コラム

2022/07/21

フラワーアレンジメントの資格は必要?丨資格の種類や難易度も解説

「自分にぴったりな資格はどれ?」
「そもそも資格を目指す必要ってあるの?」

フラワーアレンジメントを趣味として楽しんでいる方や、将来のお仕事にしたいと思っている方なら、フラワーアレンジメントの資格取得に興味を持っているかもしれません。一般的に、資格取得を目指すのは良い目標になりますし、キャリアアップに役立つ可能性もあります。

フラワーアレンジメントの資格については、取得するメリットがあり、積極的に取得を目指したほうが良い方はいます。しかし、資格の取得が必須でないケースも多いのが実情です。そのため、資格取得のメリットと資格取得に必要なコストを理解しないまま受験を決めてしまうのは、非常に危険です。

本記事では、フラワーアレンジメント資格取得のメリットや必要なコストをご紹介し、資格取得がどんな方におすすめなのかも解説します。資格取得を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

フラワーアレンジメントの資格の種類!取得するメリットもご紹介

フラワーアレンジメントの資格の種類!取得するメリットもご紹介

はじめに、フラワーアレンジメントにはどんな資格があるのかご説明します。

フラワーアレンジメントの資格は、国家資格である「フラワー装飾技能士」と、その他の民間資格に分けられます。それぞれの特徴や取得するメリットを見ていきましょう。

国家資格のフラワー装飾技能士

フラワーアレンジメントに関して、国が認めている資格は「フラワー装飾技能士」のみ。

フラワー装飾技能士が対象にしているのは、お花に関わる仕事をしている人や、将来お花に関わる仕事を目指している人です。具体的には、ブライダルブーケを製作したり、パーティー会場の飾りつけをしたりする仕事など。フラワー装飾技能士は、そのようなプロの方の実務能力を測ることを目的にしており、次の3つのレベルに分かれています。

    フラワー装飾技能士3級:実務経験がある人や専門学校在籍生を対象にした試験で、取得すると基本的な花束作成や会場装飾の技術の証明ができる フラワー装飾技能士2級:2年以上の実務経験がある人や3級合格者を対象にした試験で、取得すると目的に応じた複雑な装飾技術の証明ができる フラワー装飾技能士1級:7年以上の実務経験がある人や2級合格者を対象にした試験で、取得すると目的に応じた高度で応用的な装飾技術の証明ができる

上の内容を簡単にまとめますと、「フラワー装飾技能士を取得すると、取得した級に応じたお花の技術の証明になる」ということです。3級なら基本的なお花の装飾技術を、1級なら最上級のお花の装飾技術を証明できます。

民間資格との一番の違いは、都道府県や国からの合格証書をもらえて「フラワー装飾技能士」と名乗れるようになることです。次の項目でご紹介する民間資格よりも、肩書きとしての効果が強く、お仕事や就職で有利になる可能性が高まります。

特に、厚生労働大臣からの合格証書をもらえるフラワー装飾技能士1級を取得していれば、他の人との大きな差別化になるでしょう。

以上から、フラワー装飾技能士はスキルの習得というよりも、肩書きの獲得という面でメリットが大きい資格と言えますね。

その他の民間資格

フラワーアレンジメントに関して、先ほどご説明したフラワー装飾技能士の他の資格は、全て民間の教室や協会が作っているものです。フラワー装飾技能士は、お花の仕事に関わる人のみが対象でしたが、ほとんどの民間資格は趣味としてお花を楽しむ方から上級者の方までを対象にしています。

具体的には、多くの民間資格では次のように3級から1級にレベル分けがされています。

  • 3級:対象は全ての人、レベルは基本的な知識があって簡単なアレンジメントが作れる程度
  • 2級:対象は3級取得者、レベルはお仕事としても活用できる程度
  • 1級:対象は2級取得者、レベルはお花を使って高度な表現ができる程度

