コラム

2022/07/29

鮮やかな紫のあじさいを咲かせる方法!花言葉やギフト例も併せて解説

小さな花がたくさん集まった美しい姿を見せてくれるあじさいは、初夏の代名詞。
彩りが豊かで多くの種類があるため、最近ではイベントや祝い事で贈るプレゼントとしても人気です。

あじさいにはピンクや赤、青、白など様々な色合いがありますが、中でも特に上品な雰囲気の色として人気が高いのが「紫」のあじさい。

淡い紫はしとやかで儚げな雰囲気、濃い紫にはどこか厳かな雰囲気があり、フォーマルな場面でのプレゼントとしても最適でしょう。

本記事では、そんな紫のあじさいについて詳しく解説します。その魅力と咲かせ方、贈るシーンや贈り方まで、気になる情報を詳しくご紹介します。

あじさいってどんな花?紫や赤など色彩豊富!

あじさいってどんな花?紫や赤など色彩豊富!

初めに、あじさいの基本情報をご紹介しましょう。

あじさいの基本

あじさいは、アジサイ(ユキノシタ)科アジサイ属の植物で、原産国は、日本・台湾・中国・北アメリカなど。

学名は「Hydrangea」と言い、ギリシャ語で「水の器」「水がめ」などの意味を持ちます。
これは、あじさいの根がとても水を吸うことから名づけられたと言われています。

「あじさい」という名前の意味

日本では昔、あじさいのことを「あずさヰ(あづさい)」と呼んでいました。

これは「小さいものが集まる」という意味の「あづ」と、「青」を意味する「真藍(さあい)」という言葉が合わさったものです。「藍色の小さな花が集まって咲いている」というあじさいの見た目から来ているとか。

あじさいの漢字「紫陽花」の由来

ところで、あじさいには「紫陽花」という漢字を当てますが、なぜこのように書くようになったのでしょうか。実は、次のような由来があります。

昔の中国・唐の時代の詩人・白楽天が書いた「白氏文集律詩」という詩集の中で、白楽天はある花に「紫陽花」と名付けました。「陽光に映える美しい紫の花」という意味です。

平安時代の歌人で学者の源順(みなもとのしたごう)という人が、この詩集を読み、「紫陽花」を日本のガクアジサイのことと勘違いしたそうです。その結果、あじさいを「紫陽花」と呼び始め、一般的に定着したのだとか。

紫のあじさいの花言葉は「知的」「神秘的」など多数

紫のあじさいの花言葉は「知的」「神秘的」など多数

あじさいの花言葉には、小さな花が集まった様子から、「家族愛」や「一家団らん」、また移ろいやすい花の色から、「移り気」「浮気」などが有名です。
その他に、あじさいの色によって異なる花言葉があります。

紫や青系のあじさいの花言葉

日本で最もよく見かける紫や青色のあじさいの花言葉は「神秘的」や「知的」などです。
梅雨の長雨に耐えている姿から「辛抱強い愛」という花言葉もある一方で、色のイメージから「冷淡」や「高慢」という花言葉もあります。

ピンクや赤系のあじさいの花言葉

ピンクや赤のあじさいは、欧州などでよく見かけます。
欧州の6月頃は、比較的温暖で湿度も低く快適な気候なためか、あじさいの花言葉にも明るいイメージがあります。

例えばフランスでは、ピンクや赤系のあじさいに「元気な女性」という花ことばがつけられています。
また「母の愛」という意味もあり、母の日のプレゼントとして、カーネーションの代わりに赤やピンクのあじさいを贈る方も増えているんですよ。

白のあじさいの花言葉

白のあじさいには、優しく大きな心をイメージしてか「寛容」という花言葉があります。
他には「一途な愛」という花言葉もあり、結婚式のブーケなどに使われる場面も多いです。

緑のあじさいの花言葉

「アナベル」というあじさいは、緑色の花を咲かせます。花言葉は「ひたむきな愛」です。
他の色のあじさいと組み合わせて、お祝い事のプレゼントによく使われます。

あじさいの花色はどう決まる?紫のあじさいを育てる方法

あじさいの花色はどう決まる?紫のあじさいを育てる方法

あじさいは、同じ種類なのに花色が変わる珍しい品種です。
植えられている土壌のpH値(酸性度)によって、花色が変化します。

あじさいの花色が変わる仕組み

あじさいには、アントシアニンという色素が含まれています。
アントシアニンは、ブルーベリーなどに含まれている色素で、染色にも利用されることがあります。

アントシアニンは、通常赤色ですが、アルミニウムに反応すると青色に変化します。
そのため、あじさいが植えられている土にどの程度アルミニウムが含まれているかによって、紫陽花の色が決まります。

