紫陽花は、梅雨の憂うつな気分を、華やかに彩ってくれる美しい花です。
生花や鉢植えとして楽しまれることの多い紫陽花ですが、ドライフラワーにしても楽しめます。
鮮やかな花色は、ドライフラワーにするとアンティーク調のカラーに変化し、インテリアとしてナチュラルな空間を作ってくれます。
丸くふっくらと咲く紫陽花は、比較的簡単にドライフラワーにできますので、初心者にもおすすめです。
今回は、紫陽花をドライフラワーにする方法について、おすすめの品種や作り方のポイント、さまざまなアレンジを紹介します。
生花とは違った魅力を見せてくれる紫陽花のドライフラワーを、あなたも作ってみませんか?
紫陽花(あじさい)ってこんな花!ドライフラワーにも好適
紫陽花は、日本・中国・台湾・北アメリカなどを原産国とした、アジサイ科アジサイ属の植物です。
小さな花のように見える部分は、葉が変形したものでガクと呼ばれています。
青や紫・ピンクや赤に染まった紫陽花は、晴れの日はもちろん、雨の日もみずみずしい美しさで私たちの目を楽しませてくれます。
美しい紫陽花は、ドライフラワーにすると、鮮やかな花色が褪せたようなシックでおしゃれな色合いに変化します。
ただ、紫陽花の中には、ドライフラワーにあまり適さない品種もありますので、注意しましょう。
紫陽花(あじさい)のドライフラワーにはこの品種がおすすめ
ドライフラワーにするのにおすすめの紫陽花は、梅雨の時期によくみられる紫陽花ではなく、少し季節が進んだ頃に見られる次のような品種です。
秋色系
秋色系の紫陽花とは、品種名ではなく、初夏に咲いた紫陽花の中で秋に向かう気温の変化によりくすんだ色合いに変化した状態のものを言います。
赤みや青み、緑や白などの色味を帯び、ガクに厚みが出てくることで、ドライフラワーに適した紫陽花になります。
アナベル
アナベルは、北アメリカ原産の品種です。
手毬のように丸い形が可愛らしく、咲き始めは白色で、次第に淡いグリーンに変化します。
水分が少ない品種ですので、ドライフラワーに向いています。
ミナヅキ
ミナヅキは、日本原産の紫陽花で、漢字では「水無月」と書きます。
旧暦の6月である水無月(今の7月)頃に咲くことからこの名前になっていますが、円すい形のフォルムから別名「ピラミッドアジサイ」と呼ばれています。
咲き始めは白や淡い緑色をしていますが、秋頃には薄いピンクや赤に色づきます。
カシワバアジサイ
カシワバ(柏葉)アジサイは、北アメリカ東部の原産で、花房はミナヅキのような円すい形ですが、葉を5〜7つに割いた柏の葉のような形をしています。
初夏の頃には白い花を咲かせ、次第に淡い緑になり、秋頃にはくすんだピンクになります。
失敗しない紫陽花(あじさい)のドライフラワー作りのポイント
美しいドライフラワーを作るには、できるだけ早く乾燥させなくてはなりません。
紫陽花が最も良く咲いている梅雨の時期は、湿気が多いためにドライフラワーを作る季節としては適切ではありません。
ドライフラワーを上手に作るためには、作る時期と紫陽花を収穫するタイミングに気をつけましょう。
季節を選ぶ
ドライフラワーを失敗せずに作るなら、9〜12月がおすすめです。
大気中の湿気が少なく、切り花の紫陽花も水分がある程度抜けて、ドライフラワーに適した状態になっているからです。
湿気の多い時期は、なかなか水分が抜けずにカビが出ることがあります。
かといって、直射日光に当てて少しでも早く乾燥させようとすると色褪せが起こり、きれいな風合いが失われる可能性があります。
収穫のタイミングを逃さない
紫陽花を鉢植えや庭で育てている場合は、ドライフラワーとして収穫するタイミングに注意してください。
最も良いタイミングは、やはり秋、紫陽花の花色が変化し、水分が適当に抜けた頃です。
時期は良くても、湿気の多い雨の日は避けてくださいね。
6月頃は生花としての紫陽花を楽しみ、秋になってから収穫し、ドライフラワーとして楽しみましょう。
紫陽花(あじさい)のドライフラワーを作る
紫陽花のドライフラワーを作るには、3つの方法があります。
どの方法も比較的手軽ですので、取り組みやすい方法を選んでください。
大切な下準備
紫陽花をドライフラワーにする下準備をします。
- 茶色くなったり、傷んだりしている花を取り除く
- 茎から葉を取り除く
- 葉をつけたままでドライフラワーにする場合は、折れたり傷んだりした葉のみを取り除く
- バケツに水を張り、花房をつけて軽くゆすり、ごみや小さな虫を除く
ちょっとした手間ですが、きれいなドライフラワーを作るために、きちんと下準備をしておきましょう。
ハンギング法
ハンギング法は、ドライフラワー作りで最もオーソドックスな方法ですので、初心者の方におすすめです。
基本的な手順は、次の通りです。
- 紫陽花をしっかり水上げする
- 乾燥しやすいように花房を軽くほぐす
- 紫陽花を1本ずつ麻紐でしばる
麻紐は茎や花を傷めにくいのでおすすめです。
乾燥してくると茎が細くなるので、しっかりとしばってください。 - 風通しが良くて、日の当たらない場所に花を下向きに吊るす
ハンガーラックやつっぱり棒、コート掛けなどを利用してみてください。
廊下に吊るす場合は、ぶつからないように高い位置に吊るしましょう。
1〜2週間ほど吊るせば、ドライフラワーになります。
吊るしている状態もインテリアとして楽しむなら、麻紐の上からリボンやラフィアを結んでみてもいいですよ。
ドライ・イン・ウォーター法
ドライ・イン・ウォーター法とは、紫陽花を水に生けて、少しずつ水分を抜いていく方法です。
紫陽花から少しずつ水分が抜けていくので、丸いフォルムが保ちやすく、紫陽花向きの作り方です。
- 花瓶などに少量の水を入れて、紫陽花を生ける
- 風通しの良い場所に花瓶を置く
花瓶の水を入れ替える必要はありません。
初めに入れた水が無くなるころには、ドライフラワーができあがっています。
シリカゲル法
シリカゲルとは、海苔やお菓子などの袋にも入っている乾燥剤です。
ドライフラワー用のシリカゲルを使った方法で、乾燥までの期間が短く、鮮やかな花色を残したドライフラワーが作れます。
手順は、次の通りです。
- 密閉容器のドライフラワー用のシリカゲルを1~3cmほど敷く
- ハサミで一輪ずつ切り分けた紫陽花を、シリカゲルの上に並べる
- 花の上に優しくシリカゲルをかける
- 蓋をして冷暗所におく
約1週間でドライフラワーが完成します。
紫陽花を1本丸ごとシリカゲル法でドライフラワーにするためには、大きな密閉容器と大量のシリカゲルが必要となりますので、花一輪ずつに分けた方が良いでしょう。
小さなドライフラワーは、アクセサリーなどの小物にも利用できます。
ある程度の房の状態でドライフラワーにしたい場合は、適度な大きさの瓶にシリカゲルを厚めに敷き、その上に紫陽花の小房を乗せてください。
しっかり蓋をして密閉しておけば、そのままでもインテリアとして楽しめます。
紫陽花(あじさい)のドライフラワーを楽しむアレンジ
紫陽花のドライフラワーは、そのまま飾っても良いですが、アレンジしてもおしゃれな空間を作ってくれます。
スワッグやリースにする
定番のスワッグやリースは、花房の大きさや花色によってシックな印象やナチュラルな印象にもなります。
さらに、他のドライフラワーを合わせてラフィアやリボンを結ぶと、おしゃれ感がアップします。
香水ボトルを作る
紫陽花のドライフラワーを可愛い透明ボトルに詰めて、お気に入りのアロマオイルを数滴たらせば、香水ボトルのできあがりです。
とても簡単でおしゃれなインテリアなので、いくつか作って並べてみてはいかがでしょうか。
バスケットやトレーなどに飾る
アンティークな雰囲気がある紫陽花のドライフラワーは、同じ風合いのバスケットやかごにそのまま入れるだけで、ナチュラルなインテリアになります。
また、底の浅いトレーなどにそのまま乗せてもおしゃれですよ。
トレーの色と花色の組み合わせを変えれば、それぞれ風合いの違うインテリアが楽しめます。
和柄のお皿に紫陽花の組み合わせも素敵です。
アクセサリーとして楽しむ
一輪ずつのドライフラワーなら、レジンコーティングして可愛いアクセサリーにアレンジできます。
可愛いピアスやネックレスがあれば、毎日の暮らしが華やぎますね。
相性の良い花と組み合わせる
紫陽花のドライフラワーだけでなく、他のドライフラワーと組み合わせるともっといろいろなアレンジができます。
紫陽花と相性の良い草花には、以下のようなものがあります。
カラフルな色味のスターチス
鮮やかな黄色が映えるミモザ
アクセントカラーになるバラの実
ボリュームも出せるワックスフラワー
可愛い色合いのセンニチコウ
スパイシーな香りのローズマリー
清涼感のある香りが楽しめるユーカリ
ドライフラワーにもしやすい草花ばかりですので、ぜひ紫陽花と組み合わせたおしゃれなアレンジを試してみてください。
まとめ
紫陽花は、生花からドライフラワーまで長期間楽しめるお花です。
みずみずしく鮮やかな紫陽花をじっくりと楽しんだ後は、時期を見てドライフラワーにトライしてみましょう。
紫陽花のナチュラルなくすみ色の趣をぜひ味わってみてください。
3通りの作り方はどれも簡単ですので、さまざまな種類の紫陽花をドライフラワーにしてアレンジしましょう。
あなただけのシックでお洒落なお部屋ができあがりますよ。