取得することのメリットは、技術の証明ができる点や集中して学ぶことで技術を高められる点です。また、民間の資格の中には、取得することで協会の名前を使った教室開校の権利を得られるものもあります。将来お花の教室を開きたい人にとってはうれしいポイントです。

フラワーアレンジメントの資格の取り方丨必要な勉強時間や難易度も

フラワーアレンジメントの資格の取り方丨必要な勉強時間や難易度も

前項ではフラワーアレンジメントの資格の種類や取得するメリットをご紹介しましたが、取得方法が気になる方も多いでしょう。ここでも国家資格と民間資格に分けて、それぞれの資格の取り方をご紹介します。

国家資格の取り方

国家資格であるフラワー装飾技能士は、誰でも受験できるわけではありません。一番基本的なレベルである3級でも、受験するには実務経験が必要であること、専門学校に在籍していることが条件になります。そのため、プロを目指していない方は取得自体が難しい資格です。

また、前提として受験する級によって難易度が大きく異なることを知っておきましょう。おおよその合格率は、3級なら85%、2級なら80%、1級なら35%です。

合格率だけを見ると、それほど難しいとは感じないかもしれません。しかし、すべてのレベルで制作時間が厳しく制限されており、お花の実務経験がある人の中でも合格できる人が限られると考えると、簡単な試験でないと言えるでしょう。

フラワー装飾技能士の取得をする方法は大きく分けて3つで、スクールに通う、通信講座を受ける、独学で学ぶのいずれかです。

フラワー装飾技能士に特化したスクールや通信講座を使う方法が一般的です。スクールや通信講座では、専用のテキストや動画が用意されており、すでに組み込まれたカリキュラムにそって勉強を続けていきます。より丁寧な指導を受けたい方には先生に直接会えるスクールが、時間的にゆとりがない方には時間や場所を選ばずに学習できる通信講座が人気です。

独学の場合は市販のテキストや過去問を中心に学び、わからない点はYouTubeなどで確認します。市販のテキストやYouTubeの動画は、スクールや通信講座の教材ほど充実していないので、独学では難易度が上がるでしょう。

また、スクールや通信講座なら目標とする受験日に向けて、最適な対策を含むカリキュラムが組まれていますが、独学では全て自分で管理しなければなりません。すでにお花の取り扱いに慣れている方や、職場で資格のことを相談できる人がいる方なら独学でも大丈夫かもしれませんが、基本的にはスクールや通信講座を利用するほうが効率が良いでしょう。

民間資格の取り方

民間の資格の取り方は、主催している団体や受験する級によって変わりますが、基本的には資格を主催している団体が公認するスクールに通って取得します。

スクールに入会したら、受験する級に応じた講義を履修することが必要です。例えば、「2級を受けるなら、一定レベルの講座について履修単位を30単位以上認めてもらう」のように定められているので、必要な数の講義を受講します。

受験する級によりますが、用意されたカリキュラムを終えれば、初級のレベルである3級はほとんど取得可能なレベル。

しかし、カリキュラムを一つひとつ履修するにはお金と時間がかかります。例えば、テキスト代や受講料、花材費を合わせて10万円近くになることも。時間については、受講する頻度にもよりますが、半年から1年間ほど講義を受講することが必要です。そのため、お金や時間を費やしてまで取得するべきかは、考えた方がいいでしょう。

フラワーアレンジメントの資格は本当に必要?

ここまではフラワーアレンジメントの資格の勉強方法をご紹介しましたが、取得すべきかどうかはその人の目的によって変わります。ここでは、お花をお仕事にしたい人のケースと、趣味として楽しみたい人のケースに分けてご説明します。

お花をお仕事にしたい人が目指すとしたら、フラワー装飾技能士3級でしょう。国が公認する「フラワー装飾技能士」という肩書きがつくので、就職のときに有利になると考えられます。ただし、資格取得には時間とお金がかかること、資格がないと就職できないわけではないことから全員が受験すべき試験ではありません。

