
枝を切った後の切り口には必ず癒合剤を塗るようにしましょう。これは雑菌の侵入を防ぐ効果があるものになります。
剪定の方法は? ガジュマルの剪定(丸坊主)
力の無い見た目を一気に回復させるために行うのが「丸坊主」ですが、これは簡単で、太い幹の部分を残し、思い切って枝を全て根元から切り落としてしまうだけです。
2週間ほどで新芽が生え、やがて枝が伸びてきます。イメージと違う方向に伸びてきた枝は根元近くから切ります。枝の切り口には癒合剤の塗布を忘れないようにしましょう。
ガジュマルの上手な剪定 強い枝から剪定する
ガジュマルで高く長く伸びる枝は強い枝です。見た目を整えるためには元気で強い枝にハサミを入れなければなりません。
生長期であればすぐに伸びてくれるので安心して行ってください。
ガジュマルの上手な剪定 全体が均等に生長できるようにする
ガジュマルの理想的な見た目は葉が全体的に同じような場所にある状態です。
元気に生長した後に偏りがあったり、不揃いになったりしないように、生長後の全体像をイメージしながら剪定を行うことがポイントです。
ガジュマルの上手な剪定 斜めに切る
剪定を行う際に枝を斜めに切ると切断面の面積が増えます。ガジュマルは挿し木といって切った枝を土に挿すことで新しい株として育てられます。
切断面の面積が大きいと水を吸い上げる量が増えるので、挿し木した後の健康的な状態に繋がるのです。
剪定では多くの枝や葉が落ちます。作業時には予め新聞紙を敷いておいて、散らばった枝や葉の片づけをしやすいようにしておくと良いでしょう。
剪定後はどう管理する?ガジュマルを綺麗に保つ事後管理
剪定後はガジュマルにとって、強い日当たりは負担になりますので、1週間程度は直射日光の当たらない場所に置きます。
剪定によって葉が少なくなったことで水分の蒸発量も減っていますので、通常の生育期よりも水やりは控えめにします。土が乾燥しているのを確認してから水をやるのが目安です。
まとめ
ガジュマルを剪定することは、長く楽しんでいくうえでは必要となってくる作業です。
剪定は道具さえ揃っていればそれほど難しい作業ではないため、是非とも気軽に挑戦してみてください。
生命力の強い植物ですので、この記事でご紹介した注意点を守って行えば、ガジュマルを選定した途端に枯れてしまうようなことはありません。
お気に入りのガジュマルを剪定してあげて、理想の見た目にしてあげてください。