コラム

2022/07/29

かわいい花びらが特徴のオタフクアジサイの歴史は古い

梅雨の季節に咲く花と聞いて、紫陽花をイメージする人も多いでしょう。グラデーションのかかった独特な色合いが美しい花ですが、実はいろいろな品種があるのをご存知でしょうか?
その中の一つが、本記事で紹介するオタフクアジサイ。オタフクアジサイは日本では古くから親しまれている、江戸時代に作られた園芸品種の一種です。

ところでこのオタフクアジサイは、品種的にどのような特徴があるのでしょうか?オタフクアジサイは今でもお花屋さんやホームセンターなどでも販売されています。自分で育てることも可能ですが、具体的にどのように栽培すればいいかについてもここで詳しく見ていきます。オタフクアジサイに興味のある人は、当ページを読み進めてみてください。

ポップで可愛らしい花びらが特徴のオタフクアジサイ

ポップで可愛らしい花びらが特徴のオタフクアジサイ

オタフクアジサイは、別名ポップコーンと呼ばれることもある紫陽花の種類の一つです。可愛らしい花で人気ですが、具体的にどのような種類なのかについて以下で詳しく見ていきます。

原産は?オタフク紫陽花の基本情報

オタフクアジサイは「ガクアジサイ」という品種の一種で、園芸用に作られました。
江戸時代にはすでに親しまれてきた、歴史のある品種です。
検索サイトなどで写真をチェックしてみると分かりますが、オタフクアジサイの花びらの形は特徴的です。花弁の縁のところがクルっと丸まったような形状で、お皿のような形状をしています。

ちなみに花の色ですが、ブルーやピンクなどの色があります。どのような色で咲くかは、土の酸性の度合いによって変化します。

オタフクアジサイの名前の由来

オタフクアジサイが「オタフクアジサイ」と呼ばれるようになったのは、花の形状が由来といわれています。クルっと丸まった形状がおたふく豆に似ていることから、このように呼ばれるようになったのだとか。

ちなみにオタフクアジサイというのは俗称で、正式名称は「ウズアジサイ」。
ウズアジサイの名前の由来もまた、花の形状が貝殻に似ていて、渦を巻いているような花の形が関係しているとされています。

「紫陽花」それ自体の名前が持つ由来については、いくつか説があります。「あづさあい」と言って藍色が集まったという語句からきているという話もあります。その一方で「あぢさゐ」がルーツという説も見られます。ちなみに「あぢ」とは誉め言葉で、「さゐ」は青い花という意味合いがあるとされます。

アジサイは土壌のコンディションによってピンク色の花を咲かせますが、ピンク色の花のことを「オカメ」もしくは「梅花」と呼ぶこともあったようです。

オタフクアジサイの花言葉

紫陽花にはいろいろな花言葉があります。辛抱強い愛情や家族団らん、自信家などのポジティブな意味合いもあれば、移り気や高慢、無常、浮気、冷酷、変節といったネガティブな意味合いを持つ場合もあります。

またアジサイはいろいろな色の花を咲かせますが、色合いによっても花言葉の意味合いが変わってきます。

オタフクアジサイの場合、青からピンク色の花を咲かせますが、青いアジサイの花言葉は「辛抱強さ」や「愛情」、ピンク色のアジサイの場合は「元気な女性」です。このように色によっても花言葉の意味が変わってくるのは興味深いところです。

オタフクアジサイの育て方

オタフクアジサイを育てる方法は、一般的なアジサイと違いはないと考えていいでしょう。

まず、植え付ける場所に注意してください。風通しがよく、適度に湿気のあるところが適しています。
鉢植えで育てるのであれば、軒下など直射日光が当たらない場所がおすすめです。

地植えの場合、冷風と霜には注意が必要。もともとアジサイは耐寒性に優れていますが、冷たい風や霜を当てると株が傷みかねません。

植物を育てるうえで重要な土壌の状態について、あじさいを育てる際には3つのポイントに注意しましょう。そのポイントとは、水はけ、水持ち、酸性度です。

水はけと水持ちのバランスがいい用土を用意しましょう。その場合おすすめなのが赤玉土:腐葉土:バーキュライト=7:2:1の比率で混ぜた土です。

また、オタフクアジサイは土の酸性度で咲く花の色が変わってきます。ピンクにしたければアルカリ性、青にしたければ酸性の土に調整しましょう。中性の土壌にすれば、紫色の花が咲くはずです。

紫陽花の種まきのタイミングは11月もしくは3月。
種まきから花が咲くまでは3〜4年程度かかるため、早めに始めて気長に待ちましょう。

水やりは土の表面が乾いた段階で行えば十分です。基本的には1週間に1回くらいのペースで十分ですが、夏場は1日2回水やりを行い、冬場は根腐れが起きやすいので水やりの回数は減らします。
また、冬の水やりは午前から午後にかけて、比較的気温の高いタイミングで行いましょう。気温が特に下がる夜間に水をあげると、凍結などが起きやすく、株にダメージを残す原因になってしまいます。

まとめ

オタフクアジサイは丸みを帯びた花びらのフォルムが特徴的で、ぷくっとした印象がとてもかわいらしいお花。
また花の形が花房ごとに異なっているのも魅力の一つです。見る角度を変えることによって、違った表情を見せてくれるので、何度見ても飽きることはないでしょう。

オタフクアジサイは自分で栽培することも可能なので、ぜひ挑戦してみてください。
土の酸性度合いによって咲く花の色が変わってくるので、土を作る際にはどんな色に仕上げたいかイメージしながら準備してみるとまた楽しく栽培ができるでしょう。