将来的にフラワー装飾技能士2級、1級の肩書きを使った仕事を考えている方は取得すべきですが、それ以外の方は無理に受験しなくてもよいでしょう。

趣味として楽しみたい人が取得するとしたら、民間資格の3級になります。民間資格の3級は、どの協会の資格でも公認されたスクールのカリキュラムを学習できれば、ほとんどの人が合格すると言われているので、取得できる可能性は高いです。

ただし、純粋に趣味として楽しむなら受験には慎重になるべきでしょう。民間資格の3級を取得することの一番のメリットは、協会の名前を使った教室を開けること。しかし、教室を開校するつもりがない場合は、教室を開く権利をもらっても利点にはなりません。そのため、お金と時間を使っても「お花を楽しみたい」という当初の目的が達成されるとは言えないでしょう。

むしろ「資格を取らなきゃ・・」と必死になってしまい、お花を楽しめなくなる可能性もあります。そのため、趣味として楽しみたいなら、フラワーアレンジメントの資格を取る必要はないでしょう。

フラワーアレンジメントを学ぶだけならスクールで十分な理由

フラワーアレンジメントを学ぶだけならスクールで十分な理由

前項では、趣味としてお花を楽しみたいなら、フラワーアレンジメントの資格取得をおすすめしないとお伝えしました。「資格取得という目的がないと、学ぶモチベーションにならないのでは?」と感じる方もいると思いますが、そのような方には資格取得を目指さないスクールに通うほうがおすすめです。その理由を解説していきます。

資格取得によるメリットはスクールでも十分に得られるから

趣味としてお花を楽しむ方が資格取得を目指す理由は、「基本から体系的に学べるから」「ちょうど良い目標になるから」「成長実感を得られるから」ではないでしょうか。これらはもちろん大きなメリットですが、通常のスクールに通うだけでも得られますよ。

通常のスクールでも初心者向けのコースなら、先生が基礎から順番にわかりやすく教えてくれます。基礎の習得という点に関しては、むしろ資格取得を目的としていないスクールのほうが学びやすいことも多いです。資格取得を目的にしていると、受講者の理解度よりも当初のカリキュラムに合わせて講義を進めざるをえない状況もありますが、通常のコースなら受講生の理解度が重視されるからです。

また、スクールに通っているだけでも目標が自然と見えてくるものです。先生や他の受講生と交流をすると、違うデザインやセンス、活け方などを学ぶ機会となり、ちょうど良い刺激になります。気づけば、「いずれは上級コースを受講できるようになりたい」「この前先生が見せてくれたようなアレンジメントが作れるようになりたい」といった新たな目標を見つけることができるようになるでしょう。

そして、先生や他の受講生が「すごく上達されましたね!」「素敵に活けられていますね」と変化に気づいて教えてくれることもあるので、成長を実感しながら上達していけます。

このように、資格取得によるメリットはスクールでも十分に得られます。民間資格でしか得られない「教室開校の権利が得られる」というメリットを目的としないなら、通常のスクールでも十分楽しく上達を目指せますよ!

お金・時間・気持ちの面でスクールのほうが楽だから

資格取得を目指すよりも、通常のスクールに通うほうがお金や時間、気持ちの面で楽であることも多いです。

資格取得を目指すとどうしてもお金や時間がかかります。これまでにご紹介した通り、お金についてはテキスト代や受講料、花材費を合わせて10万円近くになる可能性や、時間については半年から1年間かけて受講することが必要になる可能性も。

また、そのような環境では気持ちに焦りが生じることも多いです。「お金払っているし、ちゃんと勉強しなきゃ」と気持ちの面でも負担になることもあります。

一方で、通常のスクールで自分に合うコースを選べれば、焦ることがないので「楽しみながら上達したい」という当初の目的も達成しやすいですよ。

スクールならじっくりとセンスを磨きやすいから

前の項目でお伝えしたように、スクールには焦らずじっくり学べる環境があります。そんなスクールはアレンジメントのセンスを磨くのに適しています。

アレンジメントのセンスとは、おしゃれな仕上がりにするための花材選びやお花の配置が直感的に分かる力です。基本的な知識は家で独学するだけでも、集中的に詰め込んでも身につけられます。しかし、センスは
長期間お花に触れ続けることや、おしゃれな作品に触れることでしか磨かれません。

