退院祝いにはどんなものを贈るのが良いか、また贈ってはいけないタブーとされる品物は何かご存じですか?
退院される方の快気をお祝いするつもりで贈った退院祝いがマナー違反だった場合、相手にも不快な思いをさせる可能性がありますし、自分も気まずい思いをすることになります。こういったものは、小さなことでも意外と目がつくものですし、一般常識がないと思われても困りますよね。
この記事では、退院祝いのタブーや贈るうえでのマナー、おすすめのギフトをご紹介します。これを守れば大きなマナー違反はしませんし、贈り物もスムーズに決められるかと思います。
退院祝いの品選びに困っている方や、タブーとされることについて知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
退院祝いの贈り物のタブー・NG例①:後に残るものを贈る
退院祝いの贈り物に、形として残るものはよくないとされています。いわゆる「消え物」を贈るようにしましょう。
食べ物ならお菓子、お茶などの飲み物系、調味料などがおすすめです。また、洗剤やせっけんなどの洗濯・食器洗い関係のものは、「洗い流す」ものとして縁起がいいとされ、退院祝いにはもってこいです。
退院祝いの贈り物のタブー・NG例②:寝具系のギフトを贈る
形として残るものがよくないことは先述しましたが、その中でもとくにタブーとされているのが、寝具関係の商品です。枕、シーツ、パジャマ、布団などが該当します。
理由は「寝込む」といったイメージがあり、退院のお祝いとしては縁起が良くないとされているためです。
退院祝いの贈り物のタブー・NG例③:縁起の悪いものを贈る
すべての贈り物において共通しますが、縁起が悪いものは避けましょう。相手に不快な思いをさせるのも当然ですが、自分の品格も疑われてしまいます。
縁が切れる「刃物」、「苦」「死」を連想させる「櫛(くし)」や「シクラメン」、仏花のイメージが強い「白い菊」。また消え物ではありますがお葬式などで出されることが多い「日本茶」も、退院祝いにはふさわしくないとされています。
ただし縁起の良し悪しにはさまざまな解釈もあり、近年では実用性を第一に考え、必ずしも縁起の良し悪しにとらわれない贈る方をするケースもあります。大切なのは、喜ばれる退院祝いを選べているかどうかです。
退院祝いを贈るときに守るべきマナー3選
退院祝いでタブーとされる贈り物をご紹介しましたが、次は退院祝いを贈る際のマナーを解説していきます。
熨斗(のし)と水引、表書き
退院祝いには熨斗をつけません。ただし、この言葉には注意が必要です。
お祝いの贈り物やご祝儀に添える掛け紙(熨斗紙)を一般に「熨斗(のし)」と呼びますが、正しくは「熨斗」とは掛け紙の右上にある飾り部分のことです。これは縁起物である鮑を伸ばした「のし鮑」が由来ですが、退院祝いの場合には「病気やケガを長引かせる」ことにつながるため熨斗をつけないのです。
したがって、退院祝いには熨斗(のし鮑の飾り部分)は不要ですが、贈り物に添える熨斗(熨斗紙・掛け紙)自体は必要なので、熨斗飾りのない掛け紙を使うことになります。
「水引」はお祝い事なので「紅白」を選び、入院するような病気やケガは二度とない方が喜ばしいので結び目は「結び切り」にします。
表書きは、主に以下の3つのパターンを参考にしてください。
- 祝御退院:退院することをお祝いする。表書きに迷った場合はこちらがおすすめ。
- 祈御全快:引き続き自宅や通院での治療が必要な場合。
- 祝御全快:通院や自宅療養の必要がない場合。
贈る時期
お祝いを贈る時期は、相手の体調を見て決めます。退院後に通院や継続して治療が必要な場合は、帰ってきてすぐはばたばたしていると思いますので、10日から1カ月ほど空けて贈りましょう。
自宅療養などがない場合は、すぐに贈ってもマナー違反にはなりません。
退院祝いの相場
退院祝いの予算の相場は、3,000円~5,000円ほどです。親族には5,000円~1万円が相場の金額になります。退院祝いは、品物を贈るのが一般的です。
タブーやNGのないおすすめ退院祝いを3つ紹介!
退院祝いに贈るものに迷ったら、こちらがおすすめです。それぞれマナーにも則ったものですので、安心してお贈りいただけるかと思います。
フラワーギフト
だんだん枯れていく花は「病が枯れる」と考えられ、退院祝いにはもってこいです。晴れやかな気分でお祝いしたいものですので、明るい色の花を選ぶといいでしょう。
おすすめは、フラワーアレンジメントです。花瓶いらずで、そのまま飾っていただけるため、近年ではフラワーギフトの代表的存在になっています。お手入れも簡単ですので、退院後の忙しい時期にも手を煩わせることがありません。
フラワーギフトでも鉢植えは避けましょう。土に根を張る様子が「寝付く」に結びつくため、鉢植えはお見舞いや退院祝いにはふさわしくないとされています。
シクラメンや白菊など縁起の良くないお花を使っておらず、かごや箱に入ったフラワーアレンジメントが退院祝いには最適です。
スイーツ・お菓子
消え物の定番であり、人気のあるスイーツやお菓子類(和菓子・洋菓子)はそうそう外れはありません。家族が多かったり来客がよくあったりするようなお宅に贈るなら、個包装のギフトセットが喜ばれると思います。
退院された方に食事制限がないかどうかを確認したうえで贈ると安心です。
バスグッズ
石鹸、入浴剤、タオルなどのバスグッズは、「病を洗い流す」ということで、縁起のいい贈り物とされています。いつも使わないような上質なものがおすすめです。
また、固形石鹸であれば置いておくと香りが楽しめるものもあります。贈る方が好きな香りを選んでみても良いですね。
退院祝いにおすすめしたい上質なフラワーギフト例
ここでは、特におすすめしたいフラワーギフトをご紹介します。
花束
お花がお好きな方には、やはり花束がおすすめです。豪華ですし、好きなように活けてもらえるので、贈る方が好きな花をふんだんに盛り込んだものが喜ばれるでしょう。
花の色ですが、白をはじめ、寒色系の色は供花で使われることが多いため、挿し色程度にとどめる方が良いでしょう。暖色系の明るく元気が出る色を中心に花束を作ると、お祝いの気持ちが表現できます。
寒色系が多くなる場合は、一言添えると誤解も生じず、相手にきちんと気持ちが伝わるでしょう。
フラワーアレンジメント
お花を贈ったことがない方や、贈り先に花瓶がないかもしれないという場合は、フラワーアレンジメントがおすすめです。明るく豪華に作ったものや、ぬいぐるみと一緒にアレンジしたもの、フラワーケーキなどもあります。変わり種では、キャンディーフラワーなどもあります。贈る方が明るい気持ちになるものを選びましょう。
まとめ
このページでは、退院祝いの贈り物のタブーや、おすすめの贈り物について解説、ご紹介しました。
入院するようなことが起こらないことが一番ですが、もし親しい人が入院してしまった場合は、回復の祈り、退院したあかつきには「おめでとう」の心を込めてお祝いしたいものです。
退院祝いのタブーは、近年の実用性を重視する傾向もあってか、昔ほどは強く避けられることもなくなっていますが、やはり一般的には避けるのが無難です。親しく付き合いがあり、相手側からの希望などよほどのことがない限り、マナーに沿った贈り物が望ましいでしょう。
本記事でご紹介した退院祝いの品を、ぜひ参考にしてみてください。