ラナンキュラスは、フラワーギフトとして大変人気がある花です。
その魅力の一つは、繊細さ。薄紙のように薄くやわらかい花びらが幾重にも重なりあって咲く花の優美さは、見る者の視線を奪います。
そして何より、花の色や形、咲き方が幅広いことも大きな特徴。可憐でかわいらしい印象のものからシックで落ち着いた印象のものまで、さまざまな顔を持っています。
そんなラナンキュラスにはどんな花言葉があるのでしょうか。種類豊富なラナンキュラスは、実は花の色によっても花言葉が異なります。本記事では、ラナンキュラスの花言葉についてご紹介いたします。
ポジティブな花言葉を持つラナンキュラスってどんな花?
まずはラナンキュラスの基本情報について見ていきましょう。
ラナンキュラスは、キンポウゲ科キンポウゲ属の花で、何層にも重なった花びらが特徴的。
スタンダードな品種はバラに似た咲き方をしていますが、盛んに行われた品種改良のため、最近では非常に多様な種類が存在しています。
庭で育てた場合の開花時期は春先ですが、商品としての切り花が流通する時期は11月~3月と少し早めです。苗のポットは1月から3月をピークに売り出されます。
そして、寒さに強いのもラナンキュラスの特性の一つです。多年草の球根植物のため、上手に育てていけば、何年もお花を楽しむことができます。
ポジティブな花言葉があるので、ラナンキュラスは贈り物としてとても人気が高いお花。結婚式のブーケやプレゼントの花束にもよく使われています。切り花でも長持ちするので、フラワーアレンジメントやボックスフラワーにして楽しむ方も多いですよ。
ラナンキュラスの開花時期
一般的に、ラナンキュラスの開花時期は4~5月頃です。
ラナンキュラスは、1本の茎から1つの花を咲かせ、幾重にも重なった豪華な花びらを持つので、一輪だけでもかなり存在感があります。
ラナンキュラスの花言葉は「とても魅力的」
ラナンキュラスは、花の色によってそれぞれ異なる花言葉が込められています。
まず、ラナンキュラス全般の花言葉として有名なのは「とても魅力的」です。魅力的な恋人や友人へ贈るフラワーギフトギフトのお花として、ぴったりですね。
そのほかにも「華やかな魅力」「輝かしい魅力」「晴れやかな魅力」「魅力あふれる」「光輝を放つ」などの魅力に関連する花言葉が多くあります。
ただ、ラナンキュラス全般の花言葉は、魅力に関連するものだけではありません。ほかにも、「純潔」「優しい心遣い」「名声」「名誉」「大家族」「合格」などといったさまざまな花言葉があります。
「とても魅力的」なラナンキュラスの花言葉はギリシア神話に由来
ラナンキュラスには、光り輝く魅力を表現するような花言葉が多くつけられています。
なぜ、ラナンキュラスにこのような花言葉がつけられているのでしょうか。その答えは、ギリシャ神話の中にあります。それは、ラナンキュラスのこれらの花言葉は、ギリシャ神話に登場する「ラナンキュラス」という青年の愛のエピソードに由来していると考えられているから。
そのエピソードとは、次のような内容です。
「青年ラナンキュラスは、とても優しい心の持ち主でした。
ある日、ラナンキュラスと彼の親友ピグマリオンは山道に迷ってしまい、山陰の村の宿に泊まることにしました。そこで彼らは、美しいコリンヌに出会い、ふたりとも彼女に恋してしまいます。ただ、コリンヌと相思相愛の関係になれたのは、親友ピグマリオンのほうでした。
友だち想いのラナンキュラスは自分の恋心を隠し、愛し合う親友とコリンヌを祝福しました。その後、彼らに黙ってシシリー島へ姿を消しました。
突然姿を消したラナンキュラスを心配したピグマリオンは、彼を探してシシリー島にたどり着きましたが、残念なことに、すでにラナンキュラスが亡くなってしまったあとでした。彼のお墓のそばには、一輪の黄色い花が咲いていました。」
このストーリーから、誠実なラナンキュラスをたたえ、その花にラナンキュラスと名前がつけられたそうです。
「とても魅力的」や「華やかな魅力」、「純潔」といった花言葉は、自分の大切な親友とその恋人のために何も言わずに身を引いた心優しく気高いラナンキュラスの人柄に由来しているんですね。
ラナンキュラスの「名声」「名誉」の花言葉は十字軍のエピソードから
ラナンキュラスの花言葉のうち、「名誉」や「名声」はどんな経緯でつけられたのでしょうか。
これは、フランスのルイ9世のエピソードに由来すると考えられています。
それは、ルイ9世が十字軍に加わり、エルサレム奪還の遠征から帰還する際、お花好きの母親のためにラナンキュラスの花を持ち帰ってきた、というもの。
この出来事が、ラナンキュラスを名誉・名声の象徴にしたのでしょう。
ラナンキュラスには「合格」という縁起のいい花言葉も
それでは、「合格」という言葉は、ラナンキュラスの花とどう関わっているのでしょうか。これは「ラナンキュラスの花が春先にほころぶことが多い」という習性に由来していると言われています。
花びらが何層にも重なった美しいラナンキュラスは縁起が良いと考えられているので、「合格の花」として売り出されていることもあるほど。冬の受験を乗り越え、志望校に合格した学生たちへのギフトとしてもふさわしい花ですね。
怖い意味も?色によって違うラナンキュラスの花言葉
ラナンキュラスには、色によっても花言葉がつけられているんです。それぞれの色にどのような意味があるのかご紹介します。
赤色のラナンキュラスの花言葉
赤色のラナンキュラスの花言葉は、「あなたは魅力に満ちている」です。赤には、情熱的で力強いイメージがあるので、パワフルでエネルギッシュな魅力を持つ人を連想させますよね。
白色のラナンキュラスの花言葉
白色のラナンキュラスの花言葉は、「純潔」です。白は、純粋で無垢な印象をあたえる色です。花嫁を美しく引き立ててくれる白のラナンキュラスは、ウェディングシーンでも人気なんですよ。
黄色のラナンキュラスの花言葉
黄色のラナンキュラスの花言葉は、「優しい心遣い」です。やわらかく明るい黄色は、人を楽しくて幸せな気分にする力を持っていますよね。
オレンジのラナンキュラスの花言葉
オレンジ色のラナンキュラスの花言葉は、「秘密主義」。オレンジ色は、明るくオープンなイメージにもかかわらず、秘密主義という花言葉がつけられているのはちょっと意外ですね。
これは、ラナンキュラスの花の見た目から来ているようです。ラナンキュラスの花びらが雄しべを隠してしまっている様が、秘密を隠し、口封じをしているように見えるのでしょう。オレンジ色のラナンキュラスをギフトに使うことは、控えたほうが無難かもしれません。
緑色のラナンキュラスの花言葉
緑色のラナンキュラスの花言葉は、「お祝い」です。四つ葉のクローバーに代表されるように、緑色には「希望」や「幸福」といったおめでたいイメージがありますよね。
ピンク色のラナンキュラスの花言葉
ピンク色のラナンキュラスの花言葉は、「飾らない美しさ」です。ピンクの持つ、かわいらしくて優美なイメージは、等身大の自分を愛し、素直に生きる人が持つ魅力を連想させます。
ラナンキュラスについた海外のおしゃれな花言葉
海外でも、ラナンキュラスには花言葉がつけられています。
英語の花言葉には、「radiant charm(晴れやかな魅力)」や「I am dazzled by your charms(あなたの魅力に目を奪われる)」といったものがあります。
欧米らしく、大胆でストレートな花言葉ですよね。気になる相手に告白するときに、颯爽とラナンキュラスの花束を差し出したら、とってもおしゃれです。
「ラナンキュラス」という花名の由来
そういえば、「ラナンキュラス」という花の名前には、どんな意味があるのでしょうか。
さきほど、ギリシャ神話に登場する心優しい青年の名前から来ているという説をご紹介しましたが、ほかにも次のような由来があると言われているんですよ。
ラナンキュラスの属名の学名は「Ranunculus」とつづりますが、これは、ラテン語でカエルを意味する「rana」を語源としていると考えられています。
ラナンキュラスの原種がじめじめとした湿地を好んでいることと、ラナンキュラスの葉っぱの形がカエルの足に似ていることに由来しているそうです。
ちなみに、ラナンキュラスの原種は5枚の花びらを持つ黄色い花です。金色に輝く花の姿から、英語では「Buttercup(バターカップ)」とも呼ばれているそう。花をバターに例えるなんておしゃれですよね。
ラナンキュラスの花言葉を意識したプレゼントを贈るコツ
ここまで、ラナンキュラスの花言葉やその由来をご紹介してきました。
ギフトに人気のラナンキュラスのお花。花言葉に込められた意味を知ったうえで、贈り物のラナンキュラスの色を選んでみるのも素敵です。ここでは、ラナンキュラスをプレゼントとして渡す際のポイントをお教えします。
ラナンキュラスの贈り方としては、次の3つのパターンがあります。
まず一つ目は花束。
ラナンキュラスの花束を渡す相手が、お花を生けることが好きなら、花束をプレゼントするのがおすすめです。家に持ち帰ったあと、花瓶に生けてもらいましょう。
二つ目は、アレンジメントのスタイルです。
お花屋さんがラナンキュラスや他の花々を組み合わせ、美しくデザインして給水スポンジに生けてくれます。持ち帰ったあと、置くだけですぐに見て楽しめるところが良いですね。
三つ目は、花苗です。
草花を一つの鉢に寄せ植えする花苗。他の植物と組み合わせても華やかですし、一種類のラナンキュラスだけのシンプルな花苗をつくってあげるのも素敵です。お花を育てることが好きな方へのプレゼントとして最適です。
ラナンキュラスを贈るなら?おすすめシーンをご紹介
いろいろなシーンで贈り物として親しまれているラナンキュラスのお花ですが、特にどんなときに贈るのが人気なのでしょうか。花言葉別に、プレゼントを渡すタイミングとしておすすめのイベントをご紹介します。
バレンタインデーとホワイトデー
言わずと知れた恋人たちのイベント、バレンタインデーとホワイトデー。
「とても魅力的」「輝かしい魅力」「魅力あふれる」などの花言葉を持つラナンキュラスの花は、大切な恋人へのプレゼントにぴったりです。
合格祝いや合格祈願
「合格」という花言葉も持っているラナンキュラスは、合格祝いや合格祈願としての贈り物にも最適です。部屋に飾れば、ラナンキュラスの花からきっとエールをもらえることでしょう。
就任祝いや昇進祝い
見た目も華やかで、前向きな花言葉を持つラナンキュラスは、ビジネスの場でも人気のお花です。「とても魅力的」「輝かしい魅力」「魅力あふれる」といった花言葉がつけられたラナンキュラスのプレゼントで、仕事仲間や取引先の方の就任や昇進をお祝いしてはいかがでしょう。
ラナンキュラスの贈り物は花言葉に注意?
プレゼントに大人気のラナンキュラスですが、大切な人への贈り物としてお渡しするときに、注意しておかないといけないことがあります。
まず、花言葉の視点から、オレンジ色のラナンキュラスは、プレゼントとして避けるのが吉です。その理由は先ほどご紹介したとおり、オレンジ色のラナンキュラスには「秘密主義」という意味深な花言葉がつけられているからです。
次に、本数にも気をつける必要があります。避けるべき本数は、15、16、17の連続した数です。なんと、15本のラナンキュラスには「ごめんなさい」、16本には「不安な愛」、17本には「絶望の愛」という意味があるのです。
こちらは、オレンジ色のラナンキュラスの花言葉よりもずっとシビアな意味になってしまうので、お気をつけてくださいね。
春のフラワーギフトに人気の花、ラナンキュラス。その花言葉についてご紹介してきました。
ラナンキュラスの花言葉には前向きな意味のものが多いため、プレゼントに最適です。さまざまな色や形をした種類があり、さらに、花の色によって花言葉の意味が違ってくるので、とても選び甲斐があるお花です。プレゼント用にベストなお花を探している時も楽しいですよね。
この春は、カラフルでかわいらしいラナンキュラスの花と過ごしてみませんか?