アルミニウムは、酸性度が高いとよく溶け、中性からアルカリ性ならあまり溶けません。
その結果、土壌の状態が「酸性=青・中性=紫・アルカリ性=赤」の花色になるのです。
日本では、酸性度の高い土壌が多いために、青系統のあじさいが多く見られます。

ちなみに、白のあじさいは、もともとアントシアニンを含んでいないために、色づきません。緑のあじさい「アナベル」も、もともと緑の花色を持つ品種ですので、花色に酸性度は関係ありません。

紫のあじさいを育てるには?

あじさいの花色を紫にするには、土壌のpHを中性になるよう調整する必要があります。

日本の土壌は酸性度が高い場合が多いので、アルカリ性を加えて中性に近づけなければなりません。
土壌を中性にする一番簡単な方法は、卵の殻を使った方法です。卵の殻を細かく粉状に砕いて、花芽ができる直前の4月から5月頃にあじさいが植えられている周りの土にまいてください。

ただ、多くまきすぎるとアルカリ性になってしまい、赤いあじさいになるので注意。加減が難しいですが、その分楽しみもあるのではないでしょうか。
ぜひ一度チャレンジしてみてください。

こんな場面で贈りたい!紫のあじさいが喜ばれるシーン

こんな場面で贈りたい!紫のあじさいが喜ばれるシーン

あじさいは、華やかな中にも上品さを漂わせ、また色合いが美しいために、最近では贈り物としても注目されています。あじさいを贈るとするなら、どんなシーンが思い浮かぶでしょうか。

母の日

花を贈る日の代表と言えば、母の日ですね。毎年カーネーションを贈る方も多いかと思いますが、あじさいも、母の日にぴったりのプレゼントです。

あじさいのカラーは、花言葉から選んでみるのもいいでしょう。
聡明で働き者のお母さんには、紫のあじさい。
いつも明るくて元気なお母さんなら、赤やピンクのあじさい。
優しくて穏やかなお母さんには、白のあじさい。

また、「てまりてまり」という種類のあじさいには、「家族団らん」という花言葉があります。

遠距離の恋人へのプレゼント

少し遠くにいる愛しい人への贈り物としても、あじさいはおすすめです。
一途な気持ちと少しの淋しい気持ちを表すなら、紫や青のあじさいと白のあじさいを組み合わせてみてはいかがでしょう。

大切な人に届けたい!紫のあじさいを使ったフラワーギフト例

大切な人に届けたい!紫のあじさいを使ったフラワーギフト例

美しい紫のあじさいをギフトに使うならおすすめは、花束・ドライフラワー・鉢植えです。

花束

フラワーギフトとして、あじさいの花束を贈るなら、ブーケのようなアートフラワーにしてみてはいかがでしょう。
紫のあじさいなら派手になりすぎず、上品さ漂う贈り物になるはずです。

ドライフラワー

あじさいは、ドライフラワーやブリザーブドフラワーとしても楽しめる花です。
生花よりも少しあせたような色合いが落ち着いた雰囲気を演出してくれるドライフラワーは、花束にしてもリースにしても素敵ですね。

鉢植え

鉢植えのあじさいは、長い間楽しめるので人気があります。お花を育てるのが好きな方には、ぜひ鉢植えでプレゼントしましょう。

濃い紫の花が特徴的な「ディープパープル」という種類のあじさいは、秋が近づくにつれて緑がかった色に変化し、秋あじさいとして観賞できます。
また、八重咲きでグラデーションが美しい品種「万華鏡」もおすすめです。

まとめ

今回は、紫のあじさいを中心に、あじさいの特徴や花言葉、育て方やギフト例などについてお話ししました。

あじさいの多彩な美しさや魅力はお分かりいただけたでしょうか。梅雨の長雨の期間、あじさいはまるで私たちの心を癒すかのように咲き続けてくれます。
紫のあじさいとしとしと降る雨は、日本ならではの風景です。

ギフトとしても人気のあじさいを、お楽しみください。