お花の扱いについては知識があっても、センスがないとつまらないアレンジになります。基本はできているけれど、何かが足りないような作品になります。

焦らず続けられて、他の人の作品にもふれられるスクールなら、センスを磨いていけますよ。センスが磨かれれば、少しずつ自分のアレンジに自信がついてきて、ますますお花が楽しくなるはずです。

フラワーアレンジメントのスクールを選ぶときのポイント

フラワーアレンジメントのスクールを選ぶときのポイント

講師を目指す方以外はスクールだけで十分上達できるとお伝えしましたが、お花のスクールはたくさんあります。また、自分に合うスクールを選べずにすぐに辞めてしまうという失敗も少なくありません。そこで、選ぶポイントをご紹介します。無駄に悩むことなく、自分に合ったスクールを見つけましょう!

自分の目標に合うコースが選べるスクールにすること

初心者向けコースや中級者向けコース、ブリザードフラワーコースなど、豊富なコースを用意しているスクールもありますが、自分のレベルや学びたいことに一致するかは確認しておきましょう。少しでも自分のレベルや目標から外れているコースを選んでしまうと、モチベーションの維持が難しくなります。

逆に自分に合うコースならどんどん興味が出て上達も早くなるでしょう。また、自分に合うコースの受講者さんには、同じような境遇の方が多く、仲良くなりやすいのも特徴の一つです。同じような目標の友人ができれば、ますますスクールに通うのが楽しくなり、上達も早くなりますよ!

通いやすい場所と時間帯のスクールにすること

お花を上達させるためには、継続的にスクールに通う必要があるので、通いやすい場所と時間帯であるかもチェックしましょう。

はじめのうちは「少し遠くても大丈夫」と感じるかもしれませんが、2ヶ月、3ヶ月経過するとやっぱり面倒に感じてしまうものです。レッスンの時間帯についても、通いはじめのうちは少し無理があっても、頑張って参加しようと思えるかもしれません。しかし、レッスンのために自分の生活スタイルを変化させていると、いずれ無理が生じてしまいます。

そのため、半年から1年通うという前提で場所や時間帯を確認しましょう。自宅から片道15分の距離やよく利用する駅周辺にあるスクールなら通いやすいです。時間帯については、お仕事がある方なら平日の夕方開始や土日開催のレッスンがあるかチェックしてみてください。そのほか、レッスン時間の変更に柔軟に対応してくれるスクールであるかも、チェックできるとよいでしょう。

必ず体験レッスンに参加してから決めること

自分に合ったスクールを選ぶために最も重要なのが、体験レッスンに参加してから決めるということ。

インターネットでスクールの概要はわかりますが、教室や先生の雰囲気は体験してみないとわかりません。「明るい雰囲気です。」と書かれていても、自分のイメージする明るさとは違うこともあります。もし、教室の雰囲気が自分と合わなかったら、レッスンが苦痛になってしまいます。本当は質問したくても遠慮して質問できないかもしれません。

また、体験レッスン中に疑問に思った点を質問できれば、入会後のトラブルになりにくいです。スクールに関するトラブルには、お金や振替の可否に関するものが多くあります。例えば、「ホームページだけを見て入会したら、ページに書かれていない費用も請求された」といったケース。このようなトラブルも、体験レッスン中に質問すれば避けられますよ。

フラワーアレンジメントの上達を目指す方にとって、資格はちょうど良い目標に思えます。しかし、趣味として楽しむだけなら、お金や時間をかけてまで資格を取る必要がないことがほとんど。

ただ、何事も目標がないと続かないもの。そこでスクールに通うのがおすすめです。
雰囲気を知りたい方はぜひ体験レッスンを受けてみて下さい。