ペペロミアは、葉に模様がはっきり出たものや暗紫色のもの、ハートの形をしたものや多肉質のものなど、個性豊かな観葉植物として知られています。
小ぶりのものも多く、小さな鉢に植えて飾ると、ころんとした雰囲気が出てとてもかわいらしいですね。
ハートの形をした葉からもわかるように、恋にまつわる花言葉が多いペペロミア。
恋人や大切な人に贈るプレゼントとしても人気がある観葉植物です。
そんなペペロミアですが、育て方は比較的簡単です。乾燥に強く、株分けや葉挿しなどで増やすこともできるので、初心者から熟練者まで楽しめます。
育て方をマスターして、かわいいペペロミアで部屋を飾りましょう。
ペペロミアの育て方は簡単?知っておきたい基本情報
ペペロミアの基本情報を確認しておきましょう。
科名属名: コショウ科ペペロミア属(サダソウ属)
学名: Peperomia
和名: サダソウ
分類: 常緑多年草
開花時期: 4~9月
原産地: 熱帯~亜熱帯地域(エクアドル~コロンビア)
大きさ: 10cm~40cm
花言葉: 艶のある、かわいらしさ、片思い など
種類がたくさん!育て方も楽しめるペペロミアの特徴と種類
ペペロミアは、世界に約1,000種類あると言われています。
多種多様なペペロミアは、選ぶ楽しさも魅力の1つです。ペペロミアの特徴と、どんな種類があるのかについてご紹介します。
特徴
全体として小型の品種が多く、種類も豊富で個性豊かな姿が最大の魅力でしょう。匍匐(ほふく)タイプのものをつり鉢に植えて葉を垂らしたり、さまざまな品種を集めて寄せ植えをしてみたりと、楽しみ方も無限大です。
ペペロミアは、ギリシア語の「ペペリ(peperi)」と「ホモイオス(homoios)」の2つが合わさって名付けられたと言われています。ペペリは「コショウ」、ホモイオスは「似た」という意味で、2つ合わせて「コショウに似た」という意味になります。
実際にペペロミア・ベルキダの生葉は、ベトナムで香辛料として使われているそうです。
3つのタイプと代表的な品種
① 匍匐(ほふく)タイプ
茎は立ち上がらず、地面を這うように伸びていきます。
・ ペペロミア・ジェミニ
・ ペペロミア・アングラータ
・ ペペロミア・グラベラ
・ ペペロミア・ロツンディフォーリア
② 直立タイプ
茎は太く、まっすぐ上に伸びていきます。
・ ペペロミア・コルメラ
・ ペペロミア・セルペンス
・ ペペロミア・ハッピービーン
・ ペペロミア・グラベオレンス
③ ロゼットタイプ
茎は短く、葉は茎を中心に放射状に広がります。
・ ペペロミア・ジェイド
・ ペペロミア・カペラータ
・ ペペロミア・フレイゼリ
・ ペペロミア・アルギレイア
必要な準備「ペペロミア」の育て方
ペペロミアを育てるために、以下に記したものを準備しましょう。
・苗木より大きめの鉢
・水はけがいい用土
・鉢底ネット
・鉢底石
・剪定ばさみ
・じょうろ
・霧吹き
鉢植えのものを買えば、用土などは必要ありません。
ペペロミアがよく育つ栽培環境とは?育て方は難しくない
ペペロミアは日光が好きですが、強い光に直接当たると葉焼けを起こしてしまいます。明るい日陰か窓際に置くのであれば、カーテンを引いて少し遮光した場所に置きましょう。
多肉質のものは、通年日光によく当たる場所に置きましょう。
誰でも簡単にできる!ペペロミアの育て方を順序ごとに解説
ペペロミアを育てるにあたって大切な選び方、そして日々のお手入れの仕方について解説していきます。お店であなたのお気に入りのペペロミアを見つけてくださいね。
ペペロミアの育て方①:ペペロミアの選び方
ペペロミアを購入する際、病害虫がついていないか、葉の裏側までしっかり確認しましょう。
同じ品種なら、葉が締まって数が多いものを、多肉質のものは、茎が太く葉に艶があるものを選びましょう。
ペペロミアの育て方②:植え付けの仕方
暖かい時期であれば、いつでも植え付け可能です。水はけがいい用土で植え付けます。
ペペロミアの育て方③:日々のお手入れ(水やり・剪定)
春から秋は用土の表面が乾いてから、冬は用土の表面が乾きかけたら水やりをします。多肉質のものは通年、乾いてから水を与えましょう。
下葉や茂りすぎた葉、変色した葉は剪定しましょう。
ペペロミア育て方の注意点①:肥料のあげ方
生育期に当たる春から秋(5〜10月頃)の2〜3か月に1回ほど、緩効性化成肥料をあげます。即効性の液体肥料を、1週間〜10日に1回のペースであげるのもいいでしょう。必ず表示の量を守るようにしてください。
冬は休眠期になりますので、肥料はいりません。
肥料のあげすぎは根が枯れる原因になるので、注意しましょう。
ペペロミア育て方の注意点②:病害虫の対策をしよう
注意すべき害虫は、「ハダニ」と「カイガラムシ」です。ハダニは乾燥を好み、カイガラムシは湿気を好みます。
なるべく空気の流れがあって湿度が低くなる場所で、葉水で葉を少し湿らせておくと害虫対策になります。
ペペロミア育て方の注意点③:夏越しと冬越しの方法
夏越し
夏が好きなペペロミアですが、直射日光で葉焼けしてしまうことがあります。直射日光は避け、半日陰に置きましょう。また、エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶことも大切です。
冬越し
暖かい室内の明るい場所に置きましょう。
土は乾燥気味に管理し、水やりは土が完全に乾燥してから2〜3日後に与えるぐらいにします。暖かい日の日中に行うのがいいでしょう。水は冷たいままではなく、室温程度に暖かくなったものを用意できると、なお良いです。
部屋の温度は、8℃以下にならないように注意しましょう。
ペペロミアの育て方でつまずくポイントは「根詰まり」
ペペロミアが根詰まりを起こしてしまった場合、なるべく早く植え替えや鉢替えをすることで、根腐れを防止できます。水やりをしたときに水の通りが悪かったり、鉢の底から根が出てきていたりすると根詰まりが起こっているかもしれません。一度そっと取り出して、確認してみてください。頻度は、2〜3年に1回程度です。
植え替えの方法
植え替えは、ペペロミアの生育期に当たる5〜8月ごろが良いとされています。
① 鉢から株を優しく取り出す。
② 根をほぐし、土を1/3程度落とす。変色している根があれば切り落とす。
③ 一回り大きな鉢に用土を入れる。(縁から3〜4cm下ぐらいまでを目安に)
④ 株の根元に隙間がないように、棒状のもので押して植える。
鉢替えの方法
成長して鉢が小さくなってきたら、鉢替えをします。
① 一回り大きな鉢を用意する。
② 鉢に用土を入れる。または、株分けして元の鉢に用土を入れる。
③ 根をほぐし、新しい鉢に植え替える。
育て方は意外と簡単!ペペロミアの増やし方
ペペロミアは、意外と簡単に増やすことができます。育成期で少し湿気のある方が発根しやすいので、5〜8月ごろがおすすめです。もう少し飾るところを増やしたいなと思う方は、ぜひ挑戦してみてください。
株分け
植え替え時期に、切り落としたわき芽を植え付ける方法です。
① 下葉を2〜3枚落とす。
② わき芽に根がある場合、根本がぐらつかない程度に用土に植え付ける。
③ 根がない場合、バーミキュライトなどに挿し、発根したら植え付ける。
挿し芽
① 茎の先にある天芽を4〜5節ほどで切る。
② 下にある2〜3節分の葉を取り、切り口に成長調整剤を塗る。
③ 赤玉土などに、茎の1/3程度挿す。
④ 明るい日陰に置き、用土が乾かないように管理する。時々葉水を与えるときれいに育つ。
1カ月程度で発根しますので、根が十分に出てきたのを確認したら鉢上げをします。
葉挿し
斑入りではない種類なら、葉挿しで増やすことができます。斑入りで葉挿しをすると斑が消えてしまうので、株分けで増やしましょう。
① 健康な葉を1枚選び、2〜3cmほど葉柄をつけた状態で切る。
② 切り口に成長調整剤を塗る。
③ パーライトとバーミキュライトを1:1で混ぜた用土に挿す。
④ 明るい日陰に置き、用土が乾かないように管理する。
1カ月半〜2カ月ほどで新芽が伸びてきますので、2〜3枚開いたら鉢上げをします。
まとめ
ペペロミアの育て方を解説してきましたが、初心者の方も意外と簡単そうだと感じたかと思います。
毎日水やりをする必要もなく、こまめに肥料を与える必要もありません。あまり目立ちませんが、花も咲きます。加えて見た目がとてもかわいいとくれば、ぜひお部屋に置きたくなりますよね。
ペペロミアは種類も多岐にわたっているので、きっとあなたの心を掴むものがあるはずです。
ペペロミアと充実した毎日が訪